カーヴェーリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Katheyondu Shuruvagide】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2018/08/18 03:20   >>

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【Katheyondu Shuruvagide】 (2018 : Kannada)
物語・脚本・監督 : Senna Hegde
台詞 : Abhijit Mahesh
出演 : Diganth, Pooja Devariya, Babu Hirannaiah, Aruna Balaraj, Ashwin Rao Pallakki, Prakash K. Thuminadu, Shreya Anchan, 他
音楽 : Sachin Warrier
撮影 : Sreeraj Raveendran
編集 : S S Max
製作 : Rakshit Shetty, Pushkara Mallikarjunaiah, G.S. Gupta, Vinod Divakar, Prasanna Hegde

題名の意味 : 物語が始まった
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ドラマ
公 開 日 : 8月3日(金)
上映時間 : 2時間14分

《 あらすじ 》
 タルン(Diganth)はカルナータカ州の海辺のリゾート地でホテルを経営していた。アメリカでビジネスアナリストとして働いた後の起業だったが、経営状態は悪く、周囲から売却も勧められていた。
 ホテルの近くにタルンのおじのシャンカル・ムールティ(Babu Hirannaiah)とその妻ラーダー(Aruna Balaraj)が住んでいた。二人は結婚30周年を目前にしていたが、子供はおらず、そのせいか、いたって気の若い夫婦だった。ムールティの夢はハワイへ行くことだったが、彼には癌の疑いがあり、検査を受けるところだった。
 ホテルのスタッフには受付係のスワルナー(Shreya Anchan)、運転手のペドロー(Ashwin Rao Pallakki)、コックのクッティ(Prakash K. Thuminadu)らがいた。ペドローはスワルナーのことが好きだったが、スワルナーはドバイの実業家との縁談がほぼ決まっていた。クッティは分の悪いペドローを応援する。
 タルンは宿泊予約のあったメヘラー夫妻を迎えに空港まで行く。だが、現れたのは夫人のターニヤー・メヘラー(Pooja Devariya)だけだった。ターニヤーはタルンに夫は死亡したと告げ、ホテルへ行く途中のビーチで悲しみを吐露する。タルンはホテルのスタッフにご主人のほうは会議があって来られなくなったと告げる。
 タルンはターニヤーを観光に連れて行く際に、ムールティ夫妻に会い、ターニヤーをラーダーに預けることにする。ラーダーとターニヤーはすっかり意気投合する。そして、ムールティ夫妻の結婚30周年の晩に、タルンとホテルのスタッフ、町の友人たち、それにターニヤーは、ハワイの雰囲気を演出したサプライズパーティーを行い、夫妻を祝福する。
 ペドローはスワルナーにプロポーズするが、結婚には愛だけでは十分じゃないと、振られてしまう。他方、短い期間にもかかわらず、タルンとターニヤーはすっかり意気投合する。そして、西ガーツ山脈の上で、タルンはターニヤーへの愛を確信する。しかしその直後に、死んだとされていたターニヤーの夫アーカーシュがホテルにやって来る、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 着 想 : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★☆☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
◎ 演 出 : ★★★☆☆
・本作を観るべきだと思った理由は2つ。1つはラクシト・シェッティとプシュカラ・マッリカールジュナイヤがプロデュースしていることで、ラクシト・シェッティは言わずもがな、プシュカラ・マッリカールジュナイヤは【Godhi Banna Sadharana Mykattu】(16)、【Kirik Party】(16)、【Humble Politician Nograj】(18)などのヒット作を手掛けた人物。もう1つは、タミル映画【Iraivi】(16)で好印象を受けたプージャー・デーワーリヤーがヒロインを務めていること。

・参考に、題名の「Katheyondu Shuruvagide」は【Godhi Banna Sadharana Mykattu】の歌の1つと同名なのだが、もしかしたら、プシュカラ・マッリカールジュナイヤの趣味が反映されているのかも。

・監督のセンナー・ヘグデは、ウィキペディアの記述によると、カンナダ人であるが、生まれも育ちもケーララ州のカーサラゴード県で、まさに境界人らしく、【Ulidavaru Kandante】(14)でラクシト・シェッティに脚本で協力した後、マラヤーラム語のドキュドラマ【0-41*】(16)で監督デビューしている。どうやらマラヤーラム映画を観まくって育ったらしく、そのセンスはこの【Katheyondu Shuruvagide】にも反映されているように見える。

・ちなみに、センナー・ヘグデの「ヘグデ(Hegde)」はカルナータカ州沿岸部に多い姓。コミュニティー的にはバント族だったりブラフミンだったりジャイナ教徒だったりするので、彼がどれに属すか知らないが、とにかくこの新進監督を(ケーララ出身とは言え)カンナダ映画界の「西海岸派」に数え入れてもいいだろう。(注:「西海岸派」というのは、ウペンドラやグル・キラン、プラカーシュ・ラージ、ラクシト・シェッティ、リシャブ、シェッティなど、カルナータカ州西海岸に出自を持つ有能なタレントが多数存在することから名付けた私の勝手呼称。もっとも、カルナータカ州は海が西側にしかないので、単に「海岸派」または「沿岸派」と言えば足りるのだが)。

