カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Vettaikaaran】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2010/01/29 23:40   >>

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 皆さま、1月も終わろうかという時期にこんな挨拶もなんですが、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

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 さて、2010年の1発目はヴィジャイ主演のタミル映画であるが、実は鑑賞したのは昨年末の私の日本一時帰国直前のことで、もう1ヶ月以上前のことだ。その間、日本でもいろいろな出来事があり、バンガロールに戻った今、さて宿題を片付けようとしても、「ありゃ、どんな映画だったっけ?」と記憶喪失状態。キャスト表を見ても、シュリハリの名前があるのだが、「出てたっけ?」と来る始末。(実は重要な役だった!)
 そんな次第で、心許ないスタートとなってしまったが、その辺はご寛恕のほどを。

【Vettaikaaran】 (2009 : Tamil)
物語・脚本・台詞・監督 : B. Babusivan
出演 : Vijay, Anushka Shetty, Srihari, Salim Ghouse, Sayaji Shinde, Sanchitha Padukone, Sathyan, Ravishankar, Srinath, Cochin Haneefa
音楽 : Vijay Antony
撮影 : Gopinath
編集 : V.T. Vijayan
制作 : M. Balasubramanian, B. Gurunath Meiyappan

《あらすじ》
 トゥートゥクディに暮らすラヴィ(Vijay)は警察官志望の若者。彼はデーヴァラージ(Srihari)という狙撃の名手の警官に憧れていた。
 やっとこさ試験に合格したラヴィはチェンナイのカレッジで勉強することになる。出発のとき、彼は駅でスシー(Anushka Shetty)に出会い、一目惚れする。
 チェンナイでラヴィは、クラスメイトのウマー(Sanchitha Padukone)と親しくなり、学資を稼ぐために、彼女の父が営む会社のオート・ドライバーとなる。ラヴィはまたスシーとも再会し、彼女の祖母の家に出入りし、接近を図る。
 悪漢のチェーラ(Ravishankar)がウマーに目を付け、彼女と父を脅迫する。それを知ったラヴィはチェーラを叩きのめし、病院へ送り込む。
 だが、チェーラの父、ヴェーダナヤガン(Salim Ghouse)は警察にも影響力を持つ悪徳実業家だった。彼の指示を受けた悪徳警官(Sayaji Shinde)はラヴィを麻薬所持容疑で逮捕し、犯罪者にでっち上げる。
 スシーはラヴィを釈放してもらうために、警官デーヴァラージを探し出し、援助を請う。だが、彼はスシーの願いを無視する。
 護送車で運ばれるとき、ラヴィはなんとか脱走し、命からがら警察の追っ手から逃れる。彼はデーヴァラージの家に行くが、憧れの警官にかつての面影はなく、すっかり落ちぶれていた。デーヴァラージは以前にやり込めたギャングたちからの復讐に遭い、妻子が殺され、彼自身も盲目にされていたのである。
 ラヴィは単身でヴェーダナヤガンに立ち向かおうとするが、逆に彼が非常に強力なワルでことを知らされる。
 だが、ラヴィは攻勢に出る。学籍を剥奪されていたラヴィは、友人たちと‘Detective Agency’を作り、一つ一つヴェーダナヤガンの勢力を削いでいく。
 ヴェーダナヤガンも反撃に出、政治家になるべく選挙に立候補する。ラヴィは、その選挙活動の場にオートで乗り着ける。そして、手下の悪漢たちと大立ち回りを演ずるも、警官に取り押さえられてしまう。だが彼は、その場に盲目のデーヴァラージが銃を持って立っているのに気付く、、、。

   *    *    *    *

 観て腹が立つというほどでもないけれど、特に持ち上げどころもない、平均的な娯楽映画だった。近年のヴィジャイ作品の中でも下のほうの面白さじゃないだろうか。例によって公開前の話題と制作費の大きさからすると、期待はずれの感は否めず、ヴィジャイのファンならまずまず許せても、そうでなきゃ、「わざわざ観ることもなかったなぁ」で落ち着くだろう。

