カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Balupu】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2013/07/12 21:51   >>

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 「スーリヤ獅子」の前に、これを観ておかないと、、、「くさやのラヴィテジャ」。

【Balupu】 (2013 : Telugu)
脚本・監督 : Gopichand Malineni
出演 : Ravi Teja, Shruti Haasan, Anjali, Prakash Raj, Ashutosh Rana, Adivi Sesh, Nasser, Brahmanandam, Ali, Brahmaji, Adithya Menon, Raghu Babu, Ajay, Shafi, Rao Ramesh, Jayaprakash Reddy, Satyam Rajesh, Srinivasa Reddy, Tagubothu Ramesh, Supreet, Fish Venkat, Prabhas Srinu, Sana, Rajasri Nair, Surekhavani, Veda, Lakshmi Rai(特別出演)
音楽 : S.S. Thaman
撮影 : Jayanan Vincent
編集 : Gowtham Raju
制作 : Prasad Vara Potluri

題名の意味 : 傲慢
映倫認証 : A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション
公 開 日 : 6月28日(金)
上映時間 : 約2時間30分

◆ あらすじ
 借金取り立て屋のラヴィ(Ravi Teja)はお人好しの父モーハン・ラーウ(Prakash Raj)と共にバンガロールに暮らしていた。父は早くラヴィに結婚してもらいたいと願っていたが、ラヴィには全くその気はなかった。
 シュルティ(Shruti Haasan)はローヒト(Adivi Sesh)との結婚が決まっていたが、残り少ない独身時代を楽しもうと、父(Nasser)が寄越した見張り役の叔父クレージー・モーハン(Brahmanandam)と一緒にいたずらに耽っていた。それは純朴な青年に気があるふりをして接近し、彼のリアクションを見て笑おうというものだった。
 ラヴィの友人(Satyam Rajesh)もシュルティのこのいたずらに引っ掛かり、ひどく傷付く。ラヴィはシュルティに思い知らせようと、純朴青年のふりをして彼女に接近し、あれこれ攻撃を仕掛ける。しかし、その過程で二人は相思相愛の仲になってしまう。
 ここぞとばかりに父のモーハン・ラーウはシュルティの父に会い、ラヴィとシュルティの結婚を申し出る。娘の気持ちが真剣なのを知ったシュルティの父はこの申し出を受け入れる。
 しかし、元々の婚約者ローヒトにしてみれば堪ったもんじゃない。ローヒトの母(Sana)はヴァイザーグでギャングのボスをしている兄のプールナ(Ashutosh Rana)に連絡を入れる。
 プールナは手下を率いて、ラヴィとシュルティの婚約式の会場に乱入する。だが、ここでとんでもない事実が分かる。実は、ラヴィとモーハン・ラーウは実の父子ではなく、ラヴィはシャンカルという名で、またモーハン・ラーウはナーナージーという名で、共にヴァイザーグで威力を振るったギャングのリーダーであった。当時、二人はライバル関係であったが、今はある事情からヤクザ稼業を封印して、バンガロールで親子のふりをして暮らしていたというわけであった。彼らがヴァイザーグにいたとき、プールナは長男のバーブジー(Ajay)をナーナージーに、二男のカーシー(Shafi)をシャンカルに殺されていたため、この2人を血眼になって探していた。当然、婚約式の会場で大乱闘が起きる。シャンカルはプールナの手下を蹴散らすが、しかしシュルティは拉致され、ナーナージーもプールナに刺されて、病院に運ばれる。
 不審がる友人たちに対し、シャンカルはヴァイザーグでの出来事を語って聞かせる、、、。

・その他の登場人物 : 医師アンジャリ(Anjali)

◆ アナリシス
・面白い。ホームのアーンドラ・プラデーシュ州ではすでにスーパーヒット宣言が出されているようであるが、なるほど、ぞろぞろと大衆を集めるに足る楽しさだ。

・ゴーピチャンド・マリネーニ監督は同じくラヴィ・テージャ主演の【Don Seenu】(10)でデビューした人だが、本作は【Bodyguard】(12)に次ぐ3作目となる。【Bodyguard】は観なかったので感触がつかめないが、【Don Seenu】と本作【Balupu】を見る限り、コメディー本位のアクション映画を撮りたい人のようで、シュリーヌ・ヴァイトラ監督を小ぶりにした感じ。

