カーヴェーリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Tik Tik Tik】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2018/07/07 12:36   >>

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【Tik Tik Tik】 (2018 : Tamil)
脚本・監督 : Shakti Soundar Rajan
出演 : Jayam Ravi, Nivetha Pethuraj, Jayaprakash, Aaron Aziz, Vincent Asokan, Ramesh Thilak, Arjunan Nandakumar, Rethika Srinivas, Aarav Ravi, Aathma Patrick, 他
音楽 : D. Imman
撮影 : S. Venkatesh
編集 : Pradeep E. Ragav
製作 : Nemichand Jhabak

題名の意味 : チク、チク、チク(時を刻む音)
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : SF
公 開 日 : 6月22日(金)
上映時間 : 2時間11分

《 あらすじ 》
 チェンナイのエンノール港付近に隕石が落下し、被害が出る。防衛宇宙局はさらに1週間以内に巨大隕石がベンガル湾に落下し、それにより南インドに4千万人の被害者が出ると予測する。防衛宇宙局のチーフ、マヘンドラン(Jayaprakash)は、宇宙空間で核ミサイルを発射して隕石を破壊し、地球に落下しないようコースを変えるしか対策はないと結論付ける。だが、それには200キロ級の核ミサイルが必要だったが、インドはそれを保有しておらず、他国から購入することも公式には不可能だった。そこでマヘンドランはブラックマーケットを当たり、中国の宇宙ステーションに200キロ級の核ミサイルが隠されていることを知る。そのステーションは研究開発目的と称していたが、実は軍事施設だった。残された時間を考えると、このステーションからミサイルを盗み出す以外方法はなさそうで、これは極秘の作戦として進められることになる。だが誰がその任務を? マヘンドランはこの作戦のために手品師で詐欺師のワース(Jayam Ravi)とその2人の仲間――ウェンカト(Ramesh Thilak)とアップ(Arjunan Nandakumar)――を採用する。この3人を防衛宇宙局のラグラーム(Vincent Asokan)とスワーティ(Nivetha Pethuraj)の下に付け、5人で宇宙に飛ぶことになる。
 訓練の後、5人はスペースシャトルに乗り込み、打ち上げの時刻となる。だがその時、ワースに匿名の電話がかかり、息子のラヴィ(Aarav Ravi)は誘拐した、彼の命が惜しければ、手に入れた核ミサイルを寄こせとの脅迫を受ける。
 宇宙空間に出た後、ワースは脅迫電話の指示に従い、船内の1本のワイヤーを切る。それは液体水素燃料のワイヤーだった。そのため、シャトルは燃料漏れを起こし、月面に不時着することになる。幸いその故障はすぐに直り、一同は月を離陸して、燃料補給を口実に目的の中国の宇宙ステーションにドッキングする。だが、そのステーションのキャプテン、リー(Aaron Aziz)はインド人飛行士の意図を察知しており、5人を拘束する、、。

・その他の登場人物 : リティカー(Rethika Srinivas),テロリスト(Aathma Patrick)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 着 想 : ★★☆☆☆
◎ 物 語 : ★★☆☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
◎ 演 出 : ★★☆☆☆
・タミル初のゾンビ映画【Miruthan】(16)でお馴染みのシャクティ・サウンダル・ラージャン監督が、再びインド初の宇宙映画という触れ込みで(それは違うだろ)、ハリウッドのパクリ映画を撮った。【Miruthan】は単純明快に面白かったので、こちらも期待したが、私的には具合が悪かった。

・何が躓き点だったかと言うと、SF宇宙映画の顔をしながら、科学的な基礎づけが全く幼稚だったことだ。冒頭で、隕石がオレンジ色に輝きながら宇宙空間を漂う場面からすでにシラケたし、それがチェンナイに落ちると、径が2,3メートルもある隕石なのに、直径が15メートルぐらい、深さも1メートルほどの穴しか開いておらず、そりゃ違うだろ、そんなぐらいの穴だったら、チェンナイなら大雨が降ったぐらいで開くだろと、すっかり観る気が失せてしまった。

