カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Shamantakamani】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2017/07/18 20:49   >>

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 インド映画界というのは、北も南もおおよそ映画ファミリーによって構成されているというインドらしい特殊な構造があるが、テルグ映画界もまさにそう。ただ、マヘーシュ・バーブやNTRジュニア、アッル・アルジュンらが活躍し始めた頃は、その充実ぶりにわくわくしたものだが、どうも最近デビューする2世、3世俳優というのには魅力を感じず、特に観察はしていない。馴染みの薄い領域になってしまったが、そんな私にとってお誂え向きの映画が現れた。なにせ主演俳優がスディール・バーブ(クリシュナの娘婿、マヘーシュ・バーブの義弟)、ラーナー・ローヒト(チャンドラバーブ・ナーイドゥの甥、NTRジュニアのいとこ)、サンディープ・キシャン(撮影監督K・ナーイドゥ兄弟の甥)、アーディ(サーイクマールの息子)と、映画ファミリーの若手が4人も出ている。しかも揃いも揃って主演級としては中途半端なクラスで、そんな俳優たちが一気に見られるとは、考えようによっては効率の良い映画である。
 監督は【Bhale Manchi Roju】(15)でデビューしたシュリーラーム・アーディティヤ。本作が2作目のようだ。

【Shamantakamani】 (2017 : Telugu)
物語・脚本・台詞・監督 : Sriram Adittya
出演 : Sudheer Babu, Nara Rohit, Rajendra Prasad, Sundeep Kishan, Aadi, Suman, Tanikella Bharani, Hema, Raghu Karumanchi, Surekha Vani, Satyam Rajesh, Indraja, Chandini Chowdary, Ananya Soni, Jenny Honey, Giridhar, Master Darshan, 他
音楽 : Mani Sharma
撮影 : Sameer Reddy
編集 : Prawin Pudi
製作 : V. Anand Prasad

題名の意味 : シャマンタカマニ(登場する車の名前)
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : クライム・コメディー
公 開 日 : 7月14日(金)
上映時間 : 2時間7分

《 あらすじ 》
 クリシュナ(Sudheer Babu)は裕福な実業家ジャガンナート(Suman)の一人息子。実母とは幼少期に死別していたが、継母(Surekha Vani)とは折り合いが悪く、彼は成人しても亡母の追憶に捉われていた。
 ある夜、高級ホテルのパブで誕生パーティー(実は亡母の誕生パーティー)をしていたクリシュナは、乗って来た車が盗難されたのに気付き、警察に届ける。それは「シャマンタカマニ」と名付けられたロールスロイスのビンテージカーで、父がオークションで5千万ルピーで購入したものだった。この事件は翌朝すぐにニュースで報道される。警察はランジット・クマール(Nara Rohit)に捜査に当たらせる。
 ランジットはホテルの防犯カメラの映像からパーティーの参加者を確認する。彼はまずクリシュナ本人から事情を聞くが、いちいち母親に言及するクリシュナに不審なものを感じる。
 ランジットは次に3人の容疑者を連行し、尋問する。それはマヘーシュ(Rajendra Prasad)とシヴァ(Sundeep Kishan)とカールティク(Aadi)だった。
 マヘーシュはしがない自動車修理工で、近所で野菜を売っている寡婦のバーヌマティ(Indraja)に惚れていた。彼はバーヌマティの借金30万ルピーを返済してやるために、お金を必要としていた。
 コーティパッリ村に暮らすシヴァは、恋人のシュリーデーヴィ(Jenny Honey)と駆け落ちしようとしたものの、貧しさを理由に結局彼女に振られていた。彼は彼女を見返すためにハイダラーバードに出て来、何としてでもお金を得ようとしていた。
 カールティクはロワーミドルクラスの青年だが、裕福でアメリカで勉強しているマドゥ(Chandini Chowdary)に惚れていた。マドゥが帰省した際に、カールティクはプロポーズしようとするが、彼女は貧乏くさい彼をたしなめる。そこで彼は何とかして高級外車に乗って、マドゥの前に現れたいと思っていた。
 容疑者の3人にはそれぞれシャマンタカマニを盗む動機があった。しかし、供述からも状況からも、決定的な証拠は出てこなかった。
 と、そこへある人物から警官ランジットに電話が入る。その人物の話を聞き終えるや、ランジットは警視総監に連絡を入れ、「本件は証拠不十分につき、捜査を終了する」と告げるのであった。しかし、、。

