カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【The Great Father】 (Malayalam)

<<   作成日時 : 2017/04/13 21:12   >>

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 今年初のマラヤーラム映画。意図しているわけではないが、毎年マラヤーラム映画の鑑賞本数が伸びない。鑑賞記録をチェックしてみたら、去年は3本しか観ていなかった。ちなみに、去年の1本目は【Jacobinte Swargarajyam】で、鑑賞日がこの【The Great Father】とちょうど同じ4月9日だった(単なる偶然だが)。
 で、当然の結果と言えるかどうか、マンムーティの作品もずいぶん久し振りで、【Fireman】(15)以来。その前は【Daivathinte Swantham Cleetus】(13)だった。その間、秀作がなかったわけではないので、これは残念な鑑賞歴と言える。2010年ごろまではそれなりに観ていたのだが、、。
 この【The Great Father】はマンムーティ主演ということだけでなく、プロデューサーの面々がユニークなこと、加えて、注目の子役アニカも面白い役をやりそうだったので、観ることにした。
 監督のハニーフ・アデーニは新人らしい。

【The Great Father】 (2017 : Malayalam)
脚本・監督 : Haneef Adeni
出演 : Mammootty, Arya, Sneha, Anikha, Malavika Mohanan, Miya George, Kalabhavan Shajon, Shaam(特別出演), 他
音楽 : Gopi Sunder, Sushin Shyam (BGM)
撮影 : Roby Varghese Raj
編集 : Noufal Abdullah
制作 : Prithviraj Sukumaran, Santosh Sivan, Arya, Shaji Nadesan

題名の意味 : 素晴らしいパパ
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : スリラー
公 開 日 : 3月30日(木)
上映時間 : 2時間31分

《 あらすじ 》
 建設会社を営むデーヴィッド・ナイナーン(Mammootty)は、妻で医師のミシェル(Sneha)、娘のサーラ(Anikha)との三人家族。サーラにとってデーヴィッドは自慢の父で、クラスメイトにはムンバイのマフィアさえ黙らせる、どんな時でも自分を守ってくれる凄いパパだと吹聴していた。
 ときに、この街では連続少女レイプ殺人事件が起きていたが、捜査に当たっていたサミュエル(Shaam)も謎の死を遂げ、警視アンドリュース・イーパン(Arya)が後を引き継いでいた。犯人はピエロのマスクを被った、「ジョーカー」と名乗る男らしかった。
 平和なデーヴィッド一家だったが、ある日、デーヴィッドもミシェルも忙しく、サーラを学校まで迎えに行けないときに、サーラはアパートのエレベーターで何者かに襲われる。会議がキャンセルになったデーヴィッドがアパートに戻り、サーラを発見し、妻の意見に従って病院に運び込む。
 幸いサーラにレイプされた跡はなかった。しかし、その日よりサーラの顔から笑顔が消え、父に不信の表情を見せるようになる。サーラは父と口を利かなかったが、一度だけ「犯人はジョーカーだ」という手紙を渡す。苦悩したデーヴィッドは、サーラの信頼を取り戻すために、自分の手でジョーカーを罰する決意をする。
 デーヴィッドはアパートの守衛やその関係者の証言、及び被害に遭った少女の親から情報を得る。これと並行してアンドリュースも小児性愛犯罪歴のある人物を中心に捜査を進める。その過程でアンドリュースはデーヴィッドという男の存在と、その娘が事件に巻き込まれたらしいことを知る。アンドリュースはサーラから事情聴取をしようと試みるが、デーヴィッドに阻まれる。
 ここにサーラを密かに追う謎の人物がいたが、それはジャーナリストのサティヤン(Kalabhavan Shajon)だった。デーヴィッドはサティヤンを締め上げ、彼がジョーカーと名乗る男から(面識はないものの)情報を得ていたことを知る。デーヴィッドはサティヤンから、ジョーカーが送ってきた犯行を録画したUSBメモリーを得る。
 デーヴィッドは、一連の情報から、ジョーカーは自分の会社と関係のある人物ではないかと推理する。また、アンドリュースも、犯行に使われたと思しきトラックにデーヴィッドの会社のロゴがあるのを知り、デーヴィッドの会社を捜索し、疑わしい人物を特定する。しかし、その男とは別個に、この会社のビルにジョーカーが現れ、被害に遭った少女も発見される。
 デーヴィッドもアンドリュースも、物証からイドゥッキにジョーカーの隠れ家があることをつかむ。デーヴィッドは車でイドゥッキへ向かうが、検問に止められ、アンドリュースに先を越されてしまう、、。

・その他の登場人物 : 女警官(Malavika Mohanan),女医スーザン(Miya George)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★★☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・リッチなキャスティングに凝った作りのサスペンス・スリラーで、それなりに面白かったが、きりっと締まらない作品だった。

・なんだか2つの映画を観ているようだった。それは前半と後半でガラリと変わるといったことではなく、2つの層のある映画を観ているかのようだった。1つの層は小児性愛者による少女に対する性的犯罪という重たい問題を扱った映画。もう1つの層はマンムーティによるやたらとカッコいい活劇。その2層がよく混じり合っていない。新人のハニーフ・アデーニ監督、ムルガダースへの道は遠いぞ。

・「小児性愛者による犯罪」というのは最近のインドの今日的な話題らしく(例えば、こちらの記事参照)、これをテーマとしたのは十分評価できる。そして、そのテーマに対するスタンスも面白かった。しかし、それをマンムーティ主体のスカッとした娯楽フォーマットに押し込もうとしたのが失敗の原因か(失敗と言うほど酷くはないが)。どっちつかずになっている。

・むしろこのテーマを扱いたいなら、プリトヴィラージあたりを主演にして、もっと薄暗い感じの猟奇的スリラーにしたら(まぁ、ミシュキン映画を念頭に置いているわけだが)、映画賞も狙えただろう。結局的に「週末のまずまずの娯楽」に落ち着いてしまったようだ(もっとも、一般の鑑賞者はそれでいいのだろうけど)。

・ストーリーの動かし方は面白い。1つは、父娘のセンチメントという、これまたインド映画の定番を実にうまく使っている。その娘を演じたアニカも上手い。

・2つ目は、連続少女レイプ殺人犯を捜して、父(デーヴィッド)と警察(アンドリュース)が熾烈な競争を始めるというアイデアが面白い。デーヴィッドがアンドリュースに「父が法だ!」という、トンデモ台詞まで飛び出す。

・ただ、展開は「犯人捜し」という方向に行き、クライマックスまで犯人が誰か分からない。それは途中で分かってしまうよりめでたいことだが、出て来たのが「こいつが犯人と言われてもなぁ」というような人物だったので、いまいちスッキリしなかった。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・マンムーティ(デーヴィッド役) ★★★☆☆
 やたら凄いマンムーティ持ち上げ映画だったが、それに応えるカッコよさだった。テルグ映画【Khaidi No. 150】(17)鑑賞記でチルさん(61歳)の若さに触れたが、マンムーティはその上を行く65歳だよ。ラジニカーント(66歳)も然り。インドのオヤジ・スターは凄いなぁ。

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・アニカ(サーラ役) ★★★☆☆
 前半ではスポットライトが当てられていたが、後半はマンムーティ対アーリヤとなり、消えてしまったのが残念。トレイラーにもあった衝撃の銃を持つアニカは、特にショッキングな場面ではなく、しかも本編ではボカシが入っていて、興ざめだった。

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 それにしても、デビュー作【Kadha Thudarunnu】(10)のこの子供がここまで大きくなったとは、川縁オジサン、じゅるじゅる、、(と、そういう嗜好がいかんというのが本作のメッセージだった)。

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・アーリヤ(アンドリュース役) ★★★☆☆
 はみ出しデカ。気合いが入っていた。小児性愛者の股間を蹴り上げるシーンは痛快だったが、あれでいいのかという疑問も。
 (写真下: なぜかやたら背中を見せるスチルが多かったので、本人の意思を尊重して。)

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・スネーハ(ミシェル役) ★☆☆☆☆
 リッチなキャスティングの1人だが、すごくつまらない役回りだった。

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◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★☆☆☆
・ダンス・シーンは特に評価できないが、1曲でアニカが一生懸命踊っていたので、2ツ星贈呈。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・クライマックスのアクションが冴えていない。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 4月9日(日),公開第2週目
・映画館 : PVR (Forum, Koramangala),10:30のショー
・満席率 : 7割
・場内沸き度 : ★★☆☆☆
・備 考 : 英語字幕付き

 

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