・ゾンビ映画ならまだいい。科学的なんてことは気にしないから。しかし宇宙物なら、私的にこだわりたい意地がある。だいたいインドは理系教育が盛んで、火星探査機を飛ばすほど宇宙工学が発達しているのに、庶民レベルの物理学の知識は極めて貧相なように見える。これは、彼らが天文学より占星術を重視し、宇宙と言えばなお神話的宇宙で、聖仙が上半身裸で飛んで(と言うより、歩いて)いる空間というイメージが生きているからかもしれない。

・それはそれでいい。それなら、彼らがインド的宇宙映画を作ってくれたら納得するが、本作は中途半端なSF映画なのがシラケる。【2001年宇宙の旅】(68)や【惑星ソラリス】(72)から半世紀も経つのだから、そして本作を「インド初の宇宙映画」と謳いたいなら、もっとマシなものを観せてくれ。

・映画として、脚本的にもまずかったと思う。例えば、ネガティブロールとなるマヘンドラン大佐(ジャヤプラカーシュ演じる)の描き方が荒っぽすぎた。サスペンスにする手前、詳細には描けないという事情があるのせよ、例えば部下のリティカー(Rethika Srinivas)を殴り殺したエピソードは全くほったらかしのまま終わってしまった。また、「チクチク」と時を刻む音が題名となっていながら、あと何分、あと何秒というスリルはあまりなかったように思う。

・しかし、核兵器保有国のインドが、同じく核兵器保有国の中国が宇宙空間に隠し持つという200キロ級の核ミサイルを盗むというプロットは、宇宙を舞台にした壮大な当てこすりのようで、面白い。「中国」の国名は台詞では消音になっていたが、あれは映倫の指示ではなく、制作段階からの意図だと信じたい。あの宇宙ステーションが中国籍であることは一目瞭然で、口では「中国」と言わなくても、見たら分かるやんけ、みたいな茶化しのセンスは称賛したい。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・ジェイヤム・ラヴィ(ワース役) ★★★☆☆
 手品師かつ詐欺師でありながら、ひょんなことから宇宙飛行士になり、「月面に降り立ったインド人第1号」にもなり、さらには宇宙空間で死にかけた男を好演している。

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・ところで、このワースの息子ラヴィを演じた子役はジェイヤム・ラヴィの実の息子らしい。
 (写真下: いやに黒目のキラキラした利発そうな子だった。)

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・ニウェーダー・ペットゥラージ(スワーティ役) ★★★☆☆
 ヒロインというわけではないが、シャトルの5人の乗組員のうち唯一の女性で、そのせいか、必要以上に肌を露出するシーンが多かった。

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・ヴィンセント・アショーカン(ラグラーム役) ★★★☆☆
 本作最大の驚きは、長髪で性質の悪そうな悪役をやることの多いこのお方が、髪を短く切り、きちんと七三に分けた軍人を演じていることだった。もっとも、「月面一番乗り」の名誉をワースに奪われた気の毒な役だったが。

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・ラメーシュ・ティラクとアルジュナン・ナンダクマールが宇宙飛行士の役をやる日が来ようとは!

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・アーロン・アーシス(キャプテン・リー役) ★★☆☆☆
 誰、このお方?

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◎ 音 楽 : ★★☆☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
・音楽は私が「南インドの3MAN」と呼んでいるうちの1人、D・イマーンの担当だが(他の2MANはA.R. RahmanとS.S. Thaman)、いつも印象的な曲を提供しているイマーンにしては、凡庸なものだった。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 特殊効果 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・こんな宇宙ステーションだった。

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◎ その他(覚書)
・聞き間違っているかもしれないが、ワースらの乗ったスペースシャトルは「Dhruva(北極星)」という名前だった。

◆ 完成度 : ★★☆☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 6月30日(土),公開第2週目
・映画館 : Cinepolis (ETA Mall),10:30のショー
・満席率 : 3割
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆

 

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