カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【King】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2009/01/22 03:15   >>

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 皆さま、遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
 日本への一時帰国からインドに戻り、ぼちぼち映画鑑賞も再開したところでございます。
 日本は寒く、しかも不況の嵐が吹き荒れる中、心身ともに冷え込んでしまいました。そんな凍て付きを解きほぐすにはパーッと賑やかなマサラ映画しかなく、ナグ様主演の【King】を新春第1弾に選んだ次第です。(そう言えば去年の1作目もナグさんの【Don】でした。)
 クリスマス公開のナーガールジュナ作品は当たる、というジンクスは真なのか、話題も客も集めている作品のようです。

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【King】 (2008 : Telugu)
物語 : Kona Venkat, Gopi Mohan
脚本・監督 : Srinu Vaitla
出演 : Nagarjuna, Trisha, Srihari, Mamta Mohandas, Chandramohan, Jayaprakash Reddy, Sayaji Shinde, Krishna Bhagavan, Geetha, Sudha, Brahmanandam, Sunil, Venu Madhav, M.S.Narayana, Deepak, Ajay, Dharmavarapu Subramanyam, Master Bharath, Anushka, Charmi, Genelia, Priyamani, Sneha Ullal, Kamna Jethmalani, その他
音楽 : Devi Sri Prasad
撮影 : Prasad Murella
編集 : M.R.Varma
制作 : Shiva Prasad Reddy

《あらすじ》
 コインバトールの王室でマハラジャが逝去し、長男のチャンドラ・プラタップ・ヴァルマ(Nagarjuna)が後を継ぐことになる。しかし、邪まな叔父たちは遺産を狙い、チャンドラ・プラタップ・ヴァルマを亡き者にしようと謀る。チャンドラ・プラタップ・ヴァルマはビジネス旅行に出かけた際に、秘書のスワプナ(Mamta Mohandas)に狙撃され、命を落とす。叔父のゴピ・モハン(Sayaji Shinde)は財産を独り占めしようと、もう一人の叔父、アッパジ(Jayaprakash Redd)を宮殿から追い出してしまう。
 ハイデラバードの一画をグニャーネシュワル(Srihari)というドンが仕切っていた。ある時、彼の縄張りにボットゥ・スィーヌ(Nagarjuna、二役)というヤクザが侵入してくる。グニャーネシュワルとスィーヌは対立するが、スィーヌが上がりの10パーセントをグニャネーシュワルに納めることで折り合いが付く。
 ある時、スィーヌはシュラーヴァニ(Trisha)という歌手志望の女性と出会い、ひと目惚れする。スィーヌはヤクザであることを隠して、シャーラットという名のソフトウェア技術者になりすまして、シュラーヴァニに接近する。やがて二人は恋仲になる。
 しかし、シュラーヴァニはグニャーネシュワルの妹だった。妹の恋人のことを知ったグニャーネシュワルは喜び、さっさと婚約させようとするが、相手がボットゥ・スィーヌだと知って憤慨する。だが、スィーヌは巧みにシャーラットを演じて、グニャーネシュワルを信じ込ませる。
 ほどなく二人の婚約が行われるが、グニャネーシュワルは間違って妹をボットゥ・スィーヌと婚約させてしまったことを知る。
 ちょうどそんな時に、コインバトールの王室関係者がスィーヌを目撃し、「キング」(チャンドラ・プラタップ・ヴァルマ)は生きていると信じ、誘拐しようとする。それを知ったグニャーネシュワルは、スィーヌを「キング」に仕立てて王室に放り込もうと考える。グニャーネシュワルとシュラーヴァニはスィーヌを誘拐し、王室に恨みを抱いていたアッパジに引き渡す。だが彼らは、誘拐したのはシャーラットだったと気付く。
 グニャーネシュワルとシュラーヴァニ、それにシャーラットとアッパジの4人は宮殿に乗り込み、「キング」(シャーラット)は銃撃の後遺症で記憶喪失になったという設定でドラマを演じることにする。チャンドラ・プラタップ・ヴァルマの母(Geetha)は大喜びし、「キング」を迎え入れる。
 しかしそこには、王室に恨みを抱くプージャ(Mamta Mohandas、二役)という女が、「キング」とその弟(Deepak)に対する復讐の機会を窺っていた、、、。

