【Ayan】 (Tamil)

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 スーリヤ主演のタミル映画。
 ヒロインは、ついにコリウッドでブレイクしたタマンナー。スーリヤとのケミストリーが注目される。
 監督のK・V・アーナンドは撮影監督として超有名な人だが、監督作品としては【Kana Kandaen】(05)に次いで第2作目。
 公開前から話題作に上がっていたが、期待どおり、快調に客を集めているようだ。

【Ayan】 (2009 : Tamil)
物語・脚本・監督 : K.V. Anand
台詞 : Suba (Suresh-Bala)
出演 : Surya, Tamannah, Prabhu Ganesan, Akashdeep Saighal, Ponvannan, Jegan, Karunas, Renuka
音楽 : Harris Jayaraj
撮影 : M.S. Prabhu
スタント : Franz Spilhaus, Kanal Kannan
編集 : Anthony
制作 : M. Saravanan, M.S. Guhan

《あらすじ》
 デーワ(Surya)は母カーヴェーリ(Renuka)と二人でチェンナイの下町に暮らしていた。小さな日用品店を営む母は、大学院を修了した息子に公務員になることを期待していたが、デーワはダース(Prabhu Ganesan)という密輸業者の片腕として世界を飛び回る日々だった。
 ダースの密輸グループはダイヤモンドや金、海賊版DVDなどを扱っていたが、麻薬には手を出さなかった。彼らはセートという同業者と取り引きしていた。セートも道義を重んじる人物で、裏社会で尊敬もされていたが、息子のカマレーシュ(Akashdeep Saighal)はダースらを排除して、チェンナイの密輸市場を独占しようと目論んでいた。
 ある時、デーワはダースの指示で、新入りのチッティ(Jegan)と共にアフリカのコンゴへ行く。彼らは‘マンボ’という人物と取り引きをし、密輸ダイヤを買い付ける。それはチッティの不注意で何者かに奪われてしまうが、なんとかデーワが取り戻し、インドへ持って帰る。ダイヤを奪おうとしたのはカマレーシュの差し金だと分かる。
 デーワはチッティの妹ヤムナー(Tamannah)と出会い、互いに惹かれ合う。チッティも二人を祝福する。
 カマレーシュは麻薬の密輸を開始する。父の死後、彼はいよいよ激しくダースらに妨害工作を仕掛けるが、うまく行かない。
 デーワの誕生日に、チッティは映画の切符をデーワに渡し、ヤムナーと観に行くように言う。だが、その折に、ダースのアジトが税関捜査官のガサ入れに遭う。デーワのとっさの対応で密輸品(金)は見つからずに済んだが、一連の出来事から、デーワはチッティが裏切り者で、カマレーシュに情報をタレ流していたことを知る。激怒した彼はチッティとヤムナーに絶縁宣言をする。
 カマレーシュはヘロインをマレーシアに密輸するため、チッティら数人の男にヘロイン入りのカプセルを飲み込ませ、通関させる。だが、チッティの飲み込んだカプセルは胃の中で破裂してしまう。たまたま同じ飛行機に乗り合わせたデーワは、クアラルンプールの空港でチッティが幻覚症状に襲われているのに気付き、彼を救おうとするが、チッティはカマレーシュの取り引き相手の悪漢に拉致され、カプセルを取り出すためにお腹を裂かれ、死んでしまう。デーワはチッティの遺体を焼き、彼の携帯電話とパスポートを持ってインドへ戻る。
 だが、この様子はチェンナイの警察にも報告され、デーワはチッティ殺害容疑で逮捕される。カマレーシュに騙されたヤムナーもデーワを激しく責める。しかし、チッティが今わに際に撮った携帯電話のビデオ映像のおかげで、デーワの無罪は証明される。ヤムナーはデーワに謝る。
 ところで、チェンナイ国際空港にパールティバン(Ponvannan)という税関捜査官がおり、彼は常々デーワにも目を付けていたが、デーワはいつも機転を働かせて、パールティバンの目をごまかしていた。ところが、ある時、デーワは空港である女性から薬を預かってしまうが、それはカマレーシュの罠で、その薬の中にはコカインが入っていた。パールティバンに捕まったデーワは、カマレーシュの大規模なヘロイン密輸計画を暴く代わりに釈放してもらう。
 これを機に、パールティバンはデーワと組み、カマレーシュの密輸計画を次々に摘発する。これにはヤムナーも加わり、彼女はカマレーシュの家に盗聴器を仕掛ける。カマレーシュはパールティバンらの動きに気付き、逆襲するが、失敗に終わる。
 パールティバンはカマレーシュの逮捕・立件のために、証人として彼の取り引き相手を拘束するが、その男はカマレーシュに暗殺されてしまう。反撃のためにカマレーシュはデーワとその母を爆死させようとするが、すんでのところで失敗に終わる。
 ダースはデーワと共にカマレーシュに会い、話し合いの場を設ける。カマレーシュはその場は恭順な態度を見せるが、罠を仕掛けてダースを殺し、その上、コンゴの‘マンボ’との取り引きに必要な「割り符」も奪ってしまう。
 カマレーシュは早速コンゴへ飛ぶ。だが、その後をデーワも追う、、。

