カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Aranmanai】 (Tamil)

<<   作成日時 : 2014/09/23 21:09   >>

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 先日のテルグ映画【Geethanjali】鑑賞記の中で言及しておいたが、「ホラー・コメディー」らしきタミル映画【Aranmanai】が公開されたので、早速観て来た。
 監督はスンダル・Cだが、日本ロケが話題になった前作の【Theeya Velai Seiyyanum Kumaru】(13)をご覧になった方なら、本作の公開も楽しみにされていたことであろう。もともとタミル映画界はローレンスの【Muni】シリーズや【Yaamirukka Bayamey】(14)など、笑えるホラーを楽しむ傾向があるようだが、このジャンルに娯楽派中堅監督のスンダル・Cがどう挑むか、注目したい。
 ただ、監督がスンダル・Cで主演がハンシカーなら、ホラーよりはよっぽどコメディーだろうと予想されたので、「これでほんまに怖かったら、ワシ、モヒカン刈りになったるで!」と周りのインド人に宣言して観に行った次第である。
 (写真下:ややや、幽霊が3トップで攻めて来るのか!?)

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【Aranmanai】 (2014 : Tamil)
物語・脚本・監督 : Sundar C.
出演 : Hansika Motwani, Vinay Rai, Andrea Jeremiah, Raai Laxmi, Sundar C., Santhanam, Kovai Sarala, Kota Srinivasa Rao, Manobala, Chithra Lakshmanan, Nithin Sathya, Saravanan, Swaminathan, Santhana Bharathi, Kadhal Dhandapani, Ganeshkar, Aarthi Ganeshkar
音楽 : Bharathwaj, Karthik Raja (BGM)
撮影 : U.K. Senthil Kumar
編集 : N.B. Srikanth
制作 : D. Dinesh Karthik

題名の意味 : 館
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ホラー・コメディー
公 開 日 : 9月19日(金)
上映時間 : 2時間41分

◆ あらすじ
 タミル・ナードゥ州のとある田舎に立つ無人の館がこの度売却されることになり、所有者の親族一同が館に集結する。その中にはイーシュワリ(Kovai Sarala)とその夫(Manobala)に息子(Nithin Sathya)、イーシュワリの兄(Chithra Lakshmanan)と娘のマーヤー(Raai Laxmi)、ムラリ(Vinay Rai)と妻のマーダヴィ(Andrea Jeremiah)、それに、庶子だが一応相続権がありそうな盗人のパールサーミ(Santhanam)たちがいた。
 一同は夜になるとそれぞれ奇妙な体験をするが、特にムラリの妻マーダヴィは不気味な気配に怯える。
 館売却に必要な書類が、保管してあった戸棚が水浸しになったために判読不能になる。それでムラリは新しく書類を作るために、おじと共に2日間館を離れることになる。マーダヴィは心細くなるが、そこへ弁護士をしている頼もしい兄のラヴィ(Sundar C.)がやって来る。妹の不安を聞いたラヴィは、館内にカメラを設置し、モニターで監視することにする。すると、確かにこの館内には何か奇怪な現象が起きているようであった。
 そんな時に、近所の池から男3人の死体が上がる。それはこの館を管理していた男たちで、最近姿が見えなくなっていた。ラヴィは前夜に館を訪れた行者を見つけ、話を聞く。行者は夕べ館で幽霊が男(3人のうちの1人)を殺すのを目撃した、その幽霊は女性に憑依していた、と証言する。行者はさらに僧侶に依頼し、亡霊を感知する玉子をラヴィに授ける。
 館で警察の事情聴取が行われる。ラヴィも玉子を持ってその席に立ち会う。一人一人が呼ばれても玉子は無反応だったが、最後に妹のマーダヴィが現れたとき、玉子は強く反応する。
 ラヴィは、この怪奇現象の背後にはどうもセルヴィという名の女性が関係していることを察知する。彼は近所に住むラミャという女性からセルヴィ(Hansika Motwani)について話を聞く、、、。

・その他の登場人物 : 僧侶(Kota Srinivasa Rao)

◆ ざっくりしたコメント
・ホラー・コメディーということで、「ホラー要素とコメディー要素が背中合わせ」になっているかどうかという点では、テルグの【Geethanjali】同様、旨みはない。やはり復讐物で、古くさい感じがし、画期的という点では20年前の【Manichitrathazhu】(93)のほうがよっぽど斬新なぐらいだ。

・ホラー面は全然怖くない。おかげでモヒカン刈りにするどころか、耳毛さえ刈らずに済んだ。これはホラー物ではなく、ファンタジー物として見たほうがよさそうだ。

・コメディー面は、さすがに私には正確な評価はできないが、タミル映画らしい、気取りのない笑いだと思った。幸いヴァディヴェールもいない。劇場内には腹を抱えて笑っている観客が多かった。コメディー映画としては成功しているようで、かなり客は集めるだろう。

・完成度としては中程度だと思うが、ただ、私的にはけっこう気に入っているし、一見をお勧めしたい。さすがスンダル・C監督は娯楽のツボを心得ていると思った。

・何と言っても、作品全体の基調となっているエキゾチックな雰囲気が良い。都合3回描かれるヒンドゥー教の祭礼/儀礼のシーンが神秘的で、土着的で、活力みたいなものも感じた。しかし、重苦しくなく、軽く、カラフルで、カッコよすぎる。

・タミル人によるホラー作品という点でも、スンダル・C監督の創造性を感じた。欧米系のホラー映画に出てくる「館」といえば、人里離れた鬱蒼とした森の中にある古ぼけた館が定番だが、本作の場合、明るい陽光の下、赤茶けた大地の上に立つ館で、晩には5つ星ホテルのようにライトが灯り、トラクターでちょっと走れば、近くには田んぼも町もあるという、あっけらかんとした所。こんな舞台設定で作られるホラー映画なのだから、これはもう「お米とココナッツとバナナの国のホラー映画」としか言いようがなく、これはやっぱりユニークと言えるだろう。

・改めてインドのホラー作品を俯瞰してみると、これも最近緩やかなトレンドとなっている「女性を主役にした映画」の一支流なのかな、という気がしてきた。

◆ 演技陣へのコメント
・ハンシカー・モートワーニー(役) ★★★★☆
 出番は実質後半からだが、インパクトはあった。がらっぱちな村娘の役だが、邪気のない感じが良かった。4つ星は評価が甘い気もするが、ハンシカーを見て初めて好印象を受けたので、今回はサービス。

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・アンドリヤ・ジェレミア(役) ★★★★☆
 これも4つ星はサービスしすぎだが、インパクトという点ではハンシカー以上だった。そう言えば、この人の顔をまじまじ眺めると、こういう役をさせたくなるなぁ。
 (写真下:夫役のヴィナイ・ライと。)

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・ヴィナイ・ライ(役) ★★☆☆☆
 特にコメントなし。

・コメディー担当はぞろぞろいて、それぞれ持ち味を出していたが、ヒロイン3人のうち「コメディー隊」に編成されてしまったラーイ・ラクシュミ(Lakshmi Rai改め)は気の毒だったかな。
 (写真下:もう誰が誰だか知りません!)

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・脇役陣では、スンダル・Cは亡霊の引き立て役に回っていて、悪くはないが、もうひと活躍してもよかったと思う。コータ・シュリーニワーサ・ラーウも、見てくれは凄かったが、結局凄いことはしていなかった。先日他界したダンダパニが出演していたが、まさかあれも幽霊?

◆ テクニカル面・その他(覚書)
・音楽 : バラドワージ ★★★☆☆
 音楽は特に良いとは感じなかったが、音楽シーンは楽しく作られている。カールティク・ラージャーのBGMはOK。

・撮影 : U・K・センティル・クマール ★★★☆☆
 「館」のシーンの撮影は、ハイダラーバードにあるモーハン・バーブが建てたセットで行われたらしい。その他、田舎のシーンはポッラーチで撮られた模様。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★★☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 9月20日(土),公開第1週目
・映画館 : Vision Cinemas,12:20のショー
・満席率 : 9割
 

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 私はミシュキン監督のファンであり、彼のことをインドで五指に入るほどの有能な映画監督だと思っているのだが(これは適当に言っているだけなので、他の4人は誰かと聞かないこと)、過去6作のうち映画館で観たのは【Yuddham Sei】(11)と