カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Gultoo】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2018/04/13 20:47   >>

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【Gultoo】 (2018 : Kannada)
物語・脚本・監督 : Janardhan Chikkanna
出演 : Naveen Shankar, Sonu Gowda, Ram Dhanush, Avinash, Pawan Kumar, Rangayana Raghu, Hanumanthe Gowda, 他
音楽 : Amit Anand
撮影 : Shanthi Sagar
編集 : Bharath H.C.
製作 : Prashant Reddy, Devraja R.

題名の意味 : (意味のない文字列。架空のカンナダ映画の題名。)
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : スリラー
公 開 日 : 3月30日(金)
上映時間 : 2時間8分

《 あらすじ 》
 孤児のアローク(Naveen Shankar)は幼少期より貧しい環境で育つが、頭が良く、ベンガルールの工業大学で学ぶことになる。大学での成績は抜群だったが、周りの豊かな同級生たちに引け目を感じ、孤独のうちにいた。しかし、彼には親友のアースティ(Ram Dhanush)がおり、シヴァーニという女友達もできる。だが、シヴァーニとは卒業を機に離れ離れになる。
 卒業後、アロークは大手コンピューター会社に就職する道を取らず、起業することにする。これにはアースティも付き合う。だが、本人たちの大志とは裏腹に、3年経っても、アロークは喫茶店のバイト店員、アースティはネットカフェの店番をしている有様だった。
 アロークの仕事はもう一つ、小さなコンピューター学校で講師もしていた。ある日、この学校にプージャー(Sonu Gowda)という講師が加入する。プージャーはアロークに関心を示すが、同僚のスミタの話では、彼は仕事一辺倒で、女には興味がないようだった。しかし、いくつかの経緯の後、アロークとプージャーは親しい間柄になり、アロークがプージャーに彼のシステムのパスワードを聞かれた際にも、「loveyouanu」だと教えるほどだった。
 ほどなくして、アロークは警官アヴィナーシュ(Avinash)に逮捕され、非公式に監禁される。アースティも別件で逮捕監禁される。そのアロークの前に現れたのは、なんとプージャーだった。彼女の本名はアナガー(アヌ)で、中央政府のデータセンターのスタッフだった。実は、少し前にデータセンターのコンピューターがハッキングされ、政府が運営管理する「スダール(Sudhaar)番号」に登録されたインド市民の個人情報が大量に盗まれるという出来事が起きていた。秘密裡に調査した結果、ベンガルールの喫茶店とコンピューター学校が特定され、両者に共通する人物としてアロークが浮かび上がり、アナガーが潜入調査していたというわけだった。アナガーはパニーシュ(Pawan Kumar)という民間のエンジニアの助けを借り、調査を進める。アローク立件のために、二人は証拠と盗んだデータの保存場所を特定する必要があったが、有効は手がかりは見つからない。
 アナガーはアロークへの聞き取りを行おうとするが、アロークは「私は逮捕されたんじゃない、自分でここへ来たんだ」とほくそ笑む、、。

・その他の登場人物 : 州首相アナンタラーマイヤ(Rangayana Raghu)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★★☆
◎ 着 想 : ★★★★☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
◎ 演 出 : ★★☆☆☆
・監督がジャナールダン・チッカンナという新人で、粗削りな感じで映画としての完成度は決して高くないとは思うが、面白かったし、挑戦的なテーマ取りに感心した。好きなタイプの映画。

・何がうれしいかと言って、本作が私がサンプル集めに腐心している「バンガロール映画」の好例になってくれるからだ。テーマはサイバー社会の危うさだが、生活の95パーセントをネットに依存している私たちは95パーセントのリスクを負っているわけで、それが本作では政府の管理する「スダール番号」(これは明らかに「アーダール(Aadhaar)番号」のパロディー)の個人情報漏洩という形で物語に仕立てられている。こういう映画は世界のどの都市で作られても不思議ではないが、インドのITキャピタルと呼ばれるベンガルール(のカンナダ映画)で作られたことがうれしい。