   *    *    *    *

 これがまたよく調理された、ほっこりとしたタミル・ミールス(定食)のような作品だった。とにかく旨い!
 冷静に観ると、面白さは中の上、完成度も中の上ぐらいかもしれないが、私は十分に楽しめた。

 本作の魅力の第一は、なんといってもスーリヤの働きだろう。弾けまくっていたという印象だ。スーリヤといえば、年の割には落ち着いた、無愛想な役をやることも多く、私も「スーリヤのおっちゃん」という呼び方をよくしているが、本作では10歳ぐらい若返った感じで、とにかくカッコいい。
 密輸業者(デーワたち)がどんな手を使って密輸品を運ぶかも興味深かった。映画の中で見せていたアイデアが、実際にスマグラーたちがやっているものなのか、創作なのかは分からないが、密輸業者と税関オフィサーの知恵比べは面白かった。

 もう一つ、ロケ地のユニークさも本作の魅力だろう。デーワ(スーリヤ)の活動範囲に合わせて、カメラは世界各地に飛んでいたが、中でもアフリカでのシーンが目を惹く。アフリカでのロケ地としてはTanzania(Zanzibar)、Namibia、South Africaなどが上がっている。(映画中の都市はCongoのLikasiという設定になっていたが、実際にコンゴにカメラが入ったかどうかは分からない。)

 面白いとはいえ、本作には欠点もあって、ついでだから意地悪く記しておくと、、、(やっぱり、長くなりそうなので省略)。

◆ パフォーマンス面
 上でも指摘したとおり、スーリヤのパフォーマンスはピッカピカで、頼りになる友、可愛い子分、母に頭の上がらない息子、頭の切れるスマグラーなど、様々な側面を活き活きと演じている。この人は今なお目に見えて進化を続けているようだ。
 音楽シーンの一つに、スーリヤのコスチューム・ナンバーがあり、スーリヤ自身の過去作品からのパロディーとか女装とかもあって、楽しい。(この女装は一瞬だったが、けっこう美人。)彼は前作の【Vaaranam Aayiram】(08)でもコスチューム・ダンスをやっており、コスプレにはまってしまった模様。
 (写真トップ: SuryaとヒロインのTamannah。)

 ヒロイン、ヤムナー役のタマンナーは、大きな見せ場というものはなかったが、下町の元気娘を無難に演じていた。もともと個性が強いタイプでもないせいか、スーリヤの濃さともよく馴染んでいた。
 それにしても、このところコリウッドでのタマンナーの人気は相当なもので、まるで滝を上る鯉の勢いだ。そうなった理由というのは、結局、「アシンの代わり」ということなるのだろう。実際、外見的にも、ちょっと間の抜けた表情とか、背丈とか、脚の短さなどはよく似ており、コミカルな芸風もアシンに通じるところがある。
 ただ、違うのは、タマンナーの肌の白さで、これは南インドで活躍する女優の中では出色のものだ。本作でも、砂漠(たぶん、ナミビア)でのダンス・シーンでその白さが生かされている。
 (写真下: 完璧にヒンディー版【Ghajini】のアシンを意識したものだが、こちらもズキュンとくるお色気だった。ちなみにタマンナーは、ダヌシュ主演の【Padikathavan】では雪の上でのダンスをやっており、それも美しい。)

