カーヴェーリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Mufti】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2017/12/08 21:01   >>

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【Mufti】 (2017 : Kannada)
物語・脚本・監督 : Narthan
出演 : Shivarajkumar, Sriimurali, Shanvi Srivastava, Devaraj, Vashista N. Simha, Chaya Singh, Prakash Belawadi, Babu Hirannaiah, K.P. Sridhar, Chikkanna, Sadhu Kokila, 他
音楽 : Ravi Basrur
撮影 : Naveen Kumar
編集 : Harish Komme
製作 : Jayanna, Bogendra

題名の意味 : 平服
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション
公 開 日 : 12月1日(金)
上映時間 : 2時間32分

《 あらすじ 》
 ローナープラの町は闇のドン、バイラティ・ラーナーガル(Shivarajkumar)が支配し、政府も警察も制御できないほどだった。そこで警察はバイラティの逮捕を目指し、敏腕のIASオフィサー、ガーナー(Sriimurali)を覆面捜査官として起用する。ガーナーはヤクザになりすまし、バイラティの部下の下で働くことになる。だが、バイラティには簡単に会うことはできなかった。
 ガーナーが知りえた情報と言えば、バイラティには凶暴な部下カーシー(Vashista N. Simha)がおり、採鉱ビジネスを任されていること、シャブリ(Babu Hirannaiah)という30年来の腹心がいること、ヴェーダー(Chaya Singh)という名の寡婦の妹とその娘がいること、大物政治家のラグヴィール(Devaraj)と敵対していること、そしてラグヴィールと対立する社会活動家のアシュワト(Prakash Belawadi)を支持していることぐらいだった。
 だが、やがてガーナーにもバイラティの姿が拝める日がやって来る。また、寺院でバイラティが襲撃された際にガーナーが救ったのを機に、ガーナーはバイラティから信頼されるようになる。
 ある深夜、ガーナーはバイラティの留守を狙い、彼の部屋に忍び込む。そしていくつかの証拠を集める。その証拠を基にインターネットで調べた結果、ガーナーはバイラティが学校、病院、施設等に多額の寄付をしていることを知る。また、町の住人たちの話から、バイラティは伝え聞く残酷なドンではなく、実は善人なのではないかとの疑問を抱くようになる、、。

・その他の登場人物 : ラクシャ(Shanvi Srivastava)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 着 想 : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★☆☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
・監督のナルタン(新人)は【Ugramm】(14)でプラシャーント・ニール監督の助手をやっていた人らしい。そのせいか、トレイラーも【Ugramm】を想起させるカッコいいもので、楽しみの1作だったが、失望する結果となった。しかし、公開後の現地人の評判はすこぶる良い。

・気に入らなかった点は、あまりにもスローな語り口だ。退屈で困った。スピーディーでスリリングな【Ugramm】とは似ても似つかない。必死に盛り上げようとするラヴィ・バスルールのBGMが空しく響く。

・映画の立ち上がり(特にムラリの導入シーン)はカッコよく、前半はまずまずの出来。しかし、後半は失速し、物語もセンチメンタルなほうへと傾いていく。いや、前半で冷血非情なドンと思われたバイラティ(Shivarajkumar)が、後半で実は有徳の士だったというコントラストを描くのが本作のミソで、現地人もここに反応しているようだったが、情の煽り方がチープだったと思う。(この辺がカンナダ映画らしいとも言えるが。)

・しかし、コンセプトは良いと思った。バイラティは少年時代の経験(父の困窮時に政府も周囲の人も助けてくれなかった)から、政治家による政府というものを信じず、自ら闇の裏政府を作って町を支配する。そして、表の政府と警察に対しては敵対的な態度をとる厄介な存在となるが、町の人々に対しては善行を施し、神のように尊敬されている。

・これははっきりと『ラーマーヤナ』のラーヴァナが意識されている。インド映画で主人公がラーヴァナになぞらえられるというのは新しいアイデアではないが、本作では善悪がひっくり返るところが一応意識的に脚本化されていたし、覆面捜査官のガーナー(Sriimurali)との対決において、単純な勧善懲悪の図式から離れ、バイラティが自主的に自首を決意する結末もすがすがしい。

・しかし、そうなると、本作はあくまでもアンダーワールドのドンとIASオフィサーが互いに尊敬し合う物語がメインになるので、悪役としての役割を与えられ、型通り殺される政治家ラグヴィール(Devaraj)の存在が虚しくなる。要は、オーソドックスなアクション映画の形式を踏むためだけに出てきた、親知らずのようなものだったのかなと。

・親知らずと言えば、ヒロインのラクシャとガーナーの展開や、コメディートラックも親知らず的だと言える。

・題名の「Mufti」は、軍人や警官、政治家、聖職者などのような制服/公式の服を着る資格のある人物が非番の時などに着る平服のこと、またはそういう平服を着ている状態のその人物を意味するらしい。で、本作の場合、一つには制服を着ずにヤクザに偽装して潜入捜査しているガーナーを指すだろうし、もう一つは政治家という形を取らずに闇政府を組織しているバイラティのことも指すのだろう。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・シヴァラージクマール(バイラティ役) ★★★☆☆
 まるで虫歯の痛みに耐えているかのような、歪んだ顔をさらに歪めての演技は渋かった。私の目にはやっぱりあまりカッコよくは見えないのだが、バイラティのような人物をやれるのはカンナダ映画界ではシヴァンナしかいないというのも認める。欧州でギターを持ってダンスを始めなくてよかった。
 (写真下: 読んでいる本はやっぱり『ラーマーヤナ』です。)

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・シュリームラリ(ガーナー役) ★★★☆☆
 やはりこういう寡黙で、ぶっきらぼうなヤクザ(実は国家公務員なのだが)の役をやらせれば、カッコいいなぁ。
 (写真下: 覆面捜査官がこんなにカッコよくある必要があるのか?)

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・シャーンヴィ・シュリーワースタワ(ラクシャ役) ★☆☆☆☆
 上で書いたとおり、伝統的な娯楽インド映画の定式を踏むためだけにねじ込まれたようなヒロインで、ほとんど見るべきところはなかった。アフレコも声優が付いていて、いかにもな声と台詞回しだったが、ガーナーがラクシャに対して「声、良いね」と言う台詞があったので、ずっこけた。

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・チャーヤー・シン(ヴェーダー役)
 懐かしい。ずっと前にいくつか作品を観たが、もう存在すら忘れていた。特に好きな女優だったわけでもないが、ベンガルールの人なので、応援していた。それに、こんなふうに久々に見ると、同窓会で旧友に会ったようで、不思議と親近感を感じるものだ。

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・カーシー役のヴァシシュタ・N・シンハは、【Godhi Banna Sadharana Mykattu】(16)が良かったので注目していたが、期待外れだった。この人は思ったより大根かも。

◎ 音 楽 : ★★☆☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★☆☆☆☆

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★☆☆☆

◎ その他(覚書)
・物語中で小道具として「Aadhaar Card」が使われていた。

◆ 完成度 : ★★☆☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 12月2日(土),公開第1週目
・映画館 : INOX (JP Nagar),9:40のショー
・満席率 : 2割
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆

 

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2018/02/28 21:42

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