【Psycho】 (Tamil)

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【Psycho】 (2020 : Tamil)
題名の意味 : サイコパス
映倫認証 : A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : スリラー
公 開 日 : 2020年1月24日(金)
上映時間 : 2時間25分

監督 : Mysskin
音楽 : Ilaiyaraaja
撮影 : Tanveer Mir
出演 : Udhayanidhi Stalin, Aditi Rao Hydari, Nithya Menen, Rajkumar Pitchumani, Singampuli, Ram, Renuka, Shaji Chen, Aadukalam Naren, 他

《 プロット 》
 コインバトールでは若い女性の首なし遺体が公の場にさらされるという、連続誘拐殺人事件が発生していた。狙われるのは各フィールドでトップクラスの女性たちだった。精神科医も警察もサイコパスの犯行だと断定しつつ、容疑者すら挙がらない有様だった。
 視覚障碍者で音楽家のガウタム(Udhayanidhi Stalin)はラジオジョッキーのダーギニー(Aditi Rao Hydari)に惚れており、友人ラージャナーヤガン(Singampuli)の助けを借りて、ダーギニーに接近する。だがダーギニーはガウタムを拒絶する。しかし、彼女はある結婚パーティーでのガウタムの言動に感銘を受け、彼にチャンスを与える。それは、翌日の自分(ダーギニー)の居場所が特定できたなら、誕生パーティーに招待してあげる、そして、そのヒントはラジオ番組の中で告げる、というものだった。ガウタムはそのヒントを解読し、ダーギニーに会いに鉄道駅へ行く。果たしてダーギニーはその駅で待っていた。しかし、そこへサイコパス(Rajkumar Pitchumani)が現れ、彼女を誘拐してしまう。
 秘密のアジトにダーギニーを連れ込んだサイコパスは、今まさに彼女の首を撥ねんとしたときに、彼女が平静な表情をしているのに驚く。理由を尋ねると、必ずガウタムが来てくれるからということだった。サイコパスは、ダーギニーの誕生日にその首をガウタムにプレゼントしてやると、彼女の首を撥ねるのをその時まで中断する。
 ガウタムはダーギニーが駅で誘拐されたことを警察に知らせるが、埒が明かなかった。自分で犯人を捜すことだとアドバイスされたガウタムは、警察にカマラー・ダース(Nithya Menen)という女性を紹介してもらう。カマラーは非常に有能な婦人警官だったが、自身もサイコパスに誘拐されかけ、その時の事故で四肢麻痺となり、引退して車椅子生活をしていた。ガウタムはカマラーとその母ワサンタ(Renuka)、及び友人ラージャナーヤガンの4人で調査を進める。いくつか手がかりが挙がる中、決め手はガウタムが2人の被害者の遺体から豚の臭いがしたということだった。そこで彼らは養豚場を洗う。また警官のムットゥ(Ram)も養豚場を捜査するが、サイコパスに見つかり、殺される。そして、ラージャナーヤガンも殺されてしまう。だが、一連の手がかりと推理から、容疑者として獣医で養豚場も経営するアングリマーラという男が挙がる。カマラーとガウタムはアングリマーラの養豚場の事務所から手がかりとなる図面を手に入れる。そして、アングリマーラのアジトと思しき場所に潜入する作戦を決行する、、。

・他の登場人物 : ダーギニーの父(Shaji Chen),シスター・レイチェル,副警視(Aadukalam Naren)

《 コメント 》
・えげつない映画だった。あらすじでは書けなかったが、この際書いておくと、アングリマーラがサイコパスになった原因は、実は彼は孤児で、ポンディシェリのキリスト教系孤児院で育てられたが、思春期に自慰行為をしているのをシスターのレイチェルに目撃され、罰として1日60発の棒打ちの刑を1年間受け続け、その際に右手の小指も失くし、さらに少年院に送られそうになったときに警官にレイプされた(カマを掘られた)という体験によるものだが、こんな目に遭えば、そりゃあ性格も歪むわと、同情を禁じ得ない。【Angaadi Theru】(10)にしても、【Paradesi】(13)にしても、タミル人は本当にこういう弱者受難残酷物語が好きだな。

・本作は、数奇な運命の後、お釈迦様によって仏教に帰依したアングリマーラの話に想を得たものと、ミシュキン監督自身が語っているらしい(こちら)。もちろん、ぴったりなぞっているわけではないが、主人公の名前がガウタムと、一応ブッダを想定しているよう。ヒロインの名前のダーギニーが「荼枳尼天」を連想させて気にかかるが、関連は分からない。むしろ映画を観る限り、ガウタムとダーギニーを合わせてブッダの役割を果たしているように見えた(ちなみに、このアングリマーラの話はインドや他の仏教国で何度か映画化、ドラマ化されている)。もう一つ、ヒロイン誘拐物ということで「もしや」と思ったが、やはり『ラーマーヤナ』も借りているようだ。
 (写真下: ガウタムを演じたウダヤニディ。このお方がブッダとは片腹痛いが。)

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・ミシュキンらしい映像の作りと音楽の使い方で、一定の満足感はあった。首ちょぱで、首なし遺体をさらすなど、本来は不快なイメージも、キモいとか怖いを超えた美しさがあった。いや、「美しい」と言えば語弊があるが、その思い切りの良さゆえ、ある種の美学は成立していたと思う。
 (写真下: サイコパスのアングリマーラ。)

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・ただ、脚本面には疑問が残った。サイコパスは何ゆえサイコパスになったのかという点で、どんな展開になるかわくわくしたが、結局は性に絡んだ虐待かと、いささかがっかりした(このテーマならガウタム・メーナン監督の【Nadunisi Naaygal】のほうが面白い)。上で「同情を禁じ得ない」と書いたが、果たしてインド人鑑賞者がこの映画を観て、あのサイコパスに同情できるかとなると、説得的ではないように思えた。何か足りない。足りないと言えば、アディティ・ラーオ・ハイダリ演じるダーギニーの心の動きも(対ガウタムも対サイコパスも)描き方が足りないように感じた。
 (写真下: アディティ・ラーオ・ハイダリ。あまりの美しさに、いっそ首を切られろと思わないでもなかった。)

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・ニティヤが偏屈な元警官を演じていたが、これが意外なコメディーポイントとなっていた。ところで、ニティヤはカンナダ映画【Mynaa】(13)と【Kanchana-2】(15)に次いで、三度目の身体障碍者の役になるが、監督及び製作者の皆さん、女優ニティヤについて何か誤解していませんか。
 (写真下: ロケ椅子にはちゃんと名前が書いてあるんですね。)

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◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

《 鑑賞データ 》
・鑑賞日 : 1月25日(土),公開第1週目
・映画館 : PVR (Vaga City),12:15のショー
・満席率 : 8割
・場内沸き度 : ★★☆☆☆
・英語字幕 : なし

《 参考ページ 》
https://en.wikipedia.org/wiki/Psycho_(2020_film)
https://www.imdb.com/title/tt9109976/

 

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