カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Velaikkaran】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2017/12/26 01:40   >>

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【Velaikkaran】 (2017 : Tamil)
物語・脚本・台詞・監督 : Mohan Raja
出演 : Sivakarthikeyan, Fahadh Faasil, Nayanthara, Prakash Raj, Sneha, Rohini, Charle, Thambi Ramaiah, Mahesh Manjrekar, Anish Kuruvilla, Vijay Vasanth, RJ Balaji, Sharath Lohitashwa, Robo Shankar, Mansoor Ali Khan, Kaali Venkat, Sathish, Y.G. Mahendra, Nagineedu, Vinodhini, Ramdoss, Mime Gopi, Yuva Lakshmi, RJ Sha, その他
音楽 : Anirudh Ravichandar
撮影 : Ramji
編集 : Anthony L. Ruben
製作 : R.D. Raja

題名の意味 : 労働者
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション/ドラマ
公 開 日 : 12月22日(金)
上映時間 : 2時間39分

《 あらすじ 》
 スラム育ちだが大卒のアリウ(Sivakarthikeyan)は、スラム民の生活と地位の向上を目指して、スラム民のスラム民によるスラム民のためのFMラジオ局「クッパムFM」をスタートする。アリウのターゲットは、そのスラムを取り仕切り、スラム民を搾取しているヤクザのボス、カーシー(Prakash Raj)だった。だが、アリウのラジオ放送が原因で、スラムの友人がカーシーとライバルのダース(Sharath Lohitashwa)との抗争の中で殺されてしまう。この件でアリウは母ポンニ(Rohini)にきつく叱責される。やむなくアリウはFM放送を止め、一般企業に就職することにする。
 アリウが入社したのは大手食品メーカーのサフラン社だった。アリウはここで切れ者の営業部長アーディ(Fahadh Faasil)の下で働くことになり、彼からビジネスと営業の哲学を教わる。アリウはスラムの友人バーギャ(Vijay Vasanth)を会社に紹介し、配達係として働かせる。
 ある夜、バーギャがカーシーに刺し殺される。だが、そのカーシーもライバルのダースに刺される。憤ったアリウは、重傷を負ったカーシーを難詰する。しかし、カーシーの口から思いがけない話が飛び出す。実は、バーギャの殺害を指示したのはサフラン社の社長ジャヤラーム(Anish Kuruvilla)で、サフラン社は自社製品に有害な化学物質が含まれているとしてカストゥーリ(Sneha)という女性から訴えられており、バーギャはその証拠集めの手助けをしていた、それで社長はバーギャを殺すよう依頼した、という話だった。
 ショックを受けたアリウはカストゥーリに会って直接話を聞く。カストゥーリは息子のシッドゥをガンで失っていた。医者の話では、どうもガンの原因はシッドゥが好んで食べていたサフラン社の食品にあるようだった。カストゥーリはサフラン社を告訴するが、証拠不十分で退けられる。それでカストゥーリは自ら人体実験をしようと、サフラン社の食品以外一切食べずに生活し、その模様をビデオに収めるという行動に出る。その結果、彼女も入院が必要なほど体が蝕まれた、ということだった。
 この事実を知ったアリウは、母ポンニにも激励され、友人のミル(Nayanthara)やシュリーラーム(RJ Balaji)らと共に、消費者の生活を守るために大手食品会社と事を構えようと、作戦を開始する。だが、その前にアーディが立ちはだかる。実は、アーディはサフラン社のライバルであるフェドーラ社の社長(Mahesh Manjrekar)の息子であり、サフラン社の社長ジャヤラームを失脚させ、同社をフェドーラ社が買収できるよう画策しているところだった。それでアリウの行動は邪魔だった。ここでアリウとアーディの間で頭脳戦が始まる、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★★☆
◎ 着 想 : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★★☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・リメイク専門の監督だったモーハン・ラージャーも、【Thani Oruvan】(15)の大成功でリメイクされる監督になったが、本作も気合い十分な作品だった。