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 つい忘れそうになったが、ダース役のプラブも余裕の演技だった。
 (写真下: Prabhu@ダースとSurya@デーワ。)

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 悪役、カマレーシュ役のAkashdeep Saighalについても一言。
 長髪でスマートな雰囲気のワルで、悪役像としてはユニークだったが、残念ながら、このカマレーシュの役柄は本作の弱点の一つになってしまったと思う。
 この人はムンバイの人で、テレビドラマの俳優、モデルなどをやっているらしい。人物としては個性的な人のようだ。
 近ごろ、テルグによく出ているケリー・ドールジーとか、このAkashdeep Saighalなどのように、南インドでも悪役のスマート化が見られるようだが、これは一つのトレンドだろうか?
 (写真下: Akashdeep Saighal。某テレビドラマのスチールより。)

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◆ テクニカル面
 ハリス・ジャヤラージの音楽はいつもながらの気持ちの良いもの。なぜかスーリヤのキャラともピッタリだ。
 だが、本作は音楽シーンよりアクション・シーンのほうが見もの。コンゴのごちゃごちゃした下町での「ダイヤ奪い合い追跡劇」はよく撮れている。(しかし、本作のアクション・シーンはいくつかのハリウッド映画からのパクリという指摘もあり。)

◆ 結語
 観なきゃ損、というわけではないが、観て損はない。本作に溜飲の下がるようなカタルシスを期待すべきではないが、とにかく楽しい気分にさせてくれる陽性の娯楽映画だ。
 頭の血管が切れそうでないスーリヤを見るというのも、いいもんだ。

・満足度 : 3.5 / 5
 

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この記事へのコメント

Piyo
2009年04月30日 05:00
へぇ、タマンナー嬢の人気はそんなにウナギ上りなんですか。
その内気がついたら鱈子嬢と激突したりして、、、、、
カーヴェリ
2009年04月30日 15:29
はい、こちらではかなりの勢いを感じますね。
主にタミルで好まれているのですが、「テルグ映画からもオファーがあるけど、タミル映画で忙しくって、断ってる」とのコメントが先日の新聞にありました。

人気が出たら人気が出たで、シラけてしまい、もう「私の珠ちゃん」と言うのはやめにしました。
 
Piyo
2009年04月30日 16:18
>もう「私の珠ちゃん」と言うのはやめにしました。

微妙なファン心ですね。

ちなみに珠ちゃんのテルグデビューはまんちゅっちゅの【Sri】じゃぁないですか!
http://www.idlebrain.com/movie/photogallery/manoj2ndfilm.html
これ、どうもディスク化されてないみたいなんですよねぇ、見たいのに。
しかし、彼女のオフィシャルページのフィルモグラフィーで、”Hero:Vishnu”と言う間違いはやめて欲しいな。

後2,3年したら鱈子のように大変身してそうな気がします。
カーヴェリ
2009年04月30日 16:58
「はまんちゅっちゅ」て、だれですのん???
 
Piyo
2009年04月30日 20:20
カーヴェリさん、
知ってて突っ込んでるでしょ。
”デビューは、まんちゅっちゅの”
と言う文脈でっせ。
そう、モハン バブーの次男の私の”まんちゅっちゅ”ですがな。
カーヴェリ
2009年04月30日 22:22
ああ、こりゃ失敬しました。

そうですね、“まんちゅっちゅ”ですね、確か、シャルワナンドの弟の。
 
Piyo
2009年05月01日 00:17
そうそう、そのシャルワナン、、、、、、

もうええっちゅうねん、バシッ
Periplo
2009年05月01日 01:42
Manchuってのは苗字な訳だから、あの一家全員が「まんちゅっちゅ」ということになるのでは?(天然ボケ)
カーヴェリ
2009年05月01日 11:27
じゃあ、シャルワナンドも「まんちゅっちゅ」だったわけですね。
 
Piyo
2009年05月01日 15:59
そうなんです。
ちなみにシッダ君もプラバース君もシュリカンも「まんちゅっちゅ」なんです。
モハン バブー、子沢山。
そっかぁ、ヴィシュヌは庶子なんだぁ。(前夫の子)

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