カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Gunde Jaari Gallanthayyinde】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2013/05/08 00:59   >>

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 世の中には予期しないこと、まったく期待しないことがしばしば起きるもので、ニティヤ・メーナンという女優がテルグ俳優ニティンと共演することなど考えもしなかったが、【Ishq】(12)が登場して、大ヒット。この時点でも、私は「よもや第2作はあるまい」と踏んでいたが、あらあら、本作の公開となった。
 ニティンはあまり好きな俳優ではないので、いかにニティヤが出演しているとはいえ、今回はパスしようと思っていた。しかし、封切後の評判が良く、またまた大ヒットしそうな流れなので、観ておくことにした。

【Gunde Jaari Gallanthayyinde】 (2013 : Telugu)
物語・監督 : Vijay Kumar Konda
出演 : Nitin, Nithya Menon, Isha Talwar, Ali, Thagubothu Ramesh, Madhunandan, Raghu Babu, Ahuti Prasad, Sudha, Duvvasi Mohan, Josh Ravi, Sandhya Janak, Arun Kumar, Jwala Gutta(特別出演), その他
音楽 : Anup Rubens
撮影 : I. Andrew
編集 : Prawin Pudi
制作 : Nikitha Reddy

題名の意味 : 心も軽やかに
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ロマンティック・コメディー
公 開 日 : 4月19日(金)
上映時間 : 約2時間25分

◆ あらすじ
 カールティク(Nitin)はソフトウェアのエンジニア。彼は自由な生活がしたくて、親元を離れ、一人でハイダラーバードで暮らしていた。彼はまた自分のことを超カッコいい男だと信じており、自分にぴったりの結婚相手を見つけようとしていた。
 そんな彼は、友人パーンドゥ(Ali)の結婚式の会場で美しい女性(Isha Talwar)を目撃し、一目惚れする。その女性はシュルティという名で、新婦側の知人だったが、カールティクは何も知らない。彼はパーンドゥに彼女の連絡先を調べるように頼む。
 幾日も経たないうちに、妻からシュルティの携帯番号を知らされたパーンドゥは、それをカールティクに伝える。しかし、この時誤解が生じ、カールティクは間違った電話番号を記録してしまう。彼は早速電話をかけるが、当然それは別の人物にかかる。
 電話に出たのはシュラヴァニ(Nithya)という女性で、彼女も自分を愛してくれる男性を探しているところだった。シュラヴァニはカールティクの話の内容から、Facebookの彼のページを見つける。そして、そこにあった顔写真を見て、彼に興味を抱く。カールティクは結婚式場で会った女性の名前を知らなかったので、シュラヴァニは自分のことを「バンガーラム」だと称し、彼と電話でのやり取りを続けることにする。そうしているうちに、シュラヴァニは本当にカールティクのことが好きになる。
 一方、シュルティのほうは、たまたまカールティクの同僚マドゥ(Madhunandan)と交際するようになっていた。そしてある時、ひょんなことから、カールティクは結婚式場で会った女性がマドゥのガールフレンドであること、しかも、彼女の名前がバンガーラムではなく、シュルティであることを知り、ショックを受ける。さらに、そもそもパーンドゥが教えてくれた携帯番号が間違いだったことも発覚する。落ち込んだカールティクはバンガーラム(シュラヴァニ)にそのことを伝える。また、パーンドゥも、携帯番号からシュラヴァニの住所を調べ、彼女に会って、直接事情を説明する。
 カールティクを愛していたシュラヴァニは失望する。しかし彼女は、シュラヴァニとバンガーラムのパーソナリティーを使い分けて、トリッキーなやり方でカールティクに接近する、、、。

◆ アナリシス
・典型的な「Comedy of Errors」型のストーリー。上手く仕組まれた脚本のおかげで、爽快なラブコメに仕上がっている。しかもエンディングは感動的で、気の利いたオチも付いている。

・映画の前半はカールティク(Nitin)の視点で進行し、彼の独り相撲、すなわち、バンガーラム(シュラヴァニ:Nithya)のことをシュルティ(Isha Talwar)だと思い込んでしまう「人物の取り違え」と「すれ違い」が軽快なタッチで描かれている。後半はシュラヴァニのほうに視点が傾き、事情を知ったシュラヴァニが彼女自身とバンガーラムの2人格を使い分け、カールティクに攻撃を仕掛けるという展開になっている。

