カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Kirik Party】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2017/01/04 21:27   >>

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 この【Kirik Party】は観たい映画、楽しみな映画ではあったが、もうかなり前からSNSで過剰なぐらい宣伝がされていたので、いい加減うんざりしていたところで公開となった。
 監督はリシャブ・シェッティ、主演はラクシト・シェッティという、【Ricky】(16)と同じくシェッティ&シェッティによる映画。
 題名の「Kirik」は他人に悪戯したり、イライラさせたり、怒らせたりする厄介な存在のことで、「Party」は宴会のことではなく、仲間とかグループとかのほう。訳しにくいが、「悪戯仲間」とか「厄介なグループ」みたいな意味になるか。

【Kirik Party】 (2016 : Kannada)
脚本 : Rakshit Shetty & The Seven Odds
監督 : Rishab Shetty
出演 : Rakshit Shetty, Rashmika Mandanna, Samyuktha Hegde, Achyuth Kumar, Pramod Shetty, Aravind Iyer, Dhananjay Ranjan, Chandan Achar, Ashwin Rao Pallaki, Shankar Murthy, Giri Krishna, Rajath Kumar, Hanumanthe Gowda, K.P. Sridhar, 他
音楽 : B. Ajaneesh Loknath
撮影 : Karam Chawla
編集 : Sachin
制作 : G.S. Guptha, Rakshit Shetty

題名の意味 : 悪魔な仲間
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : コメディー/ドラマ
公 開 日 : 12月30日(金)
上映時間 : 2時間45分

《 あらすじ 》
 カルナ(Rakshit Shetty)は工科大学で機械科学を専攻する1年生。寮暮らしで、同じ寮の5人の悪友と悪さばかりし、1年生のくせに存在感があった。
 この大学にサーンヴィ・ジョーセフ(Rashmika Mandanna)という噂の美女がいた。サーンヴィは4年生で先輩だったが、カルナら6人は彼女にのぼせ上がる。なかんずくカルナはそうで、彼女に接近しようという試みが先輩男子の目に留まり、先輩後輩の間で大乱闘にまで発展する。これが問題となり、カルナら6人は停学処分を食らう。
 カルナら6人はサーンヴィの気を惹こうと、修理工のガウス(Achyuth Kumar)を介して中古の車を買う。しかし、この車のキーを握るのはなぜかいつもローキ(Aravind Iyer)だった。
 サーンヴィは社会活動も行っていたが、スラムの売春問題を取材して論文に書いたことがあった。その時に知り合った妊婦のソーヌという売春婦が陣痛に見舞われたため、カルナとサーンヴィが車で病院まで運ぶ。ソーヌは無事に女児を出産する。
 これがきっかけでカルナはサーンヴィと恋仲になるが、あろうことか、サーンヴィは女子寮でパーティーをしていた際に、酒に酔って、4階の窓から転落死してしまう。しかも、その転落の様子を撮った動画がSNSで拡散してしまい、スキャンダルとなる。カルナはそんな状況に対して、サーンヴィの名誉を守るために闘う。
 それから3年、4年生になったカルナは学内を仕切る顔役になっていた。そんなカルナに1年生のアーリヤ(Samyuktha Hegde)が熱い視線を送る。アーリヤはこの大学の学長(Hanumanthe Gowda)の娘だった。
 この頃には、カルナのかつてのグループは、カルナを含む機械科学部生とローキを含むコンピューター科学部生の2派に分かれていた。で、学内自治会の選挙の際にも2派の対立となるが、カルナの「ラストベンチ党」が勝利し、カルナが会長となる。しかし、その後も2派の対立は絶えなかった。
 学期試験が行われるが、カルナらは不正を働こうと、夜、学内に忍び込み、解答用紙を盗み出す。そして、解答を書き込んだ後、元に戻すが、この時、雑用係に目撃されたと思い、彼を尾行する。雑用係は学長の家に入るが、へべれけに酔っ払っていたカルナらは間違って学長を誘拐し、車のトランクに監禁してしまう。
 翌朝、学長が失踪したということで大騒ぎとなるが、無事に車のトランクから発見される。その際、カルナはキーをいつも持っているのはローキだと言って、彼に罪をなすりつける。
 カルナらの卒業が近づくころ、アーリヤはカルナをデートに誘い出す。そして、デートの終わりにカルナをある家に連れて行くが、そこは死んだサーンヴィの実家だった。カルナはここでサーンヴィの父(K.P. Sridhar)に会い、いろいろと話を聞く。そこからカルナはスラムのソーヌを思い出し、会いに行く。あの時生まれたソーヌの娘も今は3歳で、サーンヴィと名付けられていた。
 カルナの友人はカルナに卒業前に学長誘拐の真実を告白すべきだと勧告する。カルナの胸に様々な思いがよぎり、彼はバイクで一人旅に出る、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★★☆
・インド映画ではなかなか良い青春映画に出くわさないが、これはけっこう(私のかなりインド化した感性からすると)良い線を行っている。思い返せば、カンナダ映画というのは、タミル映画やテルグ映画がヒーロー主体の守旧的なアクション映画に夢中になっていた頃に、青春物、キャンパス物の秀作を送り出し、それ系映画の先進映画産業だったはずだが、いつの間にかオジサマくさかったマラヤーラム映画にさえ遅れを取ることになってしまった。しかし本作は、マラヤーラム映画の【Bangalore Days】(14)や【Premam】(15)、テルグ映画の【Happy Days】(07)に比べても遜色はない。

