カーヴェーリ川長治の南インド映画日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 【Raju Kannada Medium】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2018/01/30 22:12   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

画像

【Raju Kannada Medium】 (2018 : Kannada)
物語・脚本・台詞・監督 : Naresh Kumar
出演 : Gurunandan, Avantika Shetty, Sudeep, Ashika Ranganath, Sadhu Kokila, Chikkanna, Angelina Desedina, Kuri Prathap, Chandrasekhar, Suchendra Prasad, Veena Sundar, Aruna Balaraj, Om Prakash Rao(特別出演), Indrajith Lankesh(特別出演), 他
音楽 : Kiran Ravindranath
撮影 : Shekar Chandra
編集 : Giri Mahesh
製作 : K.A. Suresh

題名の意味 : カンナダ語媒介学校卒のラージュ
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : コメディー/ドラマ
公 開 日 : 1月19日(金)
上映時間 : 2時間39分

《 あらすじ 》
 マレナードの村に暮らすラージュはお金が大好きな少年。それを見て憂慮した父(Chandrasekhar)は、手紙を書いて小箱に入れ、それをラージュに渡し、「16歳になったら、開けて読め」と伝える。その後、父は病死してしまう。16歳になるや、ラージュ(Gurunandan)は父の遺した手紙を開けるが、それは「人生で最も大切なものは何か?」と謎かけがあるだけの奇妙な手紙だった。
 ラージュは同じ学校のヴィディヤ(Ashika Ranganath)と恋仲になる。そこで父の手紙に「ヴィディヤ」と書き込む。だが、ヴィディヤは家族ごと引っ越してしまい、あっけなく別れの時が来る。そこでラージュは父の手紙の答えとして、「家族」だと考える。しかし、母が病気で入院した際、家族(親類)は役に立たず、助けてくれたのは友人たちだった。それで彼は、最も大切なものは「友」だとする。しかし、その友人たちも結婚や都会での就職のため、ラージュの許を離れ去る。ラージュは、チャイ屋のオヤジに諭され、最も大切なものは「仕事」だと考え、働くためにバンガロールに出る。
 バンガロールでラージュは友人の勤めるコールセンターで働くことになる。だが、ラージュはカンナダ語媒介学校で勉強しただけなので、英語がからっきしで、あれこれ困難に直面する。しかし彼は自分のカンナダ語の力には自信があった。それで、人生で大切なものは「文学」だと考え、カンナダ語に関する活動を始める。それは評価され、彼は大きなイベントに参加する。そのイベントには同じ会社のニシャー(Avantika Shetty)も見に来ていた。彼女は複数のボーイフレンドをタクシー代わり、財布代わりに使う浮気者で、純朴なラージュをからかってやろうと、接近する。ラージュは本当にニシャーに愛されていると思い、大切なものは「愛」だと考える。しかし、その後彼はニシャーが自分を弄んでいるだけだと気付き、落ち込む。だが、ニシャーはこれでかえってラージュを本当に愛するようになる。
 二人は交際を始めるが、ニシャーの家が裕福なため、ラージュは大切なものは「お金」だと考えるようになり、大実業家のディーパク・チャクラヴァルティ(Sudeep)に会ってビジネスのアドバイスを乞う。ラージュは会社を辞め、自分のビジネスを始める。そして「ニシャーのために」と、しばらく彼女にも会わず仕事に没入し、結果、彼の事業は成功する。だが、ニシャーは孤独感から病気になってしまう。反省したラージュはニシャーと過ごす時間を作り、将来のためにアパートも買う。
 そんな時に、ラージュは商談のためにアメリカへ飛ぶ。アメリカで彼はニシャーから両親も結婚に同意したとの連絡をもらう。取り引きが成功し、彼はニシャーの待つインドへの帰路につく。だが、悪天候で飛行機が海に墜落し、ラージュは無人島に流されてしまう、、。

・その他の登場人物 : バスの車掌(Chikkanna),社長(Sadhu Kokila),無人島の女(Angelina Desedina)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 着 想 : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
◎ 演 出 : ★★★☆☆
・インドの教育問題を扱った【1st Rank Raju】(15)と同じ監督、同じ主演俳優による作品。題名からして、インドの言語と教育の問題をテーマにしているのかなと予想したが、そういうことではなかった。昨年公開されたヒンディー映画の話題作【Hindi Medium】(未見)とも全く類似性はなさそう。

・「カンナダ・ミーディアム」、そして「イングリシュ・ミーディアム」というのは、皆さんよくご存じだと思うが、学校(日本の中学ぐらいまで)での授業をカンナダ語で行う学校か、英語で行う学校か、ということで、もちろんカンナダ・ミーディアムというのはカルナータカ州固有のもので、他州ではタミル・ミーディアムだったり、テルグ・ミーディアムだったりする。で、大雑把な傾向として、イングリッシュ・ミーディアムは都市部の私立学校に多く、現地語ミーディアムは公立学校や田舎の学校に多く、勢い、イングリッシュ・ミーディアム校の子弟は街のお金持ち、現地語ミーディアム校の子弟は田舎者だったり貧乏だったり、というステレオタイプが生まれる。それが本作でも描かれているように、現地語ミーディアム校卒業者にとって劣等感や、逆に屈折したプライドを抱かせる原因となっている。

