カーヴェーリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Aa Karaala Ratri】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2018/07/19 21:31   >>

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【Aa Karaala Ratri】 (2018 : Kannada)
原作 : Mohan Habbu
脚本・台詞 : Naveen Krishna, Dayal Padmanabhan
監督 : Dayal Padmanabhan
出演 : Anupama Gowda, Karthik Jayaram, Veena Sundar, Rangayana Raghu, Naveen Krishna, Navarasan, Jaya Srinivasan, Yethiraj, Sihi Kahi Chandru, Srinivasa Prabhu, 他
音楽 : Ganesh Narayan
撮影 : P.K.H. Das
編集 : Sri (CrazyMindzz)
製作 : D Pictures, Avinash U. Shetty

題名の意味 : あの恐ろしい夜
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ドラマ
公 開 日 : 7月13日(金)
上映時間 : 1時間45分

《 あらすじ 》
 チッカマガルールの僻村で、深夜に1軒の民家が火事で燃え上がる。それはムッタンナ(Rangayana Raghu)の家であった。
 ・・・
 ムッタンナは酒飲みで怠け者だったが、助産婦をしている妻ガウランマ(Veena Sundar)は人柄が良く、村人からも信頼されていた。一人娘のマッリカー(Anupama Gowda)は気が強く、どこかすねた感じで、力と欲望を持て余しているようだった。一家は極めて貧しかったが、それでも平和に暮らしていた。
 火事が起きる日の朝、この家に予言者(Naveen Krishna)がやって来、「一夜にしてこの家族の運命は変わるだろう」と告げて、去って行く。そして、入れ替わるようにチャンナケーシャヴァ(Karthik Jayaram)という男がやって来る。彼はムッタンナらに一夜の宿を乞う。家族は要領を得ないものを感じつつも、彼の滞在を認める。チャンナケーシャヴァは街から来たハンサムで体格もいい男だった。マッリカーは彼に惹かれるものを感じる。
 ときに、地主(Jaya Srinivasan)がやって来て、ムッタンナに借金の返済を迫り、返せないなら娘のマッリカーを差し出せと要求する。このやり取りを傍らで聞いていたチャンナケーシャヴァは、地主が帰った後、自分の書類かばんを見せ、援助を約束する。そのかばんの中には多額の現金や宝飾品が入っていた。
 マッリカーは思い余ってチャンナケーシャヴァを性的に誘惑しようとする。しかし彼に拒まれると、その欲望はチャンナケーシャヴァの持っている金品へと向かう。
 夕食の支度の時に、マッリカーは母にチャンナケーシャヴァを殺して金品を奪う提案をする。善良な母はうろたえるが、マッリカーはこれこそが予言者の託宣だと、母を説き伏せる、、。

・その他の登場人物 : カンナッパ(Navarasan)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 着 想 : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★★☆
◎ 演 出 : ★★★☆☆
・一体、チャンナケーシャヴァは誰なのか? なぜムッタンナの家は燃え上がったのか? アートフィルムだと予想したら、意外にサスペンスの効いた、面白い映画だった。

・原作はモーハン・ハッブという人の同名の戯曲らしい。もちろんモーハン・ハッブなんて知らなかったし、オリジナルの舞台も観ていないので、それがどう映画化されたかは何とも言えない。しかし、オリジナルは20分程度の短い劇らしいので、映画が1時間45分ということなら、ダヤール・パドマナーバン監督はかなり自由に追加/改変したことになるだろう。

・このダヤール監督(写真下)は、専らカンナダ映画界で活動しているので、カンナダ人だと思っていたら、実はタミル人だった。プロデューサー、脚本家、監督、俳優と、いろいろこなすが、今のところ活動は地味すぎる。ただ、俳優として出演した【Gaalipata】(08)は印象的だったし、監督作品の【Haggada Kone】(14)は高く評価されたので、気になる人物だった。本作を観る限り、監督としての腕はまずまずのよう。

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・予言者の口を通して語られた神の託宣を、自分の都合の良いように曲解した家族の滅亡の物語。これが運命だと誤解し、それに向けて殺人さえ辞さない家族だが、神の用意した運命のシナリオは全く異なっており、結局は自ら墓穴を掘る形になる。この運命に対して人は盲目で、抗う術もないという物語が、ギリシャ神話を思わせて面白い(いや、ギリシャ神話を持ち出さずとも、『マハーバーラタ』もそういう物語なのだが)。

