カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Si3】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2017/02/22 18:21   >>

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 ハリ監督、スーリヤ主演の「シンガム」シリーズ・第3弾、【Si3】だよ。
 題名は素直に「Singam 3」とすればいいものを、なぜか「Si3」とか「SV」とかになっている。スーリヤのこの顔さえあれば、省略形で通じるという了見か!

【Si3】 (2017 : Tamil)
物語・脚本・台詞・監督 : Hari
出演 : Suriya, Anushka Shetty, Shruti Haasan, Thakur Anoop Singh, Sharat Saxena, Sarath Babu, Vijayakumar, Soori, Robo Shankar, Nithin Sathya, Suman, Kamalesh, Jayaprakash, Raadhika Sarathkumar, Joe Malloori, Nasser, Janaki Sabesh, Radha Ravi, Sumithra, Yuvarani, Manorama, Imman Annachi, Jeeva Ravi, Mohan V. Raman, 他
音楽 : Harris Jayaraj
撮影 : Priyan
編集 : V.T. Vijayan, T.S. Jay
制作 : K.E. Gnanavel Raja, Dhaval Jayantilal Gada

題名の意味 : シンガム・パート3
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション
公 開 日 : 2月9日(木)
上映時間 : 2時間35分

《 あらすじ 》
 アーンドラ・プラデーシュ州ヴィシャーカパトナムで警視総監ラーマクリシュナ(Jayaprakash)が殺害される。事件の捜査は進まず、野党からの突き上げに窮した内務大臣(Sarath Babu)は、タミル・ナードゥ警察の凄腕警官シンガム(ドゥライシンガム:Suriya)を招聘することにする。
 現地入りしたシンガムは密かに捜査を進める。その過程でヴィディヤ(Shruti Haasan)という若い女性に付きまとわれる。ヴィディヤは実はジャーナリストだが、素性を隠してシンガムに接近し、彼がある女性と逢引きしているゴシップ記事をものにする。しかしその女性はカーヴィヤ(Anushka Shetty)で、実はシンガムの妻だが、安全上の理由で関係を隠していただけであった。この件でヴィディヤは牢獄にまで放り込まれるが、かえってシンガムに惚れるようになる。
 捜査の結果、ラーマクリシュナ殺害にはヴィシャーカパトナムで力を持つマフィア、MSレッディ(Sharat Saxena)が絡んでいることを突き止めるが、証拠が不十分なため、逮捕には至れない。
 しかし、さらに捜査を進めるうちに、ヴィシャーカパトナムには産業廃棄物違法投棄の問題があり、そのゴミの山から出るガスで付近の住民が苦しんでいることが分かる。それにより家族を亡くした学校教師(Joe Malloori)がかつて警官ラーマクリシュナに訴え、捜査が行われる過程でラーマクリシュナが殺害されたというわけであった。シンガムはラーマクリシュナの運転手(Jeeva Ravi)から証言を得、ラーマクリシュナ殺害はMSレッディが手を下したものであることを知る。さらに、この事件の背後にはオーストラリア在住の青年実業家ヴィッタル・プラサード(Thakur Anoop Singh)が控え、彼がオーストラリアの産業廃棄物をMSレッディを介してインドに違法投棄していたことも突き止める。ヴィッタル・プラサードはインド中央政府の大臣ラーム・プラサード(Suman)の息子で、手強い相手だった。
 シンガムはMSレッディに家族を殺すと脅される。そこでシンガムは二度目のハネムーンと偽って、カーヴィヤを連れてオーストラリアへ飛ぶ。もちろん真の目的は捜査で、シンガムはヴィッタル・プラサードのオフィスに入り込み、ハッカーのムラリ(Nithin Sathya)の協力を得て、着々と証拠集めを行う、、。

・その他の登場人物 : 警官ヴィーラ(Soori),警官スッブ(Robo Shankar),ラーマクリシュナの妻(Raadhika Sarathkumar),ラージーヴ・クリシュナ(Kamalesh),タミル・ナードゥ州内務大臣(Vijayakumar)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★★☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・「シンガム」シリーズだから分かっていたとは言え、な、な、何だ、このスピード感とエナジーは! いやぁ、凄かった。速いといえばテルグ映画だが、そのテルグ映画でもやらないスピーディーな展開。もっちゃりが基本のカンナダ映画なら、3周ぐらい置いてきぼりを食らうな。

・しかし、正直に告白すると、あまりに早すぎて、何を観たかよく分からなかった。もうちょっとタメを作ってもよかろうに。英語字幕もなかったので、苦労した(もっとも、あの展開なら字幕を読んでる暇などなさそうだが)。

・パート1の【Singam】(10)でもかなりな勢いを感じ、「肛門が飛び出しそうになった」と書いたが、本作では脱腸になりそうなほどだった。映画の質的には【Singam II】(13)のほうに近いが、よりパワーアップした感じだし、ストーリー、テーマも面白くなっている。(だいたい、【Singam II】はヒットしたもののそれほど評価が高くなく、【Singam】の中の20分を2時間45分に伸ばしただけ、という評もあった。)