・ちょっと意識していなかったが、「Mass Maharaja」こと、ラヴィ・テージャは【Mirapakaay】(11)以来、2年半もヒット作がなかったらしい。しかし、本作のラヴィはその不振がウソのようにキレている。ゴーピチャンド監督はラヴィ・テージャのキャラクターを活かすのが上手い。

・ストーリー構成という点では【Don Seenu】のほうが複雑で凝っていたが、しかし全体的な面白さでは本作のほうが上だと感じた。小ネタが効いている。

・物語の舞台はバンガロール(現在)とヴァイザーグ(回想)で、インターバルからプレクライマックスまでど〜んと長い回想シーンがまとめて入る(上のあらすじではインターバルまで書いた)。この「バンガロール編」と「ヴァイザーグ編」でがらりと雰囲気が変わるのが面白い。

・ゴーピチャンド監督はバンガロールに土地勘があるのか、バンガロールのかなり細かな具体的な地名が出て来た。例えば、ジャヤプラカーシュ・レッディは「アショークナガル警察署」の警官、シュルティの家の所在地は「ジャヤナガル第4プロック」など。何でもいいから舞台をバンガロールにした、といった感じではなかったので、バンガロール在住の私としてはうれしかった。(しかし、カンナダ語はほとんど出て来なかった。)

・面白かったは面白かったが、観終わった後の満足度がやや低いのは、これまたクライマックスが弱いせいだろうと思う。クライマックスは変化を付けてきていて、ひと昔前のテルグ・アクションのように、敵役を叩き潰して終わり、というのではない。ある意味大人なエンディングだったのだが、その分カタルシスも期待できない。

・ブラフマーナンダムが『江南スタイル』のダンスをするのが面白かった。江南スタイルがインドでも知られているというのは数々の手掛かりから承知していたが、銀幕上ではっきりと「ガンナム、ガンナム」と歌い(?)ながら踊るのは初めて見た。

◆ パフォーマンス面
・本作のラヴィ・テージャはバンガロールのラヴィとヴァイザーグのシャンカルという違った2面(同一人物だが)が楽しめる。前者はお気楽二枚目半キャラで、後者は「傲岸不遜(Balupu)」の異名をとるヤクザだが、さすがは大衆大王、どちらもがっちり決めている。しかも、程よく臭みを発しているところが良い。小技(例えば、メガネの「純朴青年」のふりやバーラクリシュナの物まね等)も効いていて、スキなしといった感じだった。

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・ヒロイン、シュルティ役のシュルティ・ハーサンはアイドル的な役柄をそつなくこなしていたと言える。十分可愛いし、キャリアの割には能力的に高いものを持っているので、「私はボリウッド女優です」みたいな顔さえしなければ、もっと応援してやってもいいのだが。本人の意思はどうであれ、彼女のヒット作が【7aum Arivu】(11)や【Gabbar Singh】(12)など、もっぱら南の作品だというのは皮肉なことだ。

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・セカンドヒロイン、女医アンジャリ役のアンジャリは私にとって本作のオアシス。出番の短かったのが残念だが、それなりに持ち味は出ていたと思う。セリフはセルフダビング。彼女はゴタゴタ事件があって、いつ「女優廃業」ってことになっても不思議じゃないので、今のうちに見られるものは見ておかないと。

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・プラカーシュ・ラージもモーハン・ラーウとナーナージーという2面(同一人物だが)を巧く演じている。しかし、この程度の役なら彼にとっては朝飯前だろう。

・敵役(プールナ)のアシュトーシュ・ラーナーが良かった。
 その甥、ローヒト(シュルティのフィアンセ)役のアディヴィ・セーシュも悪くない。この人は本作のように「ハンサムだがせこい悪役」というのが似合いそうだ。(しかし、この人をヒーローにした映画が近々公開されるようだ。)
 シャフィーは相変わらず摩訶不思議な役柄だった。

・ブラフマーナンダム(その名もクレージー・モーハン!)はOK。アリー(医師役)はやや期待外れ。

・本作は登場人物がやたら多いが、多くは顔出し程度だった。例えば、スレーカワーニもヴェーダ(アルチャナ)も実に気の毒な使われ方だった。

・もう一つの特記事項は、本人役でカメオ出演していたラクシュミ・ラーイ。ますます目方をお増しになったようで、上半身の肉感にはひれ伏すほどの色気を感じたが、足の太さがシャキーラ並みというのには幻滅。(あ、もちろん洋楽ポップシンガーのシャキーラとは違いますよ。)

