カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Arjun Reddy】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2017/10/20 15:14   >>

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【Arjun Reddy】 (2017 : Telugu)
脚本・監督 : Sandeep Reddy Vanga
出演 : Vijay Deverakonda, Shalini Pandey, Sanjay Swaroop, Kanchana, Rahul Ramakrishna, Kalyan Subrahmanyam, Aditi Myakal, Anisha Alla, Kamal Kamaraju, Gopinath Bhat, Padmaja Lanka, Jia Sharma, Priyadarshi Pullikonda, Amit Sharma, Bhushan, 他
音楽 : Radhan
撮影 : Raju Thota
編集 : Shashank
製作 : Pranay Reddy Vanga

題名の意味 : アルジュン・レッディ(主人公の名前)
映倫認証 : A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ドラマ
公 開 日 : 8月24日(木)
上映時間 : 3時間7分

《 あらすじ 》
 アルジュン(アルジュン・レッディ・デーシュムク:Vijay Deverakonda)はカルナータカ州マンガロールの医科大に学ぶ整形外科専門の医学生。非常に優秀な学生だが、性格が激しく、怒りをコントロールできないのが欠点だった。それがために、サッカーの試合で相手チームのライバル、アミット(Amit Sharma)と乱闘を起こし、試合には勝ったものの、1ヶ月の停学処分を食らう。
 停学期間中に、アルジュンは新入生のプリーティ(プリーティ・シェッティ:Shalini Pandey)と出会い、強く惹かれる。幸い、プリーティの父(Gopinath Bhat)はアルジュンの父(Sanjay Swaroop)の知人で、アルジュンは両方の父からプリーティの面倒を見るように言われる。アルジュンは大学のいじめからプリーティを守る。そんなこんなの経緯で、二人は愛し合うようになり、肉体関係に至る。
 やがてアルジュンは医師としてデヘラードゥーンに赴任する。遠距離恋愛となっても、二人は機会をとらえて会うようにしていた。
 月日が経ち、プリーティも医師となり、アルジュンは故郷ハイダラーバードの実家に戻る。彼はプリーティの実家へ行き、彼女の家族と会うが、彼女の父にはカーストの違いを理由に結婚など認められず、家を叩き出される。アルジュンはプリーティに、6時間与えるから、自分と結婚するかどうか答えを出せ、と言って、去る。だがプリーティは親に携帯電話を取り上げられ、連絡できない。絶望したアルジュンはクスリを打ち、そのまま入院する。
 アルジュンは兄ガウタム(Kamal Kamaraju)の婚約式のときに、プリーティが結婚することを知らされる。彼はプリーティの結婚式場に乗り込むが、警察に逮捕されてしまう。これが原因でアルジュンは父に家を追い出され、アパートで一人暮らしを始める。
 アルジュンは表向きは非常に優秀な外科医として知られていたが、裏では、失恋の痛みから酒と麻薬に溺れる日々だった。彼は患者としてやってきた女優のジヤー(Jia Sharma)と一時期親しくなるが、プリーティのことが忘れられず、一線を越えられない。アルジュンのアルコールと薬物依存はますます深刻となり、ある日、急患の手術に呼ばれた際に、酩酊状態だったため、手術中に倒れてしまう。これで裁判となり、有罪判決を受ける。
 その後、アルジュンは尊敬していた祖母(Kanchana)の死を知らされ、実家を訪れる。ここで父と和解する。父はアルジュンにしばらく海外で気分転換を図るよう勧める。アルジュンはイタリアへ行くことにするが、空港へ行く途中の公園で、プリーティの姿を見かける。だが、彼女のおなかは妊娠でふくれ上がっていたため、声を掛けずに立ち去る。
 イタリアでのしばしの保養から戻ったアルジュンは、再びプリーティを見かけた公園へ向かう、、。

・その他の登場人物 : シヴァ(Rahul Ramakrishna),カマル(Kalyan Subrahmanyam),ヴィディヤ(Aditi Myakal),キールティ(Anisha Alla)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 着 想 : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・おそらくテルグ映画の、今のところ今年一番の衝撃になった作品じゃないかと。スターらしいスターは不在で、新人監督の作品でありながら、サプライズ・ヒットとなっている。私も気には掛かっていたが、つい後回しとなり、公開2ヶ月後になってやっと観た。(後回しにした理由は、3時間7分というラニングタイムの長さゆえ。)

・しかし、実見してみて、なぜこの映画がこれほど評価され、受けているのか、私にはよく分からなかった。映画の内容をひと言であっさり言えば、「21世紀版デーヴダース」。映画全体の重苦しさ/痛さはセルワラーガヴァン監督の【7G Rainbow Colony】(04)やガウタム・メーナン監督の【Vaaranam Aayiram】(08)に似ていると感じた(マニ・ラトナム監督のいくつかの作品にも)。だが、物語性/虚構性は一段希薄になり、アルジュン・レッディという人物のリアルな素描に近くなっている。

・物語はアルジュン・レッディとプリーティ・シェッティという二人の、異カースト間のロマンスというより、アルジュン・レッディという男の絶望、転落、更生の物語だった。裏は取っていないが、まだお若い(31歳らしい)サンディープ・レッディ・ワンガ監督の個人的体験もかなり織り込まれているのでは。

・私的にはこのアルジュン・レッディという男に共感も憧れも感じないが、際立ってはっきりした人物造形がなされていて、インドの若い層(特に都市部の)の心をつかんだとしても不思議はない。アルジュンは、悪をなぎ倒すようなテルグ・アクション映画のヒーローではなく、ほぼ廃人寸前まで堕ちるダメ人間なのであるが、ただ一点、自分が転落に向かうことに気付いていても、自分の気持ちに従おうとする正直さ、潔さが彼をしてヒーローたらしめている。インド映画では珍しいヒーロー像だと思った。

・しかし、アルジュンの無頼ぶりと映画自体の表現の大胆さがある種の人々の顰蹙を買い、例えば婦人団体から上映禁止の要求が出たりもしたようだ。そんなお上品な層の反応とは裏腹に、本作が快調にロングランヒットしていることからすると、インドの若者が何となく身にまとっていた殻を本作が蹴破ってしまった可能性はある。
 (写真下: こんなポスターが街中に貼られていたが、マダム連にはそりゃあ不快だろう。)

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・おそらく台詞が良く、若者だけでなく、年配層にもアピールする深みのある台詞が随所に並べられているようだ。かなり気になるので、英語字幕付きでぜひ再見したい。ただ、このムードのドラマで3時間7分は拷問に近い。

◎ 配 役 : ★★★★☆
◎ 演 技
・ヴィジャイ・デーワラコンダ(アルジュン役) ★★★★☆
 スター不在と書いたが、このお方は【Pelli Choopulu】(16)が当たり、テルグ語圏のヤングの間では注目されていただろう。本作で決定的なアイコンになったかも。監督の演出も良かったのだろうと思うが、役柄を完璧に理解し、要所要所の表現が決まっていた。
 (写真下: 取り憑かれたような目を持つ人物だった。)

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 (写真下: こういう、ノーヘルに咥え煙草、短パンでロイヤルエンフィールドに跨るというのもカッコいい。)

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・シャーリニ・パーンデーイ(プリーティ役) ★★★☆☆
 話題となったヒロインを演じたのは本作がデビューのこのお方。24歳らしい。美人とか可愛いとか言うより、個性的な顔立ちだが、シーンの要所ではとても良い表情を見せていた。何より、おぼこ娘がひと度惚れるとのめり込み、結婚もしていないのにセックスを550回もしてしまいそうな女の顔をしているのが良かった。
 (写真下: 本作のスチルではありません。)

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・ジヤー・シャルマ(本人役) ★★★☆☆
 全然知らない人だったが、ジヤー・シャルマという女優が本人の役で出ていた。有名な人?

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・カーンチャナー(アルジュンの祖母役) ★★★☆☆
 往年の美人女優のカーンチャナーおばさん(もうお婆さんだが)が出演していて、驚いた。78歳らしいが、男性のみならず、女性をもはぁはぁさせた美貌は窺えた。

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◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・喧嘩シーンなどは超ナチュラル。

◎ その他(覚書)
・「レッディ」と「シェッティ」の異コミュ間恋愛だったが、プリーティ・シェッティはカルナータカ州西海岸出身じゃなく、アーンドラ・プラデーシュ州プットゥール出身のテルグ語話者という設定だった。あんな所にも「シェッティ」がいるのだろうか。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 10月18日(水),公開第8週目
・映画館 : Sri Kokila,14:15のショー
・満席率 : 1割以下
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆

 

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