カーヴェーリ川長治の南インド映画日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 【Tagaru】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2018/02/28 21:42   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

画像

【Tagaru】 (2018 : Kannada)
脚本・監督 : Duniya Soori
出演 : Shivarajkumar, Manvitha Harish, Bhavana Menon, Dhananjay, Vashista N. Simha, Devaraj, Rockline Sudhakar, Sudhir, Sachu, Devanatha, Achyuth Kumar, Sudha Belawadi, Prasanth Siddi, Anitha Bhat, 他
音楽 : Charan Raj
撮影 : Mahendra Simha
編集 : Deepu S. Kumar
製作 : K.P. Srikanth

題名の意味 : 雄羊
映倫認証 : A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション
公 開 日 : 2月23日(日)
上映時間 : 2時間9分

《 あらすじ 》
 警官のシヴァ(Shivarajkumar)はゴアでプナル(プナルワースー:Manvitha Harish)という若い女性を保護する。プナルは酒も煙草もドラッグもやるというじゃじゃ馬で、逮捕されそうなところを、シヴァが保護したというわけだった。プナルはシヴァが何者か知らなかったが、シヴァはプナルのことを知っていた。二人が車でベンガルールに戻る途中、ギャング団の車列に激突され、二人を乗せた車は手ひどい事故に遭う。なぜシヴァとプナルは襲われたのか。それには訳があった、、。
 ・・・
 シヴァは銃撃戦のスペシャリストで、「雄羊(タガル)のシヴァ」という通称で知られていた。彼はベンガルールに巣食うギャングを掃討する任を帯び、先輩のラーマチャンドラ(Devaraj)から現状を聞かされる。シヴァはある青年の殺害事件と女子大生の失踪事件を捜査していたが、その過程でアンクル・ボス(Sachu)に率いられたギャング団と事を構えることになる。このギャング団にはダーリ(Dhananjay)とチッテー(Vashista N. Simha)という強力な大将がいた。シヴァは「スワッチャ・バーラト」と称し、ベビー・クリシュナ(Devanatha)を始めとするギャングのメンバーを次々と射殺し、ダーリの弟コックローチ(Sudhir)を拘束する。だがギャング団のお抱え弁護士からの要求で、コックローチは釈放される。しかし、結局シヴァはコックローチを射殺する。さらにシヴァはチッテーをも密かに殺害する。だが、この様子をたまたまある男(Prasanth Siddi)がビデオ撮りしており、ダーリに密告する。これに憤ったダーリが復讐のためにシヴァとプナルを乗せた車を襲った、というわけだった。
 しかし、なぜシヴァだけでなく、プナルも襲われたのか。シヴァはどうしてプナルを保護することにしたのか。それには訳があった、、。

・その他の登場人物 : ラーマチャンドラの姪パンチャミ(Bhavana Menon),スッベー(Rockline Sudhakar)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★★☆
◎ 着 想 : ★★★★☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★★☆
◎ 演 出 : ★★★★☆
・スーリ監督と言えば、【Duniya】(07)、【Jackie】(10)、【Kaddipudi】(13)、【Kendasampige】(15)と、タミル映画でもテルグ映画でもない、オリジナリティーある暗黒街物の秀作を発表し続け、いわゆる「カンナダ・ノワール」を確立した人物であるが、本作でも期待を裏切らず、否、これまでの作品を超え出る秀作を発表してくれた。うれしい。

・本作の何が良いかと言って、その語り口だ。出来事の時系列を全く崩して、時間的に前後して複雑になっている。しかも、それぞれの回想シーンなども丁寧に時間軸に沿って描かれているわけではなく、ちらちらと、文字どおりフラッシュバックの形で別の場面・時間のショットが挟まるという、物語を線的に把握するというより、全体的な印象でつかんでいくという構成になっている。それは考え出された物語と言うより、まるで登場人物(主に警官シヴァ)自身が抱く表象の流れのようだ。

・難解な印象を受けるが、脚本やカット割りが上手くできているため、あまり混乱しない(というより、最後で辻褄が合うようになっている)。スーリ監督の作品と言えば、どちらかと言えば粗削りな脚本だが、本作は彼らしい荒っぽさを効かしつつ、かなり細かく計算している。

・実は物語(出来事)そのものは単純なもので、これを時間軸に沿って描いたのでは、凡作になっただろう。脚本の勝利だと言える。

・しかし、脚本だけが良いのではなく、脚本に撮影、音楽、編集、演技(キャスティングを含む)がそれぞれ有機的に絡み、散文というよりは詩のような律動感を作り出している。こういうインド映画はなかなかお目にかかれない。

・さらに、本作は技術面だけでなく、メッセージ面でも面白い。社会(ここはカルナータカ州ベンガルールに限っておこう)には「穴」のようなものがあり、ともすれば堅気の平凡な人生を送れたかもしれないような者が暗黒街に転落したり、ちょっと気を付ければ何事もなかったのに、不用意に事件に巻き込まれてしまう者もいたりする。周囲の人間は「気を付けて」とは言うが、それが抑止力にならない怖さが社会にはある。

・こういう内容の物語が特に説教くさくもなく、告発調でもなく、非断言的に語られる。それで、何となく「これで終わらない感」があり、続編でもあるのかな?と思わせるが、おいおい、それより先に【Kendasampige】の続編を早く作ってくれよ。

・題名の「Tagaru」は「雄羊」という意味らしい。「羊」と言われると、可愛らしく、従順なものを想像するが、この「タガル」というのは雄牛のように勇猛で、攻撃的なものらしい。それで、凄腕警官シヴァの通称となっているのだが、だからと言って、下のようなポスターのイメージもなぁ、、。

画像

◎ 配 役 : ★★★★☆
◎ 演 技
・シヴァラージクマール(タガル・シヴァ役) ★★★★☆
 上の羊のイメージといい、トップ写真のタトゥーといい、キモいシヴァンナが出てくるかと警戒したが、彼の最近の作品の中ではかなりキモさ控えめだった。抑制の効いた演技で、カッコよかったと言えるが、カッコ悪かったとも言える。

画像

・マンヴィター・ハリーシュ(プナルワースー役) ★★★☆☆
 スーリ監督のお気に入りなのか、【Kendasampige】に続いての出演。非行に走りかけたじゃじゃ馬を楽しそうに演じていた。
 (写真下: 特に美人だとは思わないが、この鼻の穴の大きさはいいなぁ。)

画像

・バーヴァナ・メーノーン(パンチャミ役) ★★★☆☆
 こちらも【Jackie】以来2回目のスーリ監督作品への出演。出番は短かったが、彼女らしい清涼感がよく出ていた。最近はやや賞味期限切れで、カンナダ映画への出演が目立つが、カンナダのプロデューサー、ナヴィーンとの結婚を機に、いっそカンナダ女優になってくれ。

画像

・ダナンジャヤ(ダーリ役) ★★★★☆
 本作の注目点は、主演級俳優のダナンジャヤが悪役をやっていることだった。期待に応えている。彼の顔、キャラは本作のテーマによく合っている。

画像

・ヴァシシュタ・N・シンハ(チッテー役) ★★★☆☆
 【Mufti】(17)では「思ったより大根かも」と評したが、本作はまだマシだった。しかし、【Godhi Banna Sadharana Mykattu】(16)も【Mufti】も本作も、全て同じに見えるのは、きっと意図的なんだろうね。

画像

◎ 音 楽 : ★★★★☆
◎ BGM : ★★★★☆
◎ ダンス : ★★★☆☆
・スーリ監督作品の音楽と言えばハリクリシュナと決まっていたが、今回は【Godhi Banna Sadharana Mykattu】で注目されたチャラン・ラージ。歌もBGMも良かった。
 (写真下: チャラン・ラージ氏。彼からは引き出しの多い音楽知を感じる。)

画像

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 編 集 : ★★★★☆
・アクション映画のジャンルに入れたが、実はアクション・シーンにはそれほど見るべきところはない。カメラと編集が一番アクションしていた。

◆ 完成度 : ★★★★☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★★☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 2月25日(日),公開第1週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (Arch Mall),10:15のショー
・満席率 : 6割
・場内沸き度 : ★★★★☆

 

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
【Tagaru】 (Kannada) カーヴェーリ川長治の南インド映画日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる