カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Urvi】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2017/03/21 20:45   >>

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 シュルティ・ハリハラン、シュラッダー・シュリーナートという今サンダルウッドでホットな2人に加え、シュウェーター・パンディトという、3人の女優が主役の映画ということで話題になっていたが、トレイラーも刺激的で、超楽しみな1本だった。

【Urvi】 (2017 : Kannada)
物語・脚本・監督 : B.S. Pradeep Varma
出演 : Shruthi Hariharan, Shraddha Srinath, Shwetha Pandit, Achyuth Kumar, Bhavani Prakash, Madhukar Niyogi, Prabhu Mundkar, Ananya Bhat, Vasuki Vaibhav, Janvi Jyothi, 他
音楽 : Manoj George
撮影 : Anand Sundaresha
編集 : Surya Teja
制作 : B.R.P. Bhat

題名の意味 : 大地
映倫認証 : A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ドラマ
公 開 日 : 3月17日(金)
上映時間 : 2時間31分

《 あらすじ 》
 スージー(Shraddha Srinath)とデイジー(Shwetha Pandit)はボビー(Bhavani Prakash)が経営する娼館の娼婦。スージーは海辺の村出身だが、まだ幼少の頃、地元の有力者デーワラグンダ(Achyuth Kumar)に父を殺され、姉もレイプされた上に自殺に追い込まれ、自身はボビーの娼館に売られて来た、という過去を持つ。絶望的なスージーにとっての慰めは恋人で画家のルーニー(Madhukar Niyogi)の存在だった。片やデイジーは、幼いころから女将のボビーに実の娘のように育てられ、ボビーからの信頼も厚かった。デイジーは少女ラシュミを妹のように可愛がり、学校へも行かせていた。
 アーシャー(Shruthi Hariharan)は孤児だが、医学生で、その孤児院初の医師になることを目指していた。彼女はまた女性問題にも積極的に取り組んでいた。アーシャーにはシュウェータ(Ananya Bhat)という友達がいた。実はその父はボビーとつるんでいる好色なデーワラグンダだが、もちろんアーシャーはそんなことは知らない。彼女にはまたプラカーシュ(Prabhu Mundkar)という恋人がいた。
 ある晩、図書室を出ようとしたアーシャーは大金の入った財布を見つける。図書室の管理人と相談した結果、彼女はその財布を一時的に孤児院に預けることにし、退出する。しかし、それは罠だった。その財布の持ち主が現れ、5万ルピー紛失していると難癖を付けられ、警察沙汰となる。2,3日の猶予を与えられたアーシャーは、5万ルピーをシュウェータから借り、持ち主に返すために指定されたロッジで待つ。しかしそのロッジは売春婦の置屋で、警察の手入れが入り、アーシャーも売春容疑で警察署に連行される。そこへ娼婦の元締めがやって来、警察に賄賂を払って娼婦たちを釈放させる。その際、アーシャーも車に乗せられるが、睡眠薬で眠らされ、そのままボビーの娼館に送られる。全てはデーワラグンダらの仕組んだ罠で、デーワラグンダはボビーに、アーシャーには傷一つ付けるなと指示する。だが、それを知ったアーシャーは自ら頬に傷を付ける。
 スージーとデイジーはアーシャーの身の上に共感を寄せる。そんな時に、ラシュミの自殺事件が起きる。この件でデイジーはボビーに憎しみを抱くようになる。また、この件に嫌気をさしたポン引きのプトリ(Vasuki Vaibhav)と娼婦のラーダーが娼館を抜け出そうとするが、ボビーに見つかってしまう。
 娼婦たちに怒りが燻る。アーシャーは娼婦たちを啓蒙、鼓舞する。ボビーはそんな動きを抑えつけようとするが、ついに娼婦たちの怒りが爆発する、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★★☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
・シュルティ・ハリハラン、シュラッダー・シュリーナート、シュウェーター・パンディトが並び、あれこれやってくれるものと妄想がふくらみ、鼻血必至で臨んだが、期待外れだった。いや、そういう男のスケベ心が諸悪の根源だと言っているような映画なので、あれこれ期待した私が間違っているのだが。

・ただ、事前にネット上で言及されていたように、本作がメッセージを持つ女性主体の映画だということなら、根本的に攻め方が間違っているように思った。何がいけないかと言って、スージー、デイジー、アーシャーを中心とする本作の女性たちの話が悲惨すぎて、リアリティーを失ってしまった点だろう。これだと、通常の男性ヒーローが主演の荒唐無稽なアクション映画と変わらない。確かに女性が主役で、売春宿に売られるという女性問題が扱われているが、本質的には悪い奴をやっつける映画なのだと思う。ヒンディー映画【Akira】(16)を観たときと同じような印象を受けた。あえて女性主体のメッセージ映画を作りたいなら、女性が陥る社会に潜む危険性を描くためには、リアルな線を逸脱してはいけないと思う。手本としては、例えばタミル映画の【Vazhakku Enn 18/9】(12)を挙げておきたい。