・その他の登場人物 : ランジットの部下サティヤナーラーヤナ(Raghu Karumanchi),カールティクの両親(Tanikella Bharani & Hema),ジャガンナートの秘書(Giridhar),パブの女(Ananya Soni)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・傑作というわけにはいかないが、まずまず楽しめる、ワンタイムウォッチなクライム・コメディーだった。ストーリーもシンプルだし、テルグ語も分かりやすく、ストレスを感じない映画だった。

・「マルチスター映画」というより、「小粒のスター、ひと山いくらの叩き売り映画」といった感じだが、それは悪いことではない。2時間強の短いクライム・コメディーの中に、マヘーシュ・バーブやNTRジュニア、アッル・アルジュン、プラバースが並ぶと、窮屈すぎるだろう。本作は、警官役のラーナー・ローヒトとラグ・カルマンチが要として機能し、扇形にうまく展開していた。

・映画を牽引する絶対的なスターがいないというだけで、テルグの娯楽映画としては異色になるが、マニ・シャルマの担当した音楽にダンスが一切ない、コメディアンによるコメディートラックもないという点で、ずいぶんテルグ映画っぽくない。

・しかし、親子のセンチメント(クリシュナと亡母)や警察の腐敗、ブラックマネーの問題などを盛り込んでいる点など、インド映画のスパイスはきちんと効かせている。

・面白いと思ったのは、賄賂や所得隠しなどの権力者や富者の罪は罰せられるのに、何らかの形で困窮している貧者たちがちゃっかり盗みをするのはOKとされることだった。

・車の名前となった題名の「Shamantakamani」は古代インドの神話に登場する宝石のことで、『マハーバーラタ』のアシュヴァッターマンの額にも埋め込まれていたものらしい。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
 写真下、左よりスディール・バーブ、ナーラー・ローヒト、サンディープ・キシャン、アーディ。

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◎ 演 技
・スディール・バーブ(クリシュナ役) ★★★☆☆
 DVDで【Prema Katha Chitram】(13)を観て以来、久々に見た。筋肉をムキムキに蓄えて、頑張っているが、外見も演技スタイルも硬い感じがし、面白みがない。回想シーンの、少年時代のクリシュナを演じたのはスディール・バーブの息子らしい。

・ナーラー・ローヒト(ランジット・クマール役) ★★★☆☆
 実は初めて見た。悪くない印象だが、なにせ不細工な感じなので、脇役(特にこういう警官役)に向いているだろう。

・サンディープ・キシャン(シヴァ役) ★★★☆☆
 上で「小粒のスター、叩き売り」と書いたが、このお方はすでにヒット作もいくつかあり、主演級の二番手の位置につけている。ただ、一線級になる気配が全くしないところが悲しい。個人的には好きだが。

・アーディ(カールティク役) ★★★☆☆
 小粒といえば、この人だなぁ。親父のアクの強さを受け継がなかったのは幸か不幸か。ハンサムだし、芝居やダンスはきちんとできるようなので、もっと良い仕事を任されてもいいと思うが、なにせ体が小さい。

・ラージェンドラ・プラサード(マヘーシュ役) ★★★☆☆
 ベテランらしい働きだった。上の4人と同等の重要な役回りなのに、ポスターには入っておらず、気の毒なので、ここでスチルを貼る。
 (写真下: ラグ・カルマンチと。)

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・女優陣の影が薄い映画だったが、一番ヒロインらしい(といって、ヒロインとは言えないが)のがマドゥ役のチャンディニ・チャウダリさん。
 (写真下: こんなに可愛かったかな。)

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・パブでシヴァ(Sundeep Kishan)を誘惑するのがこのアナンニャ・ソーニさん。二人の車中でのコメディーは面白かった。

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・路上の八百屋のオバサマ(未亡人)を演じたのがインドラージャさん。ラージェンドラ・プラサードとの展開は好い感じだった。

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◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★★☆
・マニ・シャルマの音楽は、ダンス曲というのはなかったが、全体的に良かった。

◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★★☆

◎ その他(覚書)
・本作の評とは直接関係ないが、本作のレビューを読んでいたら、最近のテルグの低・中予算映画のトレンドはホラー・コメディーとクライム・コメディーだという一節があった。それはかまわないが、インスタントな受けを狙った小さい映画ばかりになったら、嫌だな。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 7月15日(土),公開第1週目
・映画館 : The Cinema (GT World, Magadi Rd),10:10のショー
・満席率 : 1割
・場内沸き度 : ★★★☆☆

 

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