・こういう「本人」と「電話での成りすまし人格」をモチーフとした作品はインド映画でも好まれるようで、近くではマラヤーラム映画の【Bodyguard】(10)のようなヒット作もある。しかし、こういうタイプの映画は、プロタゴニストのやり取りが主に電話を通してなので、ともすれば単調になりがちだが、本作では、上述のとおり、前半と後半で視点を変えることで、その問題を免れている。

・しかも、前半のニティンのバカ男ぶりも見ものだが、後半のニティヤの準二役演技が上手いので、ぐいぐい引き込まれる。セカンド・ヒロインのイーシャー・タルワール(シュルティ役)も単なる捨て駒ではなく、効果的に使われていた。

・ラブコメとして気楽に鑑賞できる作品だが、監督のスタンスはけっこう攻撃的。セリフには「ピー音」で消されている部分が多かったし、おっかないゲイ(Josh Ravi)も登場する。隠し味は「エロティック」で、おかげ様で本作の認証は「U/A」となっている。

・電話番号の取り違えは、シュルティの正しい番号は「9126123456」だが、パーンドゥ(Ali)がその下6桁を「One to Six」と伝えたために、カールティクが「One Two Six」と誤解したもの。ネタとしてはわざとらしいが、この「to」と「two」の取り違えは実生活でもよく起きることなので、特段作為的だとは感じなかった。

・作品中、なぜかパワン・カリヤーンへの関連付けが多かった。【Kushi】(01)のパロディーもあり、おかげでニティヤのぽってり腹も見られた。

◆ パフォーマンス面
・【Ishq】では「ニティヤのおかげで」といった感の強かったニティンだが、本作では、恐ろしいことに、一段進化している。このエジプトのミイラのように表情の乏しい男がまさかここまで芝居をするとは思わなかった。しかも、セリフの数は彼の通常作品の3倍はあったと思われるが、一応、セリフを覚える脳ミソもあるということが証明されたようだ。

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・ニティヤはナチュラルな役作りで、濃眉と縮毛を惜しげもなく披露してくれていて、良かった。ただ、メークアップが悪く、目の下の隈がはっきりと現れている場面があったのが悔やまれる。そして、、、またまた太った?

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・シュルティ役のイーシャー・タルワールは、映画では初めて見たが、テレビのCMではよく見ていた顔。とても好きになれるタイプの女優ではないが、本作の役柄には適したキャラクター。まさにボンベイ娘だというイメージだが、デビュー作がマラヤーラム映画の【Thattathin Marayathu】(12)というのが意外。

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・音楽シーンの1つに、元バドミントン選手のジュワーラー・グッターがカメオ出演している。あそこで彼女を使わなければならない必然性が分からなかったが、しかし、元スポーツ選手とは思えないだぶだぶ体型に、川縁おじさん、久々にビビビと来たぜ!

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・その他では、マドゥ役のマドゥナンダンという人が良い味を出していた。

・本作はコメディー映画だとはいえ、こういう新趣向の作品となると、専門のコメディアンが活用されるとは限らない。アリーはコメディアンとしてではなく、ストーリーに絡む役割で、それなりに面白かったが、彼本来の怪異なイメージからはほど遠い。ラグ・バーブなどは出て来る必要もないぐらいだった。

◆ テクニカル面・その他
・音楽はアヌープ・ルーベンスの担当。【Poola Rangadu】(12)と【Ishq】でも感じたが、彼の音楽は特に凄いわけではなくとも、シンプルで楽しい。BGMも良かった。タマンくんと並んで、この人はどうもトリウッドの新世代音楽監督の中心人物になりそうな予感がする。

◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 4月21日(日),公開第1週目
・映画館 : Chandrodaya,14:30のショー
・満席率 : ほぼ満席
 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
あのぽってり腹はニティヤのものではなく「吹き替え」らしいですよ。さっき本人に会ったらそう言ってたので間違いないです。

因みにイーシャー・タルワールの役はもともとスワティに行ってたようですよ。

どちらにせよ、川縁さん、残念でしたね。
メタ坊
2013/05/14 19:57
スワーティで見たかったとも思いますが、彼女がやるとキャラが立ってしまうので、あれはイーシャー・タルワールのようなモデル系美人でよかったんじゃないでしょうか。

ニティヤのぽってり腹に関しては、別所でも書きましたが、私はほぼ100%の確率で「ニティヤのウソ説」を奉じています。
カーヴェリ
2013/05/15 09:56

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