・さて、作品評であるが、非常にアンビエンスの良い、きれいな映画だった。上で書いたとおり、センナー・ヘグデ監督はその辺のカンナダ映画人とは異質なセンスを持った人らしく、主役がディガントという知られたカンナダ・スターでなければ、カンナダ映画だとは思えないほどかもしれない。やろうとしていることがはっきりしており、それは評価できる。しかし、内容面をごちゃごちゃ言い出すと、首をかしげる点も多く、最終的にはあまり大きな感動もなかった。

・物語はタルンとターニヤー、ムールティ夫妻、ペドローとスワルナーの3組の男女を中心に進む。それにタルンとムールティ夫妻、ペドローとクッティの絡み合いも良い。全体として作為性の少ない、リアリティー本位の物語で、それは良いのだが、最も重要なタルンとターニヤーの展開がリアリティーを欠いているようで、いただけない。

・まずリアリティーのなかったのがディガント演じるタルンで、あの若者が本気でリゾートホテルを経営し、経営難の問題を解決しようとしているようには見えなかった。脚本が悪いのか、ディガントの演技力に問題があるのか、とにかく、タルンは映画のヒーロー足りえていない。

・さらに悪いのはプージャー・デーワーリヤー演じるターニヤーで、夫アーカーシュの浮気が赦せないからと言って、たまたま宿泊したホテルのオーナーと、わずか3日間の交流でくっつくか。いや、夫の一度や二度の浮気なら、あれだけ謝っているのだから、赦してやれよ、と言いたいわけではない。しかし、離婚も成立していないうちから、簡単に他の男に気を許せるターニヤーも同じく浮気者ではないか。彼女にアーカーシュを罰せるだけの大義があるか。浮気されたターニヤーの悲しみは理解できるとしても、それ以降の彼女の言動はほぼ不可解だと思ったし、インド人なら、保守的であれ進歩的であれ、彼女に共感を覚える人はあまりいないのじゃないだろうか。これは脚本が悪いのか、私の感性に問題があるのか、とにかく、ターニヤーは映画のヒロイン足りえていないと思った。

・とは言うものの、このセンナー・ヘグデ監督はなかなかのイケメンだし、音楽やスポーツ、酒にもインド人離れしたセンスを持っているようなので、次回作も注目したい。

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◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・ディガント(タルン役) ★★☆☆☆
 チョコレート・ボーイ系の俳優はインドでは大成しないものだが、ディガントも伸び悩んでいる。マーダヴァンやシッダールト・スーリヤナーラーヤンのように、どこかでイメージチェンジする必要があり、ディガントの場合は本作がそうなるかと期待したが、ダメだった。彼にはいつも何か足りないものを感じる。

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・プージャー・デーワーリヤー(ターニヤー役) ★★☆☆☆
 【Iraivi】で好印象を受け、YouTubeで動画をいろいろ見ているうちに、彼女が面白い存在だというのに気付き、しばらく注目することにした。上で書いたとおり、本作のターニヤーにはあまり感銘を受けなかったが、この作品にこの風変わりな顔を持って来たのは正解だったと思う。Wikipediaの記述によると、彼女はベンガルールの生まれらしいが、恐らくタミル人だろう。しかし、ターニヤーの台詞(カンナダ語)はセルフダビングしているようだ。

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・本作はむしろ脇役が良い味を出している映画だった。下のムールティ夫妻を演じたバーブ・ヒランナイヤとアルナー・バーララージは好印象。

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・アシュウィン・ラーウ・パッラッキ(運転手のペドロー役)とプラカーシュ・K・トゥミナードゥ(コックのクッティ役)も良い。前者は【Kirik Party】に、後者は【Ondu Motteya Kathe】(17)に出演していた。受付係のスワルナーを演じたシュレーヤー・アンチャンも【Ondu Motteya Kathe】に出ていたが、この人は脇役女優として使い勝手が良さそう。
 (写真下: 左よりPrakash K. Thuminadu、Ashwin Rao Pallakki、Shreya Anchan、Diganth、Pooja Devariya。)

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◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★★☆
・音楽はサチン・ワーリヤルという知らない人の担当。歌そのものは良かったが、入れるタイミングは良かったとは言えない。

◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆

◎ その他(覚書)
・物語の場所はカルナータカ州の海辺という以外、どことは言及されていなかったと思うが、1つ場所が特定できたのはウドゥピにあるカープ灯台

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◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 8月4日(土),公開第1週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (Arch Mall),10:00のショー
・満席率 : 2割
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆

 (オマケ画像: この景観を見て、「ア〜グンベ・ヤ〜」と歌いたくなる私は古い奴だろうか、、、そりゃ古い奴だよ。)

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