カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Aramane】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2008/05/09 22:56   >>

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 カンナダ映画界のゴーーーーーールデン・スターーー、ガネーーーーーシュの新作。(伸ばしすぎましたか。)
 「Aramane」は「御殿」という意味。

【Aramane】 (2008 : Kannada)
監督 : Nagashekar
出演 : Ganesh, Anant Nag, Roma, Avinash, Tara, Karibasavayya, Tejaswini, Sumithra
音楽 : Guru Kiran
撮影 : Chandru
編集 : P.R. Soundar Raj
制作 : K. Manju

《あらすじ》
 舞台はマイソール。年老いたラージャシェーカル・アラス(Anant Nag)は、まるでパレスのような邸宅で人生に絶望したかのように暮らしていた。酒浸りで、話し相手といえば召使いのバスヤ(Karibasavayya)ぐらいだった。
 ある時、ラージャシェーカルは証明写真を撮るために写真屋を呼ぶ。やって来たのはアルン(Ganesh)という若者だった。だが、ラージャシェーカルは泥酔していた上に無精ひげ面だったので、撮影どころではなかった。
 2度目にアルンが訪れたときは、ひげも剃っており、撮影はうまくいく。一緒に酒を飲んでるうちに、ラージャシェーカルはアルンの人柄を気に入り、ある依頼をする。それはラージャシェーカルの家族全員の写真を撮るということだった。酔ったアルンは安請け合いするが、それは困難な任務だった。
 ラージャシェーカルには3人の子供がいたが、すべて別居していた。彼は早くに妻(Sumithra)を亡くしたが、彼女は死の直前に夫に再婚するよう懇願していた。彼はその遺志に従って再婚しようとしたところ、子供たちが反発して家を出てしまい、以来、詳しい消息が分からなくなっていた。
 3人の子供のうち、2人は海外在住だったため、アルンは長女のサーヴィトリ(Tara)を探すことにした。彼女の夫(Avinash)がバンガロール警察の総監だということで、彼はバンガロールまで赴く。
 アルンは難なくサーヴィトリを発見する。彼女にはニータ(Tejaswini)という大学生の娘がいたので、アルンはニータに接近し、彼女に祖父の存在を知らせる。ニータは喜び、電話でラージャシェーカルと話し、すっかり打ち解ける。
 次に、ニータにはギータ(Roma)という姉がいることが分かるが、彼女はマイソールの医科大学で勉強していたため、アルンはマイソールに戻る。
 アルンはギータを見つけ出す。そして、何度か彼女と会っているうちに、惚れてしまう。ところが、ギータには医者のヴィシャールという意中の人がおり、アルンは逆にギータにヴィシャールとの仲を取り持ってくれと頼まれる、、、。

   *    *    *    *

 OKです。

 この後、物語は、果たしてアルンとギータの関係はどうなるのか、ラージャシェーカルは子供たちに会えるのか、ということを焦点にしてクライマックスを迎える。
 大枠はばらばらになってしまったラージャシェーカル家の物語だが、それにアルンの恋の物語が絡み、情感豊かなドラマとなっている。
 「笑い」と「ハッピーエンド」を好むインド映画だが、「泣き」というか、「顔で笑って、心で泣いて」といった演歌的な情趣もけっこう好まれ、そんな作品にガネーシュのキャラはぴったりだ。【Mungaru Male】(06)ではガネーシュ自身が泣きすぎたので私は泣けなかったが、この【Aramane】ではメソメソせず、キザでもなく、ほどよい「我慢」がいじらしかった。ガネーシュの映画を見て初めて感動できた。このキャラをもっと磨けば、「サンダルウッドの寅さん」も行けるだろう。

 もちろん、アナント・ナーグの存在も大きい。
 役の重要度からして、もう一人の主役と言うべきで、実際、見せ場も多かった。
 私、いつもこの人の演技を見て、これは演技ではない、地だ、と思うのだが、もちろん作品によってキャラクターが全然違っているのだから地であるはずはなく、それだけ役作りがうまいということだろう。
 それにしても、【Mungaru Male】(06)といい【Gaalipata】(08)といい、アナント・ナーグとガネーシュのケミストリーの良さは何なのだろう? 本作でも、ラストで二人が目と目で語り合うシーンはなかなかなもの。こりゃあ、この調子だと、行く行く二人は「三國連太郎と西田敏行」みたいになるね。

◆ パフォーマンス面
 ガネーシュについてはもう詳述しないが、本作で面白かったのはお酒の飲み方。コリンズ・グラスになみなみとブランデーやウィスキーを注ぎ、まるでペプシを飲むみたいに飲んでいたが、ありゃ、バンガロールの若者たちに悪習を植え付けるね。
 (写真トップ:こんなでかい花束を渡してしまうところがガネーシュらしい。写真下:ソングシーンでのチャップリンの扮装。はっきり言って、似てません。)

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 ヒロイン、ギータ役のローマーは、マラヤーラム女優と言ってしまっていいのか疑問。
 初めて見たので、どんな役柄が得意なのか不明だが、知的でしっかり者といった印象があり、本作の医学生という設定にはよく合っている。
 図書館の司書といった雰囲気もあり、もしこの人が図書館のカウンターに座っていたとしたら、私、読めもしない洋書を借りちゃうな。(下:ガネーシュと。)

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◆ テクニカル面
 グル・キランの音楽は、レビューではあまり評判が良くない。確かにヒットしそうな感じではないが、映画の内容・雰囲気とはよく合っており、私は良かったのではないかと思っている。
 ただし、ラストでグル・キラン自身が出て来て歌うシーンがあるが、ありゃ、カッコよくなかったぞ、グル兄!

◆ 結語
 【Aramane】は、平凡な人情劇ぐらいにしか感じない人も多いかもしれないが、私は丁寧に作られた佳作だと思っている。監督のNagashekarはガネーシュの友人で俳優らしい。これが監督デビュー作ということだが、今後どういう方向に進むのか気になるところだ。舞台をマイソールにしたことも、落ち着いた雰囲気を出す上で、正解だったと思う。

・満足度 : 3.0 / 5
 

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