カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Nenu Local】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2017/02/09 19:12   >>

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 私がこの映画鑑賞記を書き始めたころ、テルグ映画界ではプロデューサーのディル・ラージュが快進撃を続けていて、【Arya】(04)や【Bommarillu】(06)など、ヒット作を連発していた。最近はちょっと勢いがないように見えたが、今年に入って【Sathamanam Bhavati】が好調で、さらに【Nenu Local】も上々の滑り出しである。で、どちらか観ようと思い、迷った末、ヒロインがキールティ・スレーシュということで、【Nenu Local】にした(【Sathamanam Bhavati】のアヌパマ・パラメーシュワランも気にかかるが)。
 監督はトリナータ・ラーウ・ナッキナという人で、過去に4作撮っている。全く意識になかったが、【Cinema Choopistha Mava】(15)は成功したようである。
 主演はナーニ。かつては「ハエより影が薄い」と言われたこともあったが、なんのなんの、最近は5作連続でヒット作を飛ばすテルグ映画界の稼ぎ頭になっている。このナーニのパフォーマンスが本作の注目点だろう。

【Nenu Local】 (2017 : Telugu)
脚本・監督 : Trinadha Rao Nakkina
出演 : Nani, Keerthy Suresh, Sachin Khedekar, Naveen Chandra, Posani Krishna Murali, Easwari Rao, Rao Ramesh, Tulasi, Raghu Babu, Krishna Bhagawan, Vennela Kishore, Prabhas Sreenu, Hemanth, Ram Prasad, 他
音楽 : Devi Sri Prasad
撮影 : Nizar Shafi
編集 : Prawin Pudi
制作 : Dil Raju

題名の意味 : 俺はローカル
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : コメディー/ロマンス
公 開 日 : 2月3日(金)
上映時間 : 2時間23分

《 あらすじ 》
 バーブ(Nani)はお気楽な大学生。家はミドルクラスで、両親(Posani Krishna Murali & Easwari Rao)と暮らしていた。バーブはどこか風変わりな男だが、行動には筋を通していた。しかし、学業はからきしダメで、落第を続けていた。教授(Sachin Khedekar)はそんなバーブに愛想を尽かし、試験の時にわざとカンニングをさせて合格させ、大学を卒業させる。そんな時にバーブはキールティ(Keerthy Suresh)に出会い、一目惚れする。バーブは早速キールティの通うMBAのクラスに入り、あれやこれやと彼女の気を引こうとするが、彼女はなかなか打ち解けない。
 ある夜、バーブはキールティを連れ出し、ある結婚式場に連れて行く。そこでバーブは新郎を誘拐する。父親(Rao Ramesh)と一族郎党がものすごい勢いで追って来るが、バーブたちは逃げる。実はこの新郎はキールティの友達の恋人で、バーブは二人の駆け落ちの手助けをしたというわけだった。この一件などがあって、キールティもバーブを愛するようになる。
 しかし、事は簡単には進まない。実は、キールティの父はバーブにわざとカンニングをさせて合格させた大学教授で、バーブのことは全く評価していなかったからである。そんな時にキールティに惚れたシッダールト(Naveen Chandra)という警官が現れる。キールティの父はこちらを気に入ってしまい、娘の結婚相手に決めてしまう。キールティの心はバーブにあったが、しかし父の決定を尊重したい彼女は、板挟みとなる。不思議なことに、キールティの母(Tulasi)はバーブのほうをすっかり気に入る。
 キールティは、25日間のうちに父を説得できたら、バーブと結婚すると彼に告げる、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★★☆
・面白かった。上のあらすじを読んで分かるとおり、テーマとストーリーはすごくありふれた南インド家族映画型ラブコメで、表現スタイルも歌ありアクションありのいわゆるマサラ仕様。新しい要素は何もないと言い切れるほどだが、それでも新鮮なものを感じた。使い古されたフォーミュラでも面白い映画が撮れるという好例だ。

・となると、何が面白かったのか列挙したくなるものだが、まず@にナーニのパフォーマンス、Aに脚本と台詞、Bにナーニとキールティ・スレーシュのケミストリー、Cにデーヴィ・シュリー・プラサードの音楽、Dに快調なテンポ。