   *    *    *    *

 非常に込み入った、ややこしいストーリーだったが、なんとか見失わずについて行けた。
 辿り着く先は明らかなのに、そこに至るまであっち行ったりこっち行ったり、何度もヒネリ・どんでん返しがあり、最後の最後まで気が抜けなかった。
 さすがはスリーヌ・ヴァイトラ監督らしく、サスペンスとアクションとコメディの坩堝とも呼べる面白い作品だった。

 ヴァイトラ監督の前作【Ready】(08)と同様、本作も登場人物がやたらと多く、台詞は饒舌、コメディーもアクションもぎっしり詰まった贅沢な作りだ。しかも登場人物たちが策略で大掛かりな芝居を打つというトリッキーな筋運びも同様で、まぁ、ロジックという観点からするとあり得ん展開なのだが、そんなことお構いなしなスタンスが痛快だ。

 見どころはなんと言ってもナーガールジュナの一人二役だが、「キング」とヤクザのボットゥ・スィーヌの他に、スィーヌがソフトウェア技術者・シャーラットのフリもしていたので、実際には三役になる。特にスィーヌが状況に応じて本人とシャーラットを演じ分けているところが面白かった。
 (下:ヤクザなナグさん)

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 (こちらはソフトウェアなナグさん)

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 スリーヌ・ヴァイトラ監督作品といえば、他の映画からのパクリ、パロディー、オマージュがちらちら見られるのだが、本作でもいくつかあった模様。私は【Chandramukhi】しか気付かんかった。

◆ パフォーマンス面
 上に書いたとおり、ナグさんの三役(三相)がウリだが、それよりも私的には、ナグさんがふっ切れた感じで、勢いがあったのがうれしかった。
 ここ最近のナーガールジュナは、娯楽映画のヒーローとしてはどこか手詰まり感があって、低調な印象を受けたのだが、本作のナグさんはパワフルでカッコよかった。

 シュリハリの旦那も面白かったと思う。
 さる事情から画家の真似事をし、下手な絵を描くはめになるヤクザのボス、という設定は可愛かった。

 ヒロインのトリシャはいつものトリシャで、可愛くてコミカルでした。
 マムタ・モハンダースはキングの命を狙う謎の女という設定。むむむ、やはり彼女は悪女・曲者路線を突き進むのか?

 コメディー陣では、才能のない音楽監督、ジャヤ・スーリヤ役のブラフマナンダムが貫禄だが、本家本元の「シャーラット」の座をボットゥ・スィーヌの奪われてしまったスニルも気の毒だが笑えた。

◆ テクニカル面
 デヴィ・シュリー・プラサドの音楽は平均的だが、ダンス・シーンはまずまず。
 1曲、「キング」が宮殿に戻ったのを祝うパーティーでのダンス・シーンは物凄く、なにせトリシャとマムタ・モハンダースの他にジェネリア、プリヤマニ、チャルミ、アヌーシュカ、カムナー・ジェットマラニ、スネーハ・ウッラルの6人がカメオ出演する豪華さ。音楽のノリもよく、昇天ものだ。
 (写真下:美女に囲まれご満悦のナグ様だが、「あんさん、ちょっとは枯れなはれ」と言ってやりたい。)

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◆ 総評
 【King】は重量級の娯楽映画。心に残る感動巨編!というわけには行かないが、2時間50分、十分楽しめる作品だ。

・満足度 : 3.5 / 5

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
なんか正月らしい豪華絢爛な映画みたいですねー。
要チェックですかな
Piyo
2009/01/23 00:24
はい、豪華、のち絢爛、ときどきズッコケでした。
見て損はないですよ。
カーヴェリ
2009/01/23 14:21
ゲンちゃんとプリヤちゃんがカメオ出演!

マムター・モハンダースが悪女役で熱演!