 タイトルの【Vettaikaaran】は1964年制作のMGR主演の作品から取られているらしいが、内容的には特に関係はないようだ。ただ、多少はオマージュのようなものがあるかもしれない。
 と言うよりも、各レビューを読む限り、そもそも本作は過去の複数のタミル娯楽映画からシーンを取ってきて、継ぎ合わせたようなものになっているらしい。鮮度に乏しいのはそのせいかもしれないが、まぁ、こんなことは珍しくないので、特に文句を言うつもりはない。むしろ、ラジニカント風のオーソドックスな娯楽映画に仕上がっていて、鑑賞後感は悪くない。

 監督のバブ・シヴァンは新人で、【Ghilli】(04)や【Kuruvi】(08)などのヴィジャイ作品も撮ったDharani監督の弟子に当たる人らしい。
 下手くそという印象はなく、むしろ新人の割に上手いほうかもしれないが、几帳面な性格なのか、ストーリーの作り方が慎重すぎて、伏線をきっちりと組んだりするものだから、結果的に映画全体がどってりと膨らんで、廻りの鈍いものになっていたように思う(第一、上映時間が長すぎるし)。
 私見では、こういう娯楽作品は「決め」となる部分が際立つようにストーリーを組むべきで、「決め」と「決め」の間の繋ぎは適当に飛躍しても構わないと思っている。本作にダルい印象を受けたのは、全体の中に部分(決めの部分)が埋没してしまったからではないだろうか。(この問題は近ごろのタミル映画によく感じることなのだが。)

◆ パフォーマンス面
 本作は部分的に面白いところが多かったのだが、それは結局ヴィジャイのパフォーマンスに尽きる。
 馬に乗るヴィジャイ、オートの運ちゃんなヴィジャイ、滝を飛び降りるヴィジャイ、火を噴くヴィジャイ、キラキラ若作りメイクのヴィジャイ、せがれと踊るヴィジャイなど、いろいろと楽しめたのだが、ウリのダンスでは「おおっ!」と声が出るようなものがなかったのは残念だ。

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 ヒロインのアヌシュカーさんについては、気の毒の一語しかない。
 彼女は実は【Rendu】(06)という作品でタミル映画デビューしているのだが、ほとんど注目されなかったようで、テルグ映画【Arundhati】(09)のタミル語ダビング版が当地でもヒットし、大注目を浴びての「再デビュー」という形になったのだが、ほとんど彼女らしさが活かされていなかった。またもやスベったと見ていいだろう。

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 その代わり私にとってうれしかったのは、カルナータカ州ウドゥピ地方パドゥコーネ村出身のサンチタ・パドゥコーネがセカンド・ヒロインで出ていたことだ。私は彼女が本作に出ているとはまったく知らず、スクリーンで見てびっくりした。
 サンチタさんは先日紹介したカンナダ映画【Raavana】でデビューしたばかりの新人女優だが、タミルのスーパー人気スター・ヴィジャイと共演したとあっては、もはやAクラス女優の仲間入りをしたと見ていいだろう。それかあらぬか、早速テルグ映画にも出演が決まったらしい(こちらの記事)。
 ちなみに、私は彼女のことを「ウドゥピの真珠」と命名してしまったので、皆さんもこの愛称でよろしく! (写真下の右)

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 脇役陣では、観た1ヶ月後には出演していたことすら忘れていたくせに、こんなことを言うのも気が引けるが、デーヴァラージ役のシュリハリがカッコよかった。ラストシーンのおいしいとこは彼が持って行ったかな?

・満足度 : 2.0 / 5
 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
レビュー忘れずにあげてくれてありがとうございます♪
わたしの場合はヴィジャイファンのため、カーヴェリさまとは違う感想だったりするのですが、ASIFOの際にもちょっとお話したとおり、日本人的には【Villu】の方が断然おもしろかったですね。プラブデーヴァーの監督としての才能、【Vettaikaran】を観て改めて確信しました(笑)

わたしもあと数日中には感想文を書こうと思います。
そのときはトラックバック送らせていただきます〜。
むんむん
2010/01/30 11:18
むんむんさん
コメント、ありがとうございます。

>レビュー忘れずにあげてくれてありがとうございます♪
いやぁ、すっかり忘れちゃっていましたよ。
思い出すのが大変で、、、。

>わたしもあと数日中には感想文を書こうと思います。
はい、楽しみにしていま〜す。
 
カーヴェリ
2010/01/31 02:13

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