・ここではAの脚本面だけもう少し詳しく書いておくと、まず、トリナータ・ラーウ監督は自分の描きたいものについてかなり自覚的で、きちんと脚本化している(本作の物語、脚本、台詞には複数のスタッフが参加しているようだが)。単純なストーリーのように見えて、例えばバーブ(Nani)の「新郎誘拐」のエピソードなど、伏線の張り方が上手い。後半は「バーブ vs キールティの父&シッダールト」となるところを「バーブ&キールティの母 vs キールティの父&シッダールト」とし、しかもキールティの母(Tulasi)をコメディー的役回りで投入するあたりなど、なかなか憎い。

・ありふれたテーマなのに、理屈のつけ方が面白い。題名の「Nenu Local(俺はローカル)」の「俺」は主人公バーブのことで、「ローカル」は、インド人はいろいろな意味でこの言葉を使っているようだが、ここでは外国かぶれしていない、その土地の習慣、価値観を大切にしている者という意味だろう。そんなバーブの奉じる思想がミドルクラス主義といったもので、それは「家にベッドやテレビを2つ以上置くことは、家庭崩壊に繋がる」という考え方によく表れている。物語はこの保守庶民層的な考え方でぐいぐい押している。それが本来のインド映画らしくて、潔い。

・脚本上の難点は、バーブと対立するシッダールト(Naveen Chandra)のキャラクターが、悪い奴なのか、悪い奴に見えて実は良い奴なのかがはっきりせず、見ていて落ち着かなかったこと。それと、基本的に小気味よいテンポで進むのに、コメディーシーン(特に警察署での)がくどかった。

◎ 配 役 : ★★★★☆
◎ 演 技
・ナーニ(バーブ役) ★★★★☆
 見るたびに良くなっているナーニだが、本作は台詞回し、ボディーランゲージ、マンネリなどがばっちり決まり、「これぞナーニ!」といった感じだった。これまでの最高の出来と言ってもいいと思う。
 (写真下: こうやってスチルを見ると、普通のお兄さんなんだが。)

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・キールティ・スレーシュ(キールティ役) ★★★☆☆
 とにかくキールティに関しては、去年3作を見逃した穴埋めはせねばと、本作を観に行ったが、期待通りの活躍ではあった。テルグ映画では【Nenu.. Sailaja...】(16)に続く2本目だが、この【Nenu Local】のほうが良い。我ながらそれほど美人だとは思わないのだが、本作でもいくつかの表情が可愛くて、オジサン、泣いちゃった。

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・ナヴィーン・チャンドラ(シッダールト役) ★★☆☆☆
 上で書いたとおり、ナヴィーン・チャンドラの演技力というより、脚本が不十分なせいで、登場シーン以外強い印象を残せていない。【Andala Rakshasi】(12)で見たときは個性的で良い俳優だと思ったが、その後あまり活躍していないところを見ると、使いにくい俳優なのかも。
 (写真下: もちろん奥の警官のほうです。)

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・サチン・ケーデーカル(キールティの父役) ★★★☆☆
 テルグ映画ではプラカーシュ・ラージが得意としていたような役だが、確かにプラカーシュ・ラージがやるべきだった。サチン・ケーデーカルでも悪くないが、吹き替えの声質が合っていなかった。

◎ 音 楽 : ★★★★☆
◎ BGM : ★★★★☆
◎ ダンス : ★★★☆☆
・先日の【Khaidi No. 150】ではパッとしない感じがしたが、本作のデーヴィ・シュリー・プラサードの音楽はすごく良い。何よりも映画の内容とマッチしていた。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・ラブコメ、家族物ではあるが、アクションシーンは割としっかり作られている。

◎ その他(覚書)
・バーブが催眠ガスの入ったスプレーを持っていて、それで対象を易々と眠らせて誘拐する場面があったが、ああいうスプレーはまさか市販されてまい。先日観た【Bairavaa】でも笑いガスのスプレーを使っていたが、インドの理工系出身者はあんなの簡単に作っちゃうのかね。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 2月5日(日),公開第1週目
・映画館 : Cinepolis (ETA Mall),10:05のショー
・満席率 : 3割
・場内沸き度 : ★★★★☆

 

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【Ninnu Kori】 (Telugu)
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