・その神が用意した罠というのがチャンナケーシャヴァの持っていた金品で、ひと度それを目にするや、家族三人の貪欲に火が点く。貪欲が人を破滅させるという物語は珍しくも何ともないが、本作は邪心に侵された家族の描写に緊迫感があって、良かった。

・なかなか良くできているが、残念に思った点は、まずチャンナケーシャヴァの書類かばんの中身(金品)をはっきりと見せてしまったことだろう。中身を見せずに、謎のままにしておいてもよかったと思う。また、家が焼けるというのも冒頭で見せていたが、あれも最後の最後まで置いておいたほうが、緊張感が持続しただろうと思う。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
 娯楽映画的にはスター不在で地味に見える本作だが、実は主要登場人物を演じたアヌパマー・ガウダやカールティク・ジャヤラーム、それに監督のダヤール自身もテレビ番組の「Bigg Boss Kannada」に出演しており、お茶の間的には馴染みの顔ぶれ。「Bigg Boss」で盛り上がったダヤール以下の仲間たちが、映画を撮ろうということで企画されたのが本作らしい。
 (写真下: 左よりカールティク・ジャヤラーム、アヌパマー・ガウダ、ランガーヤナ・ラグ、ヴィーナー・スンダル。)

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◎ 演 技
・アヌパマー・ガウダ(マッリカー役) ★★★☆☆
 娯楽映画のヒロインとしてブレイクするなんてことは全くないだろうが、掘り出し物っぽいのがこのお方。野太いドスの効いた声で、プリヤーマニが吹き替えているのかと思ったほどだが、セルフダビングの模様(彼女の声はこちらで聞ける)。
 (写真下: チャンナケーシャヴァ役のカールティク・ジャヤラームと。)

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 映画では外見的に地味な田舎娘を演じていたが、ベンガルール出身らしい。
 (写真下: これだとなるほどベンガルール娘だと思うが。)

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・カールティク・ジャヤラーム(チャンナケーシャヴァ役) ★★★☆☆
 映画では脇役で何度か見かけた程度だが、テレビでは「JK」のニックネームを持つほど知られた人物。背が高く、筋肉隆々だが、顔の造りが劇画調古典的ハンサムなのがネックかもしれない。『マハーバーラタ』のカルナの役なんて似合いそう。

・ベテランの2人、ランガーヤナ・ラグとヴィーナー・スンダルが、通常の薄っぺらカンナダ娯楽映画では見せる機会のない演技力を見せていた。

・予言者役でカメオ出演していたのはナヴィーン・クリシュナ。名優シュリーニワーサ・ムールティの息子で、俳優としても才能があるものの、脇役出演が多く、どちらかというとライターのほうで才能が開花しそう。本作でも脚本・台詞を担当している。
 (写真下: 実は私のご近所さんなので、応援している。)

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◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
・ダンスシーンなど入る余地のない映画だと思ったが、アヌパマー・ガウダのま、ま、まさかのアイテム風ナンバーがあって、いすからずり落ちた。

◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆

◎ その他(覚書)
・母娘が毒殺に使おうとした植物はトウゴマということだが、実じゃなく葉っぱにも猛毒(リシン)が含まれるのだろうか。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 7月14日(土),公開第1週目
・映画館 : Kamakya,16:15のショー
・満席率 : 3割
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆

 

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内 容 ニックネーム/日時
貧乏なわりには、いい犬を飼っていたのが印象的だった。さらに、おっしゃる通りのいわゆるキャピキャピ系ではない、図太そうな、斜に構えた一応ヒロイン、新鮮だったし、悪と善とが戦っている心を抱えているもののバランスを崩していくプロセスが見もの。
絵の講師をしている方が生徒さんたちに、悪魔を描きなさいと言ったら、山羊頭とかの悪魔像ではなく、人間の絵を描く生徒が多かったという話を また聞きしたところだったので、う〜ん、複雑。
「【Aa Karaala Ratri】に...
2018/10/21 12:37

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