う〜ん、ヒーローが羨ましい。

でもナグ様だから許す(w
赤員外
2009/01/24 18:43
赤さんの気持ちを考えて、ナグさん、ゲンちゃん、プリヤちゃんの3ショット写真は掲載しませんでした。
(しかし、ゲンちゃんの衣装とダンスはちょっと浮いてたと思います。)
カーヴェリ
2009/01/24 21:45
ご配慮痛み入ります。

こっちでもスチル見ましたが、いや、ナグ様はまさに三国一の千両役者ですね。

普通なら歯噛みギリギリの嫉妬丸出しになるのですが、何故かナグ様なら許してしまう、いや、ナグ様頑張って!と応援してしまいたいファンなのでした。

たしかにスチル見る限り、ゲンちゃんはずいぶん大人っぽく写ってますね。もともとサリーが似合わん子でしたが。

何にしても早く見たい!来週くらいバンガロールに現れたら映画館にご一緒して下さいね(笑
赤員外
2009/01/25 20:34
そりゃあ、もう、今いらっしゃれば、【Sasirekha Parinayam】もご覧になれますよ。
カーヴェリ
2009/01/26 00:37
おお、ゲンちゃん最後のサウス主演作品と噂される"Sasirekha Parinayam"ですか!

これは見たいような見たくないような…

ア様もご覧になったら是非レビューを読ませて下さいな。
赤員外
2009/01/26 12:07
ご案内いただきありがとうございました。
いやはや、面白かったです。テルグ語のみの鑑賞でしたが。
ナーガルジュナさん文句なしにかっこよかったですね。ブラフマーナンダムさんにすねを叩かれ泣くのを我慢してるところは可愛かった。
トリシャさんは、マフィアの妹って感じを出しててうまかったですね。捕まった兄貴の代わりに指示するところがよかった。
スリハリさんのへたうまな画家というキャラは得難いキャラでしたね。King復活の時の伏線になっているとは。サヤジシンデさんに微妙に似てるのが楽しかった。
ヴェーヌマーダヴさんはいつの間にかいなくなっていたのがさみしかったかしら。
お気に入りの悪役俳優のお二人、スプリートさんとアジャイさんが良い人役でよかった。特にアジャイさんには騙されました。
お話的には「Kantri」や「帝王」のようにどんでん返しのどんでん返しなので頭を少し使いますね。こちらのあらすじがたよりでした。
ナン
2013/10/06 20:06
>お話的には「Kantri」や「帝王」のようにどんでん返しのどんでん返しなので頭を少し使いますね。こちらのあらすじがたよりでした。

ぎょえ〜、実は上のあらすじは間違ってるんです。
字幕付きDVDで見て、間違いに気付いたので、直そう直そうと思いつつ、もう2年ぐらいほったらかしでした。今じゃ、どこが間違いだったかも忘れてしまったし、、、。

>スリハリさんのへたうまな画家というキャラは得難いキャラでしたね。

ところが、、、、ご存知だと思いますが、シュリーハリさん、死んじゃいました! 今月の9日のことで、癌だったらしいです。(瀑涙)
「Toofan」の激ヤセはダイエットとかの次元じゃなかったんですね。
 
カーヴェリ
2013/10/10 00:46
Srihariさんの訃報拙ブログでも書きました。
Srihariさんの訃報はブラフマージーさんのツイートで知りました。
最初は「悲しいニュースでとても悲しい」とおっしゃるだけだったのです。ふと、激やせしていたSrihariさんの顔写真が脳裏をよぎりました。いや、まさかな…。
と思いました。何があったのか?と聞いているツイートに「Srihariさんが亡くなった」とのリプを。そして続々とサマンタさんやソーヌスードさんスッバラージュさんなどが訃報をいたむツイートをなさっていて。
昨夜は故人をいたみ「Brindaavanam」を見ました。バヌ兄弟の和解のVachaduraの歌のシーンが一番キツかったです。
テルグ映画界は今年はとても大変な年になりましたね。
ナン
2013/10/10 06:43

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