・しかし、このパート3も十分楽しめるのだが、完成度としてはパート1に及ばない。何よりパート1にはインド人の好む人間性があった。田舎者でバカみたいに家族を大切にし、純朴なほど正義を愛する青年警官が大事を成し遂げる、そんな面白さがあった。本作は、パート2と同様、犯罪の規模、物語の地理的規模も大きくなり、全体的にスケールアップしているにもかかわらず、もう人間離れした正義維持マシーンのようだった。

・で、その根拠は、やはり神様の似姿ということになるのかな。ウルトラマンやスーパーマンのようなスーパーヒーローが発達しなかったインドでは、そんな人間離れした存在として、ナラシンハのようなヴィシュヌ神のアヴァターとか、ドゥルガー女神のような神様が今も生きている。そうした神格は人間社会の法律なんか易々と超える。ハリ監督の映画はロジックを気にしてはいけない、とタミル人さえ言うが、そうした超法規的な行動の取れるヒーロー像というのがインドの大衆娯楽映画に登場するのは必然で、しかし、今のインド映画のトレンドはそういうヒーローを描きにくいものとなっているし、また、それを演じきれるカリスマのあるスターも少なくなっている。そんな中で、ハリ監督とスーリヤのコンビというのは卓越した存在となっている。このシンガムがシリーズ化されるのも必然だったのかなと思う。

・産業廃棄物(電子廃棄物とバイオ廃棄物)の違法投棄、しかも海外のゴミをインドに捨てるというのをテーマにしたのは面白い。いや、褒めているのではなく、腹抱えて笑ったという意味だけど。この問題がどこまで事実を反映しているのかは分からない。しかし、そもそも外国からゴミを捨てられて文句を言う前に、インド人がインドにゴミを捨てるのを批判しろ、ちゅうの! と、「Garden City」転じて「Garbage City」となったベンガルールの住人は言う。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・スーリヤ(ドゥライシンガム役) ★★★★☆
 パート1と2の鑑賞記では、スーリヤの気張り方に「頭の血管が切れそう」とか「こちらもウンコをちびりそうになる」とか書いてしまったが、さすがに3作目となると堂に入ったもので、声質も良く、かなり男前だった。
 (写真下: 馬に乗らなきゃならない理由は分からないが、カッコよかったので、よしとしよう。)

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・アヌシュカ・シェッティ(カーヴィヤ役) ★☆☆☆☆
 まぁ、シリーズものだし、シンガムのパートナーということで起用されるのは理解できるが、何のドラマもない使われ方だった。しかも、先日の【Om Namo Venkatesaya】ではあれほど光っていたのに、洋服を着るとあきまへんなぁ。お色気ダンスにも冴えなし。というか、スタイリストを呪え。

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・シュルティ・ハーサン(ヴィディヤ役) ★★☆☆☆
 何と言うか、特に気にかけている女優でもないが、サインする前に脚本を読んだのか、と伺いたい。ある意味、あっぱれだけど。
 (写真下: カマル・ハーサンの娘がこんなことしていていいのか?)

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・タークル・アヌープ・シン(ヴィッタル・プラサード役) ★★★★☆
 私的に本作最大の掘り出し物はこの悪役を演じたお兄さん。本格的なボディービルダーで、一見頭悪そうだが、ボディーランゲージとか上手く、意外に役者IQは高いかも。
 (写真下: 本作のスチルではありません。)

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 しかも、このお方はテレビドラマの『マハーバーラタ』でこんなこともやってたんだぜ(ドリタラーシュトラの役らしい)。ちなみにこの同じ『マハーバーラタ』には、【Om Namo Venkatesaya】でウェンカテーシュワラ神を演じたサウラブ・ラージ・ジェインもクリシュナ/ヴィシュヌ神役で出ていたようだ。

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・ニティン・サティヤがハッカー役で、思いがけず重要な役回りだった。

◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★★☆☆
・パート1と2では音楽はデーヴィ・シュリー・プラサードだったが、本作はハリス・ジャヤラージの担当。歌の出来は悪くないと思うのだが、絵的にはどうかなぁ、、と感じた。

・不覚と言うか何と言うか、音楽シーンの1つにニートゥ・チャンドラがカメオ出演していたらしいのだが(たぶん、アイテムナンバー)、全く気付かなかった。それもそのはず、こんな様変わりしたニートゥなら、気付かなかったのも当然ですよね?

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・ところで、本作は「騒々しい」ということで話題になったらしく、「耳栓か頭痛薬をお忘れなく」と書いているレビューもあった。確かにBGMなど騒々しいように感じたが、インド的には常識の範囲内だった。

◎ アクション : ★★★★☆
◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★☆☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・アクション・シーンは全般的によくできていたが、セミトレーラーでのカーチェイスが即物的で良かった。

◎ その他(覚書)
・冒頭のアーンドラ・プラデーシュ州州議会のシーンで、議事堂内にNTRの肖像画があった。

・パート3にして初めて気付いたが、シンガムはカーヴィヤのことを「プリ(虎)」と呼んでいたのね。(そういえば、パート1でカーヴィヤはトラの着ぐるみを着ていた。)

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 2月18日(土),公開第2週目
・映画館 : Cinepolis (ETA Mall),10:05のショー
・満席率 : 1割
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆

 

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2017/03/03 20:25

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