・物語の時代は現代なのに、どこかノスタルジックな調子だった。なぜかインド映画のキャンパス物はノスタルジックなものが多い。場所もどことは特定されていなかったが、ベンガルールでないことは確実で、もしかするとキャラが立ちすぎているベンガルールを意図的に避けたのかもしれない。(撮影にはハーサンにあるMalnad College of Engineeringが使われたらしい。)

・もう一つのすぐに気付く特徴は、本作がかなりなレベルでミュージカル仕立てだということ。ドラマパートからソングパートへの受け渡し方とか、登場人物の口パクとかがそうで、こういう手法もノスタルジックさを感じさせる理由かもしれない。ただし、この雰囲気は映画における歌の存在に重きを置かない鑑賞者には違和感かもしれない。(ついでに、ミュージカル仕様だといっても、ダンスには特に美しさはなかった。)

・物語とか脚本とかには特に傑作めいたものは感じなかったが、2回あるデートのシーン(カルナとサーンヴィ、カルナとアーリヤ)はきれいに作られている。また、エンディングの落とし方も面白い。

・キャンパス物ならではのインドの学生のジョークに満ち満ちていたが、この辺は外国人鑑賞者には苦しい。英語字幕が付いていたが、それを読んでも何が面白いのか分からないシーンが多かった(もちろん、現地人は大笑いしていた)。しかし、私が理解し得た限りの部分は、なかなか憎い笑いのセンスだった(例えば、カルナとローキのウィスキー瓶を巡るやり取りとか)。

・題名から主人公とその仲間たちを描いた青春群像を予想したが、実はほぼラクシト・シェッティ演じるカルナの独り舞台だった。そのカルナの成長譚が物語の柱だと思うが、2人の女性に誘発されてカルナが人間の幅を広げて行くという展開が、ラクシト・シェッティ(本作のストーリー/脚本も担当)自身の実体験または願望が反映されているようで、面白い。

・面白いと言えば、物語の後半で学生が機械科学部生とコンピューター科学部生の2グループに分かれるというのも興味深い。実際にインドの大学はこんなことになることが多いらしい。もちろん、本作では機械科学部のほうに共感が置かれている。(全般的に、カンナダ映画ではコンピューターとかソフトウェアというのは甚だ扱いが低い。)

◎ 配 役 : ★★★★☆
 知っている顔としては、ラクシト・シェッティ、アチュート・クマール、プラモード・シェッティ、ハヌマンテー・ガウダ、K・P・シュリーダルぐらいで、後はオーディションで選んだ新人またはほぼ新人らしい。

◎ 演 技
・ラクシト・シェッティ(カルナ役) ★★★★☆
 前半は大学1年生のヤングな役作りで、ちりぢり頭がカワユかったが、後半の4年生では突然【Ulidavaru Kandante】(14)のリッチーになったので、笑ってしまった。それはさておき、楽人さんの演技に初めて感銘を受けた。

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・ラシュミカー・マンダンナ(サーンヴィ役) ★★★☆☆
 こういう顔がインドにも、しかも南インドにもいたんだ、というような薄い系美女で驚いたが、どうやらクールグ出身らしい。「クールグ美女」という言葉はよく聞く割に、女優としてはプレーマ、ダイシ・ボーパンナ、それに(たぶん)パローマ・モンナッパぐらいしか思い浮かばないが、ラシュミカーさんのおかげで「クールグ美女」に信憑性が出たかな。メガネなしでも美人だが、すごくメガネがよく似合う。

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・サムユクタ・ヘグデ(アーリヤ役) ★★★☆☆
 ラシュミカーさんほどの鮮烈度はないが、後半のヒロインとして、活発で、健気な感じがなかなか良かった。

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◎ 音 楽 : ★★★★☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★★☆☆
・音楽は注目のアジャニーシュ・ロークナートの担当。実は歌の感じは全般的に私好みではないのだが、1曲、カルナとサーンヴィのデートシーンで、教会で歌われる歌が非常に美しかった。ところが、驚いたことに、その歌がサントラのトラックリストにないようで、ナゾである(YouTubeでも見つからない)。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・アクション映画ではないが、喧嘩(乱闘)シーンのアイデアは面白かった。

◎ その他(覚書)
・冒頭でウペンドラのことが話題になり、学生たちが【A】(98)のワンシーンを見ながら大騒ぎする場面があった。その意図は推し量るしかないが、おそらくリシャブ・シェッティ監督がウペンドラと同じクンダープラの出身だというのもあるだろう。ちなみに、ラクシト・シェッティもクンダープラに近いウドゥピの出身。

・映画中、どや!って感じで黄色のレトロカーが使われていた。車種は特定していないので、興味のある方はぜひ調べてください。

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◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 12月31日(土),公開第1週目
・映画館 : INOX (Mantri Mall, Malleshwaram),14:00のショー
・満席率 : 満席
・場内沸き度 : ★★★★☆
・備 考 : 英語字幕付き

 

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【Srinivasa Kalyana】 (Kannada)
 インディーズっぽいが、巷で評判の良いラブコメが現れたので、観て来た。  監督のM・G・シュリーニワースは、ウペンドラ主演の【Topiwaala】(13)を撮った人で、本作では主演も兼ねている。 ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2017/03/07 20:57

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