【Katha Sangama】 (Kannada)

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【Katha Sangama】 (2019 : Kannada)
題名の意味 : 短編集
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ドラマ(アンソロジー)
公 開 日 : 12月6日(金)
上映時間 : 2時間36分

監督 : Chandrajith Belliappa, Karan Ananth, Shashi Kumar P, Rahul P.K, Jamadagni Manoj, Kiranraj K, Jai Shankar A
音楽 : Nobin Paul, Vasuki Vaibhav, Gagan Baderiya, Dossmode, Agnata, Girish Hothur, Vasu Dixit
撮影 : Venkatesh Anguraj, Arvind S. Kashyap, Gomtesh Upadhye, Sandeep P.S, Ranganath C.M, Deepak Yeragara, Saurav Prateek Sanyal
出演 : Kishore, Yagna Shetty, Mridinika, Prakash Belawadi, Sowmya Jaganmurthy, Raj B. Shetty, Amrutha Naik, Pramod Shetty, Balaji Manohar, Avinash, Hariprriya, Rishab Shetty, Paravva, Beeresh, 他

《 プロット 》
① Ranibow Land (監督: Chandrajith Belliappa)
 少女リヤー(Mridinika)は父(Kishore)に『虹の国』の童話を読んでもらい、虹の国へ連れて行ってとせがむ。父は、明日学校から帰って来たら連れて行ってあげると約束する。翌日、娘を喜ばせようと、父は仕事を早退し、家の庭にカラフルな虹の国のセットを作るのであったが、、。

② Sathya Katha Prasanga (監督: Karan Ananth)
 60歳となり、定年退職を翌日に控えたサティヤ・ムールティ(Prakash Belawadi)は複雑な心境のうちにいた。彼は心に満たされないものを感じていた。その夜、事務所からの帰り道、サティヤ・ムールティは遊園地でミステリアスなタトゥー・アーチスト(Sowmya Jaganmurthy)に出会う、、。

③ Girgitle (監督: Shashi Kumar P)
 怠け者のヴィニ(Raj B. Shetty)には恋人のラシュミ(Amrutha Naik)がいたが、ラシュミは将来設計のないヴィニに愛想を尽かし、別れを宣告する。絶望したヴィニは海へと転落するが、翌朝、意識が戻った時、自分が前日にタイムスリップしていることに気付く。やり直すチャンスを与えられたヴィニは、今度はラシュミの心をつかむことに成功するのだが、、。

④ Utthara (監督: Rahul P.K)
 ジェイコブ(Pramod Shetty)はジャーナリストのランガスワーミ(Balaji Manohar)のセミナーを聞きに会場へ行く。だが、ジェイコブには秘めたミッションがあるようだった。控室のドアの鍵が故障し、ジェイコブとランガスワーミは二人きりで部屋に閉じ込められてしまう、、。

⑤ Padavarahalli (監督: Jamadagni Manoj)
 20世紀初頭のマイソール。パダワーラハッリの森には独立派のグループが潜んでおり、イギリス軍の隊長カーラッパ(Avinash)は彼らの討伐に名を挙げていた。その森の近くに床屋があったが、理髪師の男は独立派の同志であった。ある日、この床屋へカーラッパが髭剃りにやって来る。理髪師はカーラッパを殺そうと考えるが、、。

⑥ Sagara Sangama (監督: Kiranraj K)
 女(Hariprriya)が海岸の道路を車で走行中に、前輪のナットが外れ、車が立ち往生してしまう。付近には何もなく、止まってくれる車もなかった。と、そこへ凶暴な犬を連れた怪しげな男(Rishab Shetty)がやって来る。身に危険を感じた女は、必死に男を遠ざけ、逃れようとするが、、。

⑦ Lacchavva (監督: Jai Shankar A)
 貧しい寡婦のラッチャッワ(Paravva)は息子のビーラ(Beeresh)を頼ってベンガルールへやって来る。ある日、その日が同居人ハリーシャの誕生日だと知ったラッチャッワは、彼のために故郷フッバッリの名物菓子ペーダを買ってやろうと出かけるが、道に迷って帰れなくなってしまう、、。

《 コメント 》
・7人の映画監督、7人の音楽監督、7人のカメラマンによる(つまり7つのユニットによる)オムニバス映画。リシャブ・シェッティが総監修とプロデュースを行っている。映画全体としてはカンナダ映画界の名匠プッタンナ・カナガールへのオマージュという形になっており、3話のアンソロジーだった同監督の【Katha Sangama】(76)と同タイトルが付けられている。

・プッタンナ・カナガールといえば、カンナダ映画界のレベルを超えて、インドが世界に誇れる名監督の一人だと思う。と、偉そうに言って、私は彼の作品は10作も観ていないし、研究的視点でも接していないので、断言はできないが、文学の力を強く信じていた人のようで、文学の繊細な心理描写やメッセージ発信性をセルロイド上で表現しようとした監督だと思う。ゆえに、彼の作品は時には消化しづらい心理表現と過激なメッセージがあり、インドの娯楽映画にしては際立ってユニークなテイストを持っている。後代への影響も強く、この監督なくしてはシャンカル・ナーグもウペンドラもプレームもいなかっただろうし、近くではパワン・クマールもラクシト・シェッティもリシャブ・シェッティもアーダルシュ・イーシュワラッパも現れなかっただろうと思う。
 (写真下: 故プッタンナ・カナガール監督。カメラに寄り添う監督って、どことなくセクシーだ。)