・数年前にタミル・ニューウェーブが一息ついて以降、タミル映画の流れは従来の定式をほぼ無視した、しかし娯楽色のある新感覚の作品群か、伝統的なインド娯楽映画の定式を踏みながらも、ハードな社会的メッセージを込めた作品群の、2潮流があるように見える。本作は後者で、歌ありアクションありだが、「もはやタミル娯楽映画は幼稚だなどと言わせないぞ!」とでも言いたげな、知的に攻めた映画だった。

・本作で描かれたスラム民とヤクザの搾取の問題、大企業と労働者、企業側と消費者の関係、労働者/消費者の側に立つヒーローと企業の論理を押し通す悪役との頭脳戦が、哲学的とも言える深みで展開され、迫力があった。

・しかし、本音を言うと、懲りすぎたと言うか、複雑にしすぎたと言うか、英語字幕が付いていたにもかかわらず、私は細かいストーリーの流れがきちんとつかめなかった。こりゃ、庶民の立場に立つ映画なのに、庶民には難しすぎやしないか。

・もう一つの不満点は、リアリティーの欠如だ。映画といのは、それがどれだけ荒唐無稽な物語であっても、どこか現実を反映している点がなければ、いくら面白くても、作品としてはダメだと私は考えている。本作の場合、インドの大手食品メーカーの「食品化学汚染」の問題をテーマとしているが、しかしあんなふうにたくさん食べたらガンになるというのは、あまりにも誇張的すぎて、支持できない。

・ただし、本作は食品業界の不正を糾弾するというのが主テーマではなく、あくまでも人と社会の在り方、つまり「社会の主役は誰か」というのが主テーマなので、上の問題も目をつぶれる。ヤクザはスラム民を仕切り、搾取するし、大企業は企業の論理で労働者と消費者をコントロールする。ヤクザも大企業も同じく自分たちが社会の主役だと思っている。しかし、働く者を蔑ろにすると、彼らの忠誠心が得られず、ヤクザも企業も倒れる。その論理を語るのに「ヴィシュワース(信義)」という若い子たちが使わないような言葉を持ってくるあたり、モーハン・ラージャー監督って、真面目な人なんだなぁと思った。

・「主権在労働者」という結論から、メーデーに赤旗ぶんぶん振り回すエンディングを持ってくるとは、コミュニストだったんですね、あなた。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・シヴァカールティケーヤン(アリウ役) ★★★☆☆
 大衆の中に立ち、大衆を引っ張るヒーローを意外にも力強く演じていた。それはそれで良かったが、代わりにシヴァカールティケーヤンらしい軽さと言うか、安物くささが薄れていて、残念な気もした。
 (写真下: この並びを見てホッとする方には、本作は必見となる。)

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・ファハド・ファーシル(アーディ役) ★★★★☆
 ふうむ、やはりこういう知的ワルをやらせれば、光るなぁ。

・ナヤンターラー(ミル役) ★★☆☆☆
 近ごろ野心的な役柄が続いているナヤンさんだが、本作は南インド映画にありがちなヒロインだった。物足りない気もするが、ある意味ホッとしたりもする。

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・ものすごく登場人物の多い映画で、困った。プラカーシュ・ラージやスネーハ、ローヒニ、マヘーシュ・マンジュレーカルなどはもちろん良かったが、ヴィジャイ・ワサント(バーギャ役)が目立っていたのがうれしかった。

◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★★☆☆
・アニルドくんの音楽は相変わらずゴキゲンだった。1曲目はタミルのおばちゃん等、有象無象が登場する勢いのあるものだった。しかし、シヴァカールティケーヤンとナヤンターラーのロマンチック・ソングは陳腐だった。

◎ アクション : ★★☆☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆

◎ その他(覚書)
・「労働者は8時間だけ労働者、残りの16時間は消費者」という台詞は面白い。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 12月23日(土),公開第1週目
・映画館 : The Cinema (GT World, Magadi Rd),10:05のショー
・満席率 : 3割
・場内沸き度 : ★★★☆☆
・備 考 : 英語字幕付き

 

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2018/01/24 02:33

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