カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Bheemaa】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2008/02/07 21:11   >>

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 ウィクラム主演のタミル映画。
 いやぁ、ウィクラムの映画も久しぶりだなぁ。私は【Majaa】(05)は観なかったので、【Anniyan】(05)以来ほぼ3年ぶりだ。【Majaa】からでもほぼ2年のブランクになるが、大先生、一体どこで何をやっていたのだろう?
 もっとも、この【Bheemaa】は去年の今頃にはすでに近日公開みたいなことを言っていたのだが、延ばし延しになっていた。ヒット作【Saamy】(03)以来のトリシャとの共演、【Ghajini】(05)とほぼ同じ制作スタッフ(監督のLingusamyを除く)と、期待できる要素は多々あったので、非常に楽しみな1本だった。

【Bheemaa】 (2008 : Tamil)
物語・脚本・監督 : N.Lingusamy
出演 : Vikram, Prakash Raj, Trisha, Raghuvaran, Ashish Vidyarthi, Tanikella Bharani, Lakshmi Gopalasamy, Sherin
音楽 : Harris Jayaraj
撮影 : R.D.Rajasekhar
編集 : Antony
制作 : A.M.Rathnam

《あらすじ》
 チェンナイではペリヤワル(Raghuvaran)とチンナ(Prakash Raj)という2人のドンに率いられたマフィアが縄張り争いをしていた。
 シェーカル(Vikram)はチンナと同郷で、子供の頃、町のラウディーだったが正義心の厚いチンナを見て育ち、彼を英雄として崇めるようになっていた。
 シェーカルはペリヤワルの手下を一人生け捕りにし、手土産としてチンナの組を訪れ、仲間に入れてもらう。そして、持ち前のケタ外れの身体能力で、たちまち頭角を現すようになる。彼は暗黒街では「ビーマ」と呼ばれるようになる。
 シェーカルはある時、チャルー(Trisha)の家に舞い込み、拳銃を落として行ってしまう。チャルーはこの突然の来訪者に強い関心を抱く。
 ある日、土地の問題をめぐって、市場の人々がペリヤワル派のシヴァマニ(Tanikella Bharani)から嫌がらせを受けていたが、シェーカルはシヴァマニらを痛い目にあわせる。この功績でシェーカルはチンナの片腕として認められる。
 チンナは幼なじみのパドマニ(Lakshmi Gopalasamy)に恋心を抱いていたが、ヤクザ稼業をしている手前、結婚は諦めていた。しかし、そのことを知ったシェーカルらは、チンナとパドマニを結婚させることにする。
 その結婚式は賑やかに行われたが、突然、何者かの襲撃があり、仲間の一人が射殺される。この襲撃を組織したのはシヴァマニで、それを知ったシェーカルはシヴァマニを射ち殺す。
 ペリヤワルは復讐のため、ビルの建設現場でチンナを襲撃させる。チンナは瀕死の重傷を負うが、なんとかシェーカルが救い出し、一命を取り止める。
 チンナとシェーカルはペリヤワル本人を誘拐するが、脅しをかけた後、生きて家に帰らせる。
 これにペリヤワルの息子は逆上し、襲撃をかけるが、逆にシェーカルに返り討ちに合う。そこから激しい抗争が始まるが、大方、チンナ側の勝利に終わる。
 そんなとき、新しい警察署長(Ashish Vidyarthi)が就任し、マフィア一掃を宣言する。
 ところで、シェーカルはチャルーとしばしば会うようになり、恋仲になっていた。
 ある日、二人でコーヒーショップにいるときに、シェーカルは私服警官に包囲される。その時は難なく逃れることができたが、また別の日、チャルーのことで集中力を欠いていたシェーカルはへまをやってしまい、チンナを危険な目にあわせてしまう。シェーカルはしばらく暇をもらい、組を離れる。
 シェーカルの不在はすぐに警察とペリヤワル側に知れ渡る。ペリヤワルの一派は総攻撃をかけるが、シェーカルはチャルーを連れて、チンナの前に戻って来る。チンナは二人を祝福し、シェーカルにチャルーの首にマンガラスートラを結ばせる。シェーカルはペリヤワル一味を掃討することに成功する。
 その後、シェーカルはチャルーと共にアパートで暮らし始める。
 しかしある日、チンナとその部下はシェーカルを迎えにそのアパートまでやって来る、、、。

   *    *    *    *

 待たせた割には普通の出来だったかな、と。
 任侠道をひた走るヤクザが、堅気の女性を愛してしまったことにより複雑な状況に陥るという話。
 ストーリーは単純なのにあらすじの書きにくい作品で、見たままを書いたら上のようにだらだらと長くなってしまった。
 客観的に評価すると、期待外れの一本ということになるだろう。
 しかしながら、私はこの作品がけっこう気に入っている。
 全編の半分近くは殴るか切るか撃つかしているような映画だったが、見ていて心地好ささえ覚えた。おそらく、演技陣、裏方陣の質の高さが、映画としての一定の質をキープしていたのだろう。あるいは、作品のリズム感や暴力シーンの見せ方が私の波長と合っていたのかもしれない。
 ラストシーンについては、私は面白いと思ったが、意見の分かれるところだと思う。

◆ パフォーマンス面
 登場人物の描き方は良かったと思う。
 シェーカル(Vikram)は剛勇無双で動物のような男だが、チャルーへのプレゼントを何にしたらいいか分からず、ショッピングセンターでまごつく。また、ボスのためなら顔色一つ変えずに人を殺せる恐ろしい男なのに、敵であってもその妻が妊婦であることが分かると、射ち殺さない。このキャラにウィクラムがぴったりかどうか分からないが、完璧に演じていた。「ビーマ」はもちろんマハーバーラタの英雄を意識した命名。

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 チンナ(Prakash Raj)は人情味のある善玉のドンで、敵方のドンを殺せる位置にいても命を取らない。プラカシュ・ラージの好演が光り、脇役というより、もう一人の主役といったほうが適切だろう。

 ラグヴァラン演ずるペリヤワルも良かった。チンナらに誘拐された後、一人でとぼとぼオートリクシャに乗って帰るマフィアのドン、というのは面白かった。やはり、こんなふうに恐ろしさの背後に滑稽さが滲み出てこそ、インド映画の悪役というものだ。

 チャルー(Trisha)はヒロインだが、ヒーローをサポートするというより、足を引っ張るといった役回りだった。個人的にはこういう役柄はあまり好まない。トリシャは色気からすると今が絶頂期にあると思うのだが、またしても不本意な役柄だったと思う。

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 逆に目立っていた女優は、チンナの恋人・妻役のラクシュミ・ゴーパラサミという人で、がっちりした存在感が印象的だった。(古典舞踊家らしい。)

・満足度 : 3.0 / 5
 

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