・さらに言うと、悪役が悪すぎる。悪役デーワラグンダを演じたアチュート・クマールは、それはそれは楽しそうに、しかも名演していたと言えるが、あそこまで悪い奴なら、もうダルシャンの映画だろう。

・2人の主要男性キャラクターの使い方にも疑問が残る。スージーの恋人ルーニーは、政治や警察を風刺するグラフィティ作家だが、いまいち人物像も役回りもはっきりしなかった。アーシャーの恋人プラカーシュは、ああいう役回りにしなくてもよかったのになぁ、と思う。(ただ、本作の面白さはあくまでも女性自身が女性の敵と戦うという趣向なので、男はオマケとも言えるが。)

・しかし、よく考えた点、力作と言える点はあちこちに見られ、凡作だとは思わない。例えば、冒頭のナレーションで、まず闇があり、光は闇の子宮から生まれ、闇こそが世界を支配する力で、それは女神カーリーである、みたいな、なかなか印哲オタクをわくわくさせる一節があった。

・ちなみに、題名の「Urvi」は意味がよく分からないが、サンスクリットだろう。調べてみたら、「earth」とか「heaven and earth」とか「wide region」とかいう意味らしいが、やっぱり分からない。英語字幕では「Urvi」に「darkness」という訳語が付いていたと思う。

・孤児に対する偏見(これを警官が述べていた)とか、売春業界が警察とツーカーな様子とかが分かって、興味深かった。

・表現も、例えばアーシャーが罠に陥るときに見上げる月が雲に隠れるとか、ラシュミが飛び降り自殺したときに、デイジーが雨で血の痕が流れてしまわないようにするとか、気の利いたのがいろいろあった。

・プレクライマックスの娼婦の反乱は迫力があった。また、クライマックスのデーワラグンダを始末するアイデアも面白い。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・シュルティ・ハリハラン(アーシャー役) ★★★☆☆
 主演女優が3人並ぶので、一人当たりの出番が少なくなるのは仕方がないが、期待を上回るものではなかった。しかし、娼館に入れられてからの見せ場はさすがだった。ちなみに、彼女は【Raate】(15)でも売春婦と間違えられて逮捕される役をやっていた。
 (写真下: 恋人プラカーシュ役のPrabhu Mundkarと。)

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 ところで、事前にシュルティのこういうメイクのイメージが公表されていたが、こんな場面、あったかなぁ。

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・シュラッダー・シュリーナート(スージー役) ★★★☆☆
 【U Turn】(16)の成功以降、気になる女優ではあったが、このお方も私の期待には届かず。ルーニーとのちんたらした場面が嫌だったのかもしれない。
 (写真下: やっぱり美人だ。エジプトのファラオ―みたいな顔だけど。)

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・シュウェーター・パンディト(デイジー役) ★★★★☆
 対して、驚きだったのはこのシュウェーター・パンディト。鑑賞前の予想では、シュルティとシュラッダーがメインで、このお方はオマケぐらいだろうと思っていたが、もしや主役かも、な活躍だった。やっぱり、実生活で〇ディープに弄ばれて、女優として一回り成長したか。

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・アチュート・クマール(デーワラグンダ役) ★★★☆☆
 上で書いたとおり、憎みても余りある役を楽しそうに演じていたが、ややこのお方のイメージに合っていないかもしれない。

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・バヴァーニ・プラカーシュ(ボビー役) ★★★★☆
 評価すべきは、娼館の女将ボビー役のこのお方。これもリアリティーからほど遠い人物像だと思うが、因業な性格の上に、ニヒルな哲学を口にするところが良い。しかし、このボビーという役柄上の人物が女性なのかヒジュラーなのか、結局分からなかった。

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・目の敵にするわけではないが、ルーニー役のMadhukar Niyogiというブロッコリー似の人、嫌だった。

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◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★☆☆☆
◎ ダンス : ★★☆☆☆
・音楽はマノージ・ジョージという、グラミー賞まで取ったことのある人らしいが、その割には、と感じた。歌はいいとして、BGMはくどいと感じた。

・インド映画で娼館が出てくるものでは、たいてい娼婦たちが美しくダンスをする音楽シーンがあるが、あんなに美しい所は本当にあるのだろうか。一度は見てみたいぞ。

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◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 美 術 : ★★★★☆
◎ 衣 装 : ★★★★☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・美術、衣装、撮影の視覚系は、かなり力が入っていて、良いと言えるのだが、なにか押し付けがましい感じもした。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 3月18日(土),公開第1週目
・映画館 : Cinepolis (ETA Mall),10:10のショー
・満席率 : 1割
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆
・備 考 : 英語字幕付き

 

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