・情報を盗んだのは主人公のアロークで、彼は正真正銘の犯罪者ということになるはずだが、アロークにははっきりとした意図があり、悪い奴だけが損をし、一般人は困らないように罠を張っている。タミル映画【Thaanaa Serndha Koottam】(18)鑑賞記でも書いたが、現代の悪徳政治家等の不正蓄財は「壁べりべり」の次元ではなく、もっと高度なテクニックを用いていると思うのだが、本作では「目には目を」、「毒を以て毒を制す」の格率が、「デジタルを以ってデジタルを制す」という形で表現されているのが面白い。

・そうしたサイバー犯罪を描いたスリラー的側面よりも、私が「好きなタイプの映画」と言った理由は、本作が一種の青春映画としてデザインされている点だ。ジャナールダン監督自身がお若い方だが、彼の人格の投影とも言えそうなアロークの肥大化した、ある意味純粋な正義感と成功への意欲はいかにも青くさい。成功したアロークがスピーチでスティーブ・ジョブズの言葉“Stay hungry, stay foolish”を引用するあたりなど、さらに青くさい。(いや、私はこの「青くさい」という語を羨望の意を込めて使っているのだが。)

・それよりも、アロークの親友アースティが一身に背負っていたコメディー・パート(例えば、恋人スミタとのWhatsAppのやり取りなど)は、タミル映画の「わ゙か者」を彷彿とさせるもので、私は好き。

・こういうサイバー泥棒で得られる情報は、どうやらアンダーワールドのブラックマーケットで売買されるようであるが、よく分からなかったのは、そうしたマーケットでは殺人の入札(請負殺人)なども行われているらしいことだった。かなり猟奇的な殺人の行われるシーンがあったのだが、現実にああいうことが行われているのだろうか。ストーリーに無理にねじ込んだ感はあるが、とても気になるシーンだった。

・題名「gultoo」の意味は分からない。意味のない文字列ということになるが、「logout」のアナグラムになっているとか、カンナダ語のスラング「guldu(ばか者)」をもじったものとかいった説がある。物語中では、架空のカンナダ映画の題名ということになっていた。

・これがちょっと面白くて、サイバー犯罪を調査していたアナガーはカンナダ映画など観ないということだったが、協力者のパニーシュが「(事件の手がかりになかもしれないから)カンナダ映画の『Gultoo』は必見だ」と言う。これを言うのが【Lucia】(13)のパワン・クマールだというのが素晴らしい(場内バカ受けだった)。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・ナヴィーン・シャンカル(アローク役) ★★★☆☆
 舞台やテレビドラマに出ている俳優らしい。監督のジャナールダン・チッカンナとは大学時代からの友人との情報もある。きりっとしたハンサムだが、インド娯楽映画のヒーロー向きの容姿ではないように見えた。しかし、本作のアロークは良かった。

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・ソーヌ・ガウダ(プージャー/アナガー役) ★★★☆☆
 【Inthi Ninna Preethiya】(08)以来、ゆるく支持しているソーヌだが、代表作のようなものができて、よかったね。皮下脂肪も増えたようで、ますます好きになったよ。

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・ラーム・ダヌシュ(アースティ役) ★★★☆☆
 こいつが良かった。もう一度見たい。

・パワン・クマール(パニーシュ役)
 撮影のためにうちを出てからカメラの前に立つまでに、何の準備も要らないような役柄がよかった。

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◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★☆☆☆☆
・音楽は良かったと思うが、主役の2人にダンスはさせないほうがよかったと思う(特にソーヌ)。まぁ、その小っ恥ずかしいダンスが初々しい魅力になっていたと言えなくもないが。

◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★☆☆☆

◎ その他(覚書)
・スミタがアースティの一物の画像を見て「Chhota Bheem」と言うのはPogo TVのアニメの題名。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★★☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 4月7日(土),公開第2週目
・映画館 : INOX (JP Nagar),14:55のショー
・満席率 : ほぼ満席
・場内沸き度 : ★★★★☆
・備 考 : 英語字幕付き

 

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