・英語であれ、現地語であれ、学べればいいじゃないか、と私などは思うが、なにせインドの場合、英語ができないことには都会の良い会社で良い仕事に就けないという現実があり、結婚の相手選びにも影響する。それで、現地語ミーディアムの者は、本作のラージュのように何かと憂き目を見ることになる。(それにしても、インドというのは、ただでさえ言語、宗教、カースト、民族、地理(地域)と、人を区分するファクターがたくさんあるのに、そこにわざわざ〇〇ミーディアムという線引きを加えなくてもなぁ。)

・ちなみに、私的にはカンナダ・ミーディアムの人のほうがありがたい。なにせイングリッシュ・ミーディアムの連中(当然、ソフトウェア業界には多い)と来たら、自分の名前さえカンナダ語で書けない者も珍しくなく、またカンナダ映画の歌の歌詞などきちんと理解できない者も多いので、カンナダ語の相談のためには「イングリッシュ・ミーディアム=役に立たない連中」なのである。

・さて、いきなり脱線してしまったが、本作のテーマはそうした言語と教育の問題ではなく、もっと根本的な「人生で最も大切なものは何か?」ということである。父が与えたこの謎かけを巡って、ラージュが遍歴する教育映画なのだが、それほど説教くさくもなく、面白かった。

・ただ、ハチャメチャなコメディーで、まともに分析しようとすると頭がくらくらするところはある。なにせ、無人島に漂着したラージュが、先に漂着していた白人女性(英語話者)と出会い、「ア、アー」とカンナダ語を教え始めるぐらいなのだから。ちなみに、この飛行機事故と無人島の展開はアメリカ映画【Cast Away】(00)からパクっているらしい。

・しかし、そういう教育的メッセージより、私が本作に感銘を受けた点は、主人公ラージュのひたむきさだ。何と言うか、私が若いころ東南アジアを旅行したときや、20年近く前にインドに住み始めたときに、現地人から感じた、そして日本人からほとんど感じなくなった感覚、それが生きるためのひたむきさ、しぶとさというものだったのだが、本作を観てその感覚を久々に思い出した。私がインド映画に期待したいのは、こういう感覚だ。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・グルナンダン(ラージュ役) ★★★☆☆
 時代と土地(ベンガルール)が生んだアンチヒーローのヒーローとして、私は期待している。大スターになることは絶対にないが、あと2,3作は撮れそう。

画像

・アヴァンティカ・シェッティ(ニシャー役) ★★☆☆☆
 【Rangi Taranga】(15)が良い感じだったので期待したが、ミスキャストだろう。まず男を弄ぶ軽薄女として登場するが、そういうキャラには見えなかったし、主人公のラージュとのケミストリーも悪かった。

画像

・アーシカー・ランガナート(ディヴィヤ役) ★★☆☆☆
 【Mugulu Nage】(17)が良い感じだったので期待したが、短い出番ながら、こちらは悪くなかった。保守系美人として、カンナダ映画界で地味に使われそう。

画像

・スディープ(ディーパク・チャクラヴァルティ役) ★★★☆☆
 カメオ出演だが、安定のカッコよさだった。こういう地味な演技陣の中に入ると、頭一つ抜け出して見える(実際、背も高いのであるが)。それにしても、カメオ出演でありながら、出回っているポスターはスディープが主演俳優より5倍ぐらいの大きさでデザインされているものばかりだったぞ(写真トップと下参照)。

画像

・ラージュの父を演じたチャンドラシェーカルは、物語中で早死にする設定だったが、先日、実際に亡くなられたので、驚いた。享年63歳。ご冥福をお祈りします。
 (写真下: 本作のスチルではありません。)

画像

・ヘンテコな無人島の白人娘はこんな人。ロシア人のモデルらしい。

画像

◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★☆☆☆☆

◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 特殊効果 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★☆☆☆
・撮影は、特に前半のマレナード(だけではなかったが)を捉えた映像が良かった。

◎ その他(覚書)
・無人島でラージュが白人娘から「何語を話してるの」と聞かれたとき、「カストゥーリ・カンナダ語だ」と答えていたが、これは「純カンナダ語」という意味。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 1月26日(金),公開第2週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (Arch Mall),15:45のショー
・満席率 : 8割
・場内沸き度 : ★★★☆☆

 

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
【Raju Kannada Medium】 (Kannada) カーヴェーリ川長治の南インド映画日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる