カーヴェーリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Amma I Love You】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2018/07/01 11:24   >>

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【Amma I Love You】 (2018 : Kannada)
脚本・監督 : K.M. Chaitanya
出演 : Chiranjeevi Sarja, Nishvika Naidu, Prakash Belawadi, Sithara, Chikkanna, Biradar, Ravi Kale, Giri Dwarakish, Avinash, Kari Subbu, Bengaluru Nagesh, Saradr Sathya, Sudha Belawadi, B. Jaya, 他
音楽 : Guru Kiran
撮影 : Shekhar Chandru
編集 : N.M. Vishwa
製作 : Yogish Dwarakish, Dwarakish

題名の意味 : 母さん、愛してる
映倫認証 : U/A
タ イ プ : リメイク
ジャンル : ドラマ
公 開 日 : 6月15日(金)
上映時間 : 2時間27分

《 あらすじ 》
 シッドゥ(Chiranjeevi Sarja)はインドの大手織物会社アンナプールネーシュワリ・グループの一人息子。海外での学業を終え、母アンナプールナ(Sithara)から会社の経営を引き継ぐためにベンガルールに戻って来る。だが、引き継ぎ式典の後で、アンナプールナは工場での事故で昏睡状態となってしまう。シッドゥはありとあらゆる治療を試みるが、母が回復する兆しはなかった。そんな時に彼はスワーミジー(Avinash)に出会い、母の快癒のためには今の地位や富を忘れ、48日間乞食として生活しなければならない、と告げられる。それは、乞食として得た金のうち食事代などを引いた残金は翌朝寺院に寄進しなければならず、またこの期間中は誰にも自分の素性を明かしてはならないという、厳しい条件の付いたものだった。シッドゥはこのスワーミジーの言葉を実行することにし、会社の決定権を一旦ラージェーシュ(Giri Dwarakish)に預け、家を出る。しかし、シッドゥのおじで守銭奴のプッタッパ(Prakash Belawadi)が工場の売却を企んでいた。
 シッドゥはウドゥピへ行き、門前で他の乞食たち(Chikkanna & Biradar)に教わりながら物乞い生活を始める。そんな中で、シッドゥはピザ屋を営むビンドゥ(Nishvika Naidu)を偶然見かけ、親しくなる。実はビンドゥは以前にシッドゥの花嫁候補として話が進められていた相手だった。しかしビンドゥはそのことを全く知らない。彼女はシッドゥに強く惹かれるが、ある時彼が乞食だと知り、ショックを受ける。
 シッドゥは地元のヤクザたちとひと悶着を起こし、親分のアルン・カーレ(Ravi Kale)に狙われるようになる。また、シッドゥのおじプッタッパもシッドゥを亡きものにしようと、アルン・カーレに殺害を依頼する。さらに、現地の精神病院で密かに行われていた違法人体実験を乞食らが知ったため、院長はこれまたアルン・カーレにシッドゥ殺害を依頼する。
 そうこうしているうちに、乞食としての48日目となる。シッドゥは朝から最後の物乞いを始めるが、それには母(Sudha Belawadi)を介してシッドゥの素性を知ったビンドゥも同行していた。と、そこへアルン・カーレとその一味が現れ、シッドゥを襲う。シッドゥはそれを撥ねのけるが、その流れでビンドゥが首を切られてしまい、病院へ運び込まれる。シッドゥは、ビンドゥの治療を躊躇する医師に対し、病院に巨額の寄付をするからと懇願するが、信じてもらえない。逆にシッドゥは医師に「お前は何者だ」と訊かれ、ジレンマに陥る、、。

・その他の登場人物 : プッタッパの運転手(Kari Subbu)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 着 想 : ★★★★☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
◎ 演 出 : ★★☆☆☆
・本作はリメイクで、オリジナルはサシ監督の大ヒット・タミル映画【Pichaikkaran】(16)。リメイク作品は基本観ないことにしているが、【Pichaikkaran】はテルグ語とヒンディー語でダビング版が作れら、さらにオリヤー語とマラーティー語でリメイク版が作られており、そうまで広くインド人に受け入れられた映画なら、この際カンナダ語版は映画館で観て、ブログに鑑賞記を上げておく価値があると思った。

・一応タミル語版オリジナルもディスク鑑賞していたので、このカンナダ語版は、多少の異同はあるにせよ、大筋ではオリジナルに忠実なリメイクだということが分かった。

・一見して、古くさいタイプの映画だと分かる。悪役の在り方やコメディー・シーンの作り方に変則的な点が見られるが、全体的には20世紀のインド映画のテイストがする。それは【Pichaikkaran】もこの【Amma I Love You】も同じ。しかし、それが広く観客にアピールしたのは、がんがん押してくる感じのセンチメントと道徳観だろう。

・タミル語オリジナルの題名「Pichaikkaran」の意味は「乞食」、カンナダ語版の題名は「母さん、愛してる」で、ずいぶん異なっているが、そのとおり、この映画は2つのテーマを軸として構成されている。1つは母子センチメントで、大富豪の御曹司でありながら、母を救うためなら乞食になることさえ厭わないという母親への愛がある。もう1つは、乞食の目線を通して見えてくる社会悪や富者の驕りというものがある。

・タミル語版もカンナダ語版もこの2つのテーマを等しい配分で扱っているが、カンナダ語版のほうが(題名から想像されるとおり)やや母子愛を強調した感じで、映画の冒頭とエンドロールで映画界(カンナダ映画界だけでなく、他言語映画界も)のスターたちや政界、財界、スポーツ界などの著名人とその母親のツーショット写真を次々見せていた。アイデアとしては特にすごくもないが、珍しい写真も見られたので、観客のほとんどが最後まで大人しく座っていた。

・乞食のテーマのほうは、乞食目線で見えてくる今日的な社会問題を描き出すことにも成功しているが、それ以上に、インドが古来から持ち続けている「乞食」という存在に対する積極的なイメージ、人は地位も富も(時には名前さえ)捨ててこそ、世界の正しい在り方が見えてくるという、哲学的な面が表に出されていたのが面白いと思った。

・もう1つ、インド人は古くから「誓願」、つまり神様に何か願をかけると、例えば、試験に合格するまでは髪を切らないと神様に誓ったなら、それが成就するまでは絶対に髪を切らないといった、信仰と結びついた強い意志を大切にするが、本作もそれが上手くストーリーに組み込まれていた。

・オリジナルとリメイクの比較では、タミル語版のほうが乞食や精神病院の描写などがリアルだった。カンナダ語版は映画的に誇張された感じで、例えば冒頭で主人公のシッドゥが、いかに富豪だとは言え、専用機で空港に降り立つのはあり得ないと思った。ラニングタイムはタミル語版の2時間10分に対し、カンナダ語版は2時間27分と、17分も長い。

・監督のK・M・チャイタニヤは、【Aa Dinagalu】(07)でデビューしたときは将来が楽しみだったが、その後、悪くはないが地味な働きで、【Aake】(17)、本作と、2作続けてリメイク作品なのは残念。

・プロデューサーのドワーラキーシュはこのK・M・チャイタニヤが好きなようで、【Aatagara】(15)、【Aake】、そして本作と、3作続けてプロデュースしている。ところで、ドワーラキーシュ映画社といえば、いまだにこのMGMのパクリを使っているのがうれしい。



◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・チランジーヴィ・サルジャー(シッドゥ役) ★★★☆☆
 オリジナルの主演はむさ苦しいヴィジャイ・アントニーだった。ところで、リメイク映画はストーリーだけでなく、俳優もオリジナルと似た人を起用する傾向があるが、このカンナダ語版もやはりむさ苦しいチランジーヴィ・サルジャーが起用されている。というより、ドワーラキーシュ映画社、チャイタニヤ監督、チランジーヴィ・サルジャーのトリオはこれで3作目になる。

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・ニシュヴィカー・ナーイドゥ(ビンドゥ役) ★★★☆☆
 ヒロインは新人のニシュヴィカー・ナーイドゥ。彫ったような古典的なインド美女で、寺院の女神像などにはいい顔だが、映画女優としてどこまで伸びるか注目したい。

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◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
・音楽は久々のグル・キラン。2曲ほどきれいな曲があった。

・K・M・チャイタニヤ監督作品の音楽監督は、イライヤラージャー、アヌープ・シーリン、グル・キランが使われ、ハリクリシュナやアルジュン・ジャニヤなどの今のサンダルウッドの売れ筋でないのが特徴。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆

◎ その他(覚書)
・この物語のそもそもの発端は、母がサリーを着用して工場内を視察し、それが機械に巻き込まれて大怪我をするというもの。ゆえに本作最大のメッセージは、インド女性も工場内に入るときは布がひらひらする伝統服は避けるべき、というものだろう。どうもインド人は職場の3Kを軽視しているようで困る。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 6月24日(日),公開第2週目
・映画館 : Kamakya,16:00のショー
・満席率 : 5割
・場内沸き度 : ★★★☆☆
・備 考 : 英語字幕付き

 

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