カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Kempirve】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2017/11/23 21:59   >>

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【Kempirve】 (2017 : Kannada)
物語・脚本 : Laxman Shivashankar
監督 : Venkat Bharadwaj
出演 : H.G. Dattatreya, Laxman Shivashankar, Sayaji Shinde, Umesh Banakar, Shreyas, Bhasi Bhaskar, Suvin, 他
音楽 : Kishan
撮影 : Vishwa Avathi
編集 : Chandan Puttaswamy
製作 : C.V. Shivashankar

題名の意味 : 赤蟻
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ドラマ
公 開 日 : 11月17日(金)
上映時間 : 2時間7分

《 あらすじ 》
 65歳のウェンカテーシュ・ムールティ(H.G. Dattatreya)は、妻に先立たれた後、息子夫婦と一緒に暮らしていた。ウェンカテーシュはかつて投資ビジネスで失敗し、借金を作ってしまったため、息子夫婦から厄介者扱いされていた。
 ウェンカテーシュは友人の隠居老人たちと近所の公園でダベるのが日課だった。ある日、彼は公園でグル(Shreyas)という青年と知り合う。グルはシリという女性との結婚を望んでいたが、無職だったため、彼女の両親から反対されていた。
 またある日、ウェンカテーシュはダム(Umesh Banakar)という男に声を掛けられ、不動産屋のラメーシュ・ナーイドゥ(Laxman Shivashankar)に紹介される。ナーイドゥはウェンカテーシュに仕事の話を持ち掛けるが、ウェンカテーシュは断る。
 だが、嫁の冷たいあしらいに耐えかねて、ウェンカテーシュはナーイドゥの仕事を引き受けることにする。それはある地区に家を持って暮らす老人たちに立ち退きの説得をすることだった。ウェンカテーシュは事務所の一室を与えられ、サプナ(Suvin)という秘書も付けてもらい、けっこうな報酬ももらうことになる。そして、グルもナーイドゥの紹介で宅配屋で働くことになる。
 ウェンカテーシュの仕事は順調に進み、次の説得の相手はたまたま友人のアチュート・ラーウだった。アチュートはウェンカテーシュの説得を聞き入れない。だが、ナーイドゥと悪徳警官アッチャッパが罠を仕掛けたため、アチュートはそうとは知らずに自宅を5千万ルピーで売ることにする。
 だが、この頃からウェンカテーシュの周りの雲行きが怪しくなる。まず彼は、ナーイドゥが暴力的なやり方で土地を横領する現場を目撃する。また、アチュートの息子たちがやって来、父に支払われた現金の5千万ルピーは半分が偽札だったと訴える。そして、グルが配達していた荷物の中身も偽札だったことが分かる。
 ウェンカテーシュとグルはナーイドゥに抗議に行くが、二人はサプナが死体となって横たわる現場にいたため、逆にナーイドゥから脅迫される。
 途方に暮れるウェンカテーシュとグルだが、そこへ救いの手が現れる。それは財務調査官のヴィクラム・シン(Bhasi Bhaskar)で、ずっとナーイドゥの動きを見張っていたのであった。ヴィクラムはウェンカテーシュらの証言を基に捜査を進める。だが、ナーイドゥはなかなかしっぽを出さないため、ヴィクラムの捜査は頓挫する。
 再び窮地に陥るウェンカテーシュだったが、以前にナーイドゥが暴力的に横領した10億ルピーの物件の契約書が自分の手元にあることに気付き、ナーイドゥを追い詰める奇策を考える、、。

・その他の登場人物 : 政治家(Sayaji Shinde)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★★☆
◎ 着 想 : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
【A Day in the City】(15)はベンガルールに暮らすソフトウェア技術者たちが余暇を使って作り上げた自主製作映画で、素人っぽさは否めないが、なかなか内容のしっかりした好感の持てる映画だった。そのウェンカト・バラドワージとラクシュマン・シヴァシャンカルの兄弟が新作を発表したので、観ずばなるまいと思った。実はウェンカト・バラドワージ監督にとっては3作目で、去年【Bablusha】という作品を発表している。

・今回もやはり本業の合間に撮影されたものらしく、製作費もIMDbには500万ルピーと記されている。これはクラウドファンディングによる【Lucia】(13)よりも安い。しかし、その割には国家映画賞を3度も受賞したダッタットレーヤや、全国区で有名なサーヤージー・シンデーを起用したりして、ヒット狙いの気合いを感じた。

・今回も脚本や技術面(特に撮影)に素人っぽさが見られ、そこは残念だが、テーマはしっかりしており、ストーリーも面白い(特に後半)。何よりも、「素人っぽさ」が逆に「プロにはできない/プロならやらない」ようなユニークな表現として結実している部分もあり、それは面白かった。

・【A Day in the City】はインドの水問題を取り上げたが、本作では都市部での不動産ビジネスの闇を扱っている。つまり、不動産業者と有力政治家と警察が三位一体となって、無辜な市民の生活にダメージを与えるという問題だが、これ自体はインド映画ではありふれたテーマ設定。しかし本作では、その阿漕な連中と戦うヒーローがマヘーシュ・バーブではなく、65歳の隠居老人(しかも家族にとっては厄介者の)というのが痛快だった。主人公ウェンカテーシュ・ムールティを演じたダッタットレーヤも良い。

・本作に爽やかな印象を受けるのは、これが徹底して庶民目線に立っているからだろう。社会的弱者(老人や経済的窮地に立つ者)につけ込む悪徳実業家を、やはり社会的弱者がチクリと攻撃して倒す、そんな面白さがある。ちなみに題名の「Kempirve」は「赤蟻」のことだが、ミドルクラスの庶民の喩えで、普段は無視できる存在だが、噛まれると危ない、という意味だと、スタッフの一人が説明してくれた。(「赤蟻は象をも倒す」と言われる。)

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・ダッタットレーヤ(ウェンカテーシュ役) ★★★★☆
 まぁ、4つ星はリスペクトしすぎかなぁとも思われるが、「飄々としたお爺様、怒れるコモンマンに豹変す」というのがカッコよかった。終盤はヒンディー映画【A Wednesday!】(08)のナシールッディーン・シャーを彷彿とさせた。

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・ラクシュマン・シヴァシャンカル(ナーイドゥ役) ★★★☆☆
 【A Day in the City】では俊才のIASオフィサーをカッコよく演じていたラクシュマン氏だが、本作では髪をバッサリ切って、悪徳不動産屋の役。これがまたはまっている。「ワシら不動産屋が話しても、胡散くそうて、信じてくれへん。そやさかい、あんさんみたいな堅気のお父さんに説得役を頼みますんや」みたいな関西訛りの台詞が聞こえてきそうなこてこて演技だった。

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・目玉のサーヤージー・シンデーだったが、不動産屋ナーイドゥのバックにいる悪徳政治家の役で、カメオ的な出演だった。しかし、やはりカンナダ語の台詞をセルフダビングしているプロ意識はさすが。

・コメディアンのウメーシュ・バナカルが面白かった。

・財務調査官としてカッコよく登場し、その割には特に活躍しなかったヴィクラム・シンを演じたバーシ・バースカルは、実はクリケット選手らしい。

◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★☆☆☆
・歌はいくつかあったが、冒頭の"Aakasha Namade"が歌詞もメロディーも心地よいものだった。

◎ 撮 影 : ★☆☆☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆

◎ その他(覚書)
・不動産屋ナーイドゥたちが狙っていた土地のある地区はBasavanagudi、Chamarajapete、NR Colonyで、これらがどんな所かぱっとイメージできれば、本作を観ても面白い。都心の便利な所にあるが、旧市街で、古い家屋、市場、寺院などが残っている地区。

◆ 完成度 : ★★☆☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 11月18日(土),公開第1週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (Arch Mall),16:50のショー
・満席率 : 3割
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆
・備 考 : 英語字幕付き

 

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