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・さて、本作を鑑賞するにあたって、一応プッタンナ・カナガールの【Katha Sangama】も観ておいたが、アンソロジーというスタイル以外に、両者に内容的な繋がりはなさそうだった。旧【Katha Sangama】は自分の信念や道徳的規範が揺らいだ時の心理的葛藤や規範そのものに対する懐疑が主題となっているように思うが、新【Katha Sangama】はそんなことではないように見えた。類作のマラヤーラム映画【Kerala Cafe】(09)のような、各短編を繋ぐモチーフも特に設定していないようだった(いや、何かあるはずだが、分からなかった)。

・各短編にコメントを付けておくと、①の「Ranibow Land」は、虹の国とは何なのか、それを観たかったのは実は誰なのか、ということがヒネリと共に美しく描かれ、短編映画のお手本のようだった。キショールがまさかのアッパークラスの善きパパを演じており、私はパラレルワールドにでも迷い込んだかと錯覚した。

・②はSFチックな心理劇。インド映画では定年退職間近の会社員の心理状態なんてほぼ扱われないので、ここにはプッタンナ・カナガール的なものを感じた。定年オヤジを演じたプラカーシュ・ベラワーディは上手く、タトゥー・アーチストを演じたソーミャ・ジャガンムールティも謎な雰囲気が良かった。

・③はさらにSFチック。アイデアは特に奇抜でもないが、皮肉なラストが面白い。イライラ娘を演じたアムルタ・ナーイクが可愛かった。

・④は強いメッセージ性を持つ短編。もしプッタンナ・カナガールが今も生きていたなら、このテーマでも映画を撮ったかもしれない。

・⑤は理髪師の心的葛藤を描いたもので、7編の中で最も旧【Katha Sangama】に近い作品だと言える。

・⑥は台詞がひと言もないサイレントドラマで、7編中、最も実験的なもの。オチのオチが面白かった。

・⑦は素人のみを出演させたものらしいが、隠しカメラで撮ったドキュメンタリーかと思うほどの自然さだった。田舎者の迷子オバチャンの体験が「ベンガルールあるある」な感じで面白かった。「バーナスワーディ」と「バサワングディ」を間違えるところなど、ローカル色が強くて、良い。

◆ 完成度 : ★★★★☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★★☆

《 鑑賞データ 》
・鑑賞日 : 12月7日(土),公開第1週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (Arcade Mall),10:00のショー
・満席率 : 1割
・場内沸き度 : ★★☆☆☆
・備 考 : 英語字幕付き

《 参考ページ 》
https://en.wikipedia.org/wiki/Katha_Sangama_(2019_film)
https://www.imdb.com/title/tt7315232/

 

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この記事へのコメント

イセエビ
2020年01月18日 15:26
なかなか結構なオムニバスだったので、ぜひ そのオマージュの源流の監督さんの作品も見たいと思いました。一押しありましたら、教えてください!
迷子のオバちゃんは確かにリアルでした。
カーヴェーリ
2020年01月19日 10:26
プッタンナ・カナガール監督の作品で、一番好きなのはGejje Poojeです。YouTubeに全編があるのですが、画質が悪い上に、字幕がありません。

英語字幕付きDVDが手に入る可能性のあるのはNaagarahaavu、Sharapanjara、Ranganayakiだと思いますが、いずれも名作です。

その他、Belli Modaも好きで、以前はYouTubeに字幕付き全編があったのですが、今探した、なくなってますね(泣
 
イセエビ
2020年01月20日 00:39
早速のご返信、どうもありがとうございます。
確かに Gejje Poojeはyoutube以外では見つからず、おそらく英語字幕もなしで 推測しつつ見ることになりそうです。
Belli Modaも 字幕はチェックしてませんが、youtubeにありましたよ~!
真ん中のお勧め3作は 英語字幕のものが合法サイトからDLできますので、見られる方から見ていきます!

ヒンディー語圏の,民衆の心を描いたとかいうShyam Benegal監督と、なんとなくかぶるようなお名前の(日本人の耳に 否私の耳にだけかな。) カンナダのPuttanna Kanagal監督の味わいを一粒づつ楽しんでいこうと思います!

カーヴェーリ
2020年01月21日 09:47
観られますよ! 画質も、以前YouTubeに上がってたのより良いような。
ありがとうございます。
 
イセエビ
2020年01月22日 00:38
たまには、お役に立ちたいです。(*^_^*)
イセエビ
2020年03月08日 21:18
Bellli Moda,、Sharapanjara、Naagarahaavu、Ranganayaki とりあえず、Puttanna Kanagal監督作品4作 観ました。

個性は強いが、結構純情なヒーロー、ヒロインが 騙された、欺かれてきた、と感じた時の彼/彼女らの 怒りに転ずる瞬間からの展開が、恐ろしいものでありました。その辺を忘れられないくらいのインパクトをもって描ききるところが 名監督の所以なんですね。
Sharapanjara などはトラウマ映画になりそうです。
カーヴェーリ
2020年03月10日 09:50
確かにトラウマになりそうですねw
激しく、そして難解な感じもするプッタンナ・カナガール監督の映画ですが、特に一部の教養層だけに指示されているわけではなく、大衆的人気もあるんですよね。
インド人って、お気楽な娯楽映画が好きな反面、情念の塊といった感じの映画も愛するようです。