カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Neethaane En Ponvasantham】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2012/12/24 02:44   >>

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 タミルのガウタム・メーナン監督は、私に言わせれば「猟奇映画の名手」なのだが(ぜひ【Nadunisi Naaygal】をご鑑賞あれ)、いつの間にやら「ロマンス映画の王様」と呼ばれるようになった。それと言うのも、【Minnale】(01)、【Vaaranam Aayiram】(08)、【Vinnaithaandi Varuvaayaa】(10)と、印象的なロマンス物を発表しているからであるが(特に【Vinnaithaandi Varuvaayaa】の成功が大きい)、同監督の新作【Neethaane En Ponvasantham】も純正ロマンスのようだ。
 主演はジーヴァとサマンタだが、本作はテルグ語版も同時製作/公開されており、そちらの題名は【Yeto Vellipoyindhi Manasu】で、ジーヴァに代わって主役はナーニとなっている(ヒロインのサマンタは共通)。

【Neethaane En Ponvasantham】 (2012 : Tamil)
脚本・台詞・監督 : Gautham Vasudev Menon
出演 : Jiiva, Samantha Ruth Prabhu, Santhanam, Vidyulekha, Ravi Raghavendra, Anupama Kumar, Ravi Prakash, Nani(特別出演), Ganesh Janardhanan(特別出演), その他
音楽 : Ilaiyaraaja
撮影 : M.S. Prabhu, Om Prakash
編集 : Anthony
制作 : Reshma Ghatala, Venkat Somasundaram, Elred Kumar, Jayaram, Gautham Menon

題名の意味 : 君は僕の黄金の春
カテゴリー : [U] [オリジナル] [ロマンス]
上映時間 : 2時間34分

◆ あらすじ
 ワルン(Jiiva)とニティヤ(Samantha)は子供の頃からの幼馴染み。二人は互いに愛着を抱いていたが、様々な事情によりくっついたり離れたり。
大学時代に二人は熱烈に愛し合うが、ワルンはMBAになるための勉強を開始し、ニティヤとの交際を棚上げにしてしまう。ミドルクラス出身の彼は、家族の期待に応えるために高い学歴が必要だったからである。
 3年後、学業を終えたワルンは、タミル・ナードゥ州南部の漁村で学校教師をしているニティヤを訪ねる。ワルンはニティヤに謝罪し、関係の修復を求めるが、ニティヤは拒絶する。
 5ヶ月後、今度はニティヤがチェンナイを訪れた際に、ワルンを呼び出す。実はニティヤは今もワルンを愛しており、よりを戻したいと思っていたのだが、ワルンから婚約者が決まったと告げられる、、、。

・その他の登場人物 : ワルンの友人プラカーシュ(Santhanam),ニティヤの友人ジェニー(Vidyulekha),ワルンの父(Ravi Raghavendra),ワルンの母(Anupama Kumar),ワルンの兄ハリーシュ(Ravi Prakash)

◆ アナリシス
・どこかのレビューに、本作を実生活でありふれた若い男女関係の物語とし、誰がお金を払ってまでそんなものを観たがるか、みたいな評があったが、私の目には本作に描かれたような出来事がインドの巷にありふれているとはとても見えなかった。

・しかし、ガウタム・メーナン監督が突拍子もない物語ではなく、あり得そうな、誰が体験してもそれほど不思議ではないようなラブストーリーを作ろうとしたのは間違いなさそうだ。ただ、監督の語り口は上手く、平凡な出来事を描いた割には面白く鑑賞できる。

・【Vinnaithaandi Varuvaayaa】では恋愛/結婚を阻む要因としてコミュニティー(宗教)の違いが描かれていたが、本作ではそういった社会的な問題性は取り上げられていない。その分、より一般性を増し、よりメロドラマ的になっている。

・猟奇映画作家とはいえ、ガウタム監督が「ロマンス映画の王様」とも呼ばれるに相応しいとすれば、ヤシュ・チョープラーやカラン・ジャウハルとは違ったロマンス映画の型を確立している点だろう。エゴ・クラッシュや本音と建て前の相克など、プロタゴニストの内面を描かせれば上手い。

・【Vinnaithaandi Varuvaayaa】ではテルグ語版の【Ye Maaya Chesave】とで結末をがらりと変えたせいで、本作でもワルン(Jiiva)とニティヤ(Samantha)は結局別れるのか、結ばれるのか、まるでサスペンス映画のように最後までハラハラした。

・私的に興味深かったのは、本作が10代半ばの「子供」の恋物語も大きく描いている点。タミル映画では【3】(12)もそうだったが、インド映画でもティーンエイジ・ラブがモチーフとして取り上げられる割合が増えているような気がする。

・衣装やメイクは自然だったが、かといって写実的に薄汚いというわけでもなく、非常に気を遣った跡が窺える。さすがに今観れば野暮ったく見える【Kuch Kuch Hota Hai】(98)の時代とは隔世の感がある。ちなみに、【Kuch Kuch Hota Hai】ではカージョールのショートカット・ヘアがエポックだったが、本作のニティヤはポニーテールで、こちらも新鮮に見えた。

◆ パフォーマンス面
・ワルン役のジーヴァは、役作りのためつるつるに髭を剃って、なお宇宙人っぽく見えたけど、意外に上手かった。鑑賞前はサマンタとのケミストリーが心配だったが、観てみるとそんなに悪くなかった。
 (写真下:テーマ曲を熱唱するジーヴァ氏。)

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・ニティヤ役のサマンタは十分可愛くて、グッド。ただし、ボディーランゲージは研究の余地あり。どうやら吹き替えは彼女自身がやっているようだ。
 (写真下:いやぁ、このポニーテールがたまらんかった。)

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・ニティヤの友人役ジェニーを演じたのはヴィデュレーカーという人らしい。学園物には必須のヒロイン引き立て役、素敵なおデブちゃんだった。

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・このヴィデュレーカーとサンターナムによる【Vinnaithaandi Varuvaayaa】のパロディー・シーンがあり、ふっと笑える。

◆ テクニカル面・その他
・音楽は以外にもイライヤラージャが担当している。良かったが、【Vinnaithaandi Varuvaayaa】のラフマーンの曲ほど鮮烈ではなかったし、BGMも押し付けがましいものを感じた。

・インターバルの前に嫌味なほど長い長回し撮影があった。

◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 2012年12月15日(土),公開第1週目
・映画館 : INOX (Jayanagar),10:00のショー
・満席率 : 90%
 

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