カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Aruvi】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2017/12/20 21:59   >>

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【Aruvi】 (2017 : Tamil)
脚本・監督 : Arun Prabu Purushothaman
出演 : Aditi Balan, Lakshmi Gopalswamy, Anjali Varathan, Muhammad Ali Baig, Shwetha Shekar, Kavitha Bharathi, Pradeep Antony, Thirunavukkarasu, Hema, Arnold Mathew, Praniti, 他
音楽 : Bindhu Malini, Vedanth Bharadwaj
撮影 : Shelley Calist
編集 : Raymond Derrick Crasta
製作 : S.R. Prakashbabu, S.R. Prabhu

題名の意味 : (主人公の名前。言葉の意味は「滝」。)
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ドラマ
公 開 日 : 12月15日(金)
上映時間 : 2時間13分

《 あらすじ 》
 アルヴィ(Aditi Balan)という24歳の女性が人質を取ってテレビ局を占拠した廉で逮捕される。対テロ特捜部の警官シャキール(Muhammad Ali Baig)がアルヴィの父(Thirunavukkarasu)、友人のジェシー(Shwetha Shekar)、同じく友人でヒジュラーのエミリ(Anjali Varathan)、テレビ番組ディレクターのバーラージ(Kavitha Bharathi)、そしてアルヴィ自身に事情聴取を行う。
 ・・・
 アルヴィは自然の豊かな山間の村に生まれ、父の愛をふんだんに受けて育つ。しかし、家族はチェンナイに引っ越すことになり、アルヴィもそこで成人する。アルヴィは学生時代より飲酒や喫煙を覚え、恋愛なども体験する。そのせいか、とうとう父に勘当され、彼女は家出することになる。
 家を出たアルヴィはヒジュラーのエミリと親しくなり、縫製工場に勤め、また、二人で気ままな旅に出たりする。だが、アルヴィにはどうしても訴えたい事柄があり、『真実のみ話そう』というテレビ番組への出演を申し込む。これは素人参加のトーク番組で、対立する二組に大いに激論してもらおうという趣旨の番組だった。アルヴィは自分と交流のあった3人の男を相手に話を始めるが、収録は荒れたものとなり、彼女は番組司会者のショーバー(Lakshmi Gopalswamy)に追い出されそうになる。苛立ったアルヴィは拳銃をスタジオにいた一同に向け、自分の訴えを語りだす、、。

・その他の登場人物 : アシスタント・ディレクターのピーター(Pradeep Antony)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 着 想 : ★★★★☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★★☆
・最近の南インド映画界は野心的な新人監督のデビュー・ラッシュといった感があるが、このアルン・プラブ・プルショータマンも超有望デビュー監督と言えるだろう。私はよく「ちょっと頭の良いやつなら作れそうな映画」と言って、外国映画の影響を受けたような若手監督の作品を簡単には評価しないようにしているが、このアルン・プラブ監督の作品はインテリ映画とは違って、肌合いがよく、気に入った。もっとも、このお方が将来的に能産的な商業映画監督になるかどうかは未知数だが。

・上のあらすじはインターバルの手前までで止めた。ここから予想外の展開になり、俄然面白くなるのだが、今はネタは伏せておくことにした。

・映画の展開は3つの構成になっている。物語の大枠(現在時)はアルヴィという容疑者の逮捕/取り調べと後日談なのであるが、前半の途中まではアルヴィの身内や友人たちの供述を通して彼女の人物像が描かれ、それが短い回想シーンの連鎖で再構成される。このフラッシュバックのセンスがカッコいい。次にアルヴィ自身の口から語られるテレビ局占拠事件の模様で、ここでアルヴィの謎が明かされる。このパートは経時的に描かれるが、なお回想シーンの1つである。最後がアルヴィの逮捕とその後の話で、ここからは現在時として経時的に展開される。この時間的様態の違う3つのパートが本作の題名(主人公の名前でもある)の「滝」のように、つまり、山の清流が滝として落ちて滝壺で暴れ、川として静かに流れていく、みたいに並んでいるのが面白い。

・本作はやっと先週末に一般公開されたが、映画自体は2016年の作品で、すでに去年海外の映画祭などに出品されている。主題とその描き方は、インド映画としてはショッキングだが、世界的な映画の土俵で見るなら、まぁ普通のものだろう。

・にもかかわらず、私が本作を評価したいのは、私が日頃インドについてもやもやっと感じている女性軽視や村落部と都市部の差異、ある種の病気に対する無知と偏見といった問題に的確に切り込んでいるからだ。追い詰められた人物の社会に対する挑戦と訴えという点では、ヒンディー映画の【A Wednesday!】(08)を思わせるものがある。

・しかし、もしやこれは【A Wednesday!】より上を行くのでは、と思わせる点は、本来スリラー的に処理されると予想されるテレビ局占拠事件の展開が、コメディー調に、ブラックユーモアたっぷりに描かれていた点だ。このセンスはすごいと思った。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・アディティ・バーラン(アルヴィ役) ★★★★☆
 オーディションで600人の中から選ばれた新人で、本職は弁護士らしい。しかし、本作で見る限りの芝居の上手さと存在感からすると、ずぶの素人ではなさそう。娯楽映画のヒロインとしてやって行けそうなタイプではないが、ドラマになる良い顔をしていた。

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・アンジャリ・ワラダン(エミリ役) ★★★☆☆
 本物のヒジュラーなのか、女性がヒジュラーの役をやっているのか、知らないが、本物のヒジュラーに見えた。本作には「善人」と言える人物が登場しないが(主人公のアルヴィを含めて)、このエミリだけがホッとできる善人だった。
 (写真下の左、アルヴィ役のアディティ・バーランと。)

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・ラクシュミ・ゴーパーラスワーミ(ショーバー役) ★★★☆☆
 知っている顔はこのお方のみだった。俗っぽいテレビ司会者の役をしっかり演じていた。

・警官のシャキールを演じたのはムハンマド・アリ・ベーグという人で、売れない脇役俳優かテレビドラマ俳優ぐらいに思いながら観ていたが、調べてみたら、パドマシュリーも取ったほどの偉いお方だった。

◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★★☆
・歌は何曲かあったが、映像を見るのに忙しかったので、記憶に残っていない。BGMは良かった。

◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 編 集 : ★★★★☆

◎ その他(覚書)
・ポスターとトレイラーはけっこう過激なものだが、あのイメージと映画本編とはずいぶん違っていた。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★★☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 12月16日(土),公開第1週目
・映画館 : Cinepolis (ETA Mall),10:40のショー
・満席率 : 5割
・場内沸き度 : ★★★☆☆ (上で書いたとおり、本作は笑える映画である。)

 

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