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◆ テクニカル面・その他
・タマンくんの音楽は平均的だが、コメディ・アクション映画には必要十分な出来。

◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 7月6日(土),公開第2週目
・映画館 : Movieland,10:30のショー
・満席率 : 2割
 

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カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2013/07/18 23:23
【Run Rajaa Run】 (Telugu)
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カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2014/08/07 21:04

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
観ました!
本当に…『Mirapakaay』以来ずっと酷い映画ばかりで『Saroccharu』に至っては「どうしちゃったんだろ」と思いましたが、今回「やっと!」の作品だったと思います。なんだかオールキャストのような出演陣でしたね。

いつも思うことですが、ヒロインのテルグ語ダビングはどうしていつもあんな声なんでしょうか、テルグ人男性の好みなんでしょうかね。頭にキンキン響いてかないません…私はアンジャリの気だるいハスキーヴォイスが結構好みです。

ところで3月の引っ越しに伴って映画製作村・映画関係者高級住宅地・プロダクションからは離れてしまいましたが、近々再び引っ越すことになり、時々顔を出している小さなレコーディング・スタジオが近くなります。レコーディング作業をしながら映画音楽制作の道を目指す人や、映画レビューを執筆しながらショートフィルムを撮り続けている人、音楽に従事している人など、20代から30代前半の人たちが出入りしている場所です。Ravi Tejaへの道はだいぶ遠くなりますが、少しでもテルグ映画製作の場に近づけると思うとちょっとわくわくします。

2013/07/15 10:26
コメントありがとうございます。
まだしっかりテルグ映画を観ていることが分かり、安心しました。

>ヒロインのテルグ語ダビングはどうしていつもあんな声なんでしょうか、テルグ人男性の好みなんでしょうかね。

良いダビング・アーチストがいないわけではないと思いますが、そういや、キンキン声でしたね。

アンジャリは自分でダビングしていますが、美声っていうのでもないですけど、なんか良いですよね。近ごろ南インド映画でもセルフダビングが増えているようなので(例えばニティヤ)、声優のあり方も変わっていくと思いますよ。

>少しでもテルグ映画製作の場に近づけると思うとちょっとわくわくします。

面白そうな所じゃないですか。ショートフィルムの作家がヒット作を作るということも南インドでは起きているので、意外な展開が待っているかもしれません。
業界とのパイプが太くなれば、そのうちひょっこりラヴィ・テージャと、、ってこともあり得ますよ。
 
カーヴェリ
2013/07/16 10:19

>まだしっかりテルグ映画を観ていることが分かり、安心しました。

はい。最新観賞テルグ映画は『Sahasam』です。今年はどうも余裕がないので小さな映画は観ることができませんが、安っぽいオカルト映画なのにヒットしていた『Prema Katha Chitram』は観ました。『Neeku Naaku Dash Dash』のヒロインが主演だったので観たかった作品です。

>近ごろ南インド映画でもセルフダビングが増えているようなので(例えばニティヤ)、

おお、そうでしたか。実はNitya Menonの声も結構好みです。若干鼻に抜けるような不貞腐れているのにちょっと低めの声が可愛いです。以前カーヴェリさんに教えてもらったチンマイという人の声もとても素敵ですが、個人的にはセルフダビングが増えるといいなと思います。

>ショートフィルムの作家がヒット作を作るということも

なんと!
現在スタジオへはたまーに顔を出してコーヒーを一緒に飲むぐらいですが、そのうち以前映画音楽にちょこっと参加した以上に、楽器面で何か協力できないかなと思っています。ラヴィ・テージャが凄く好きだとみんな知っているのでそのうち…なんて思ったりもしますが、「棚からぼた餅」はありませんから友人関係構築も含めて積極的に関わってみます。

2013/07/18 00:44
>『Prema Katha Chitram』は観ました。

私も観たかったのですが、物理的な理由で観られませんでした。

>個人的にはセルフダビングが増えるといいなと思います。

インド映画の場合、すべてセルフダビングというのは不可能ですが、徐々に増えると思いますよ。アンジャリもニティヤも以前はセルフダビングしていませんでした。

>なんと!

「Love Failure」とか「Pizza」とかの監督が短編映画作家だったと思います。
なんか楽しそうですね。泉さんが関与した映画はバンガロールでは公開されませんでしたが(されなかったと思う)、また面白い機会があったらいいですね。
 
カーヴェリ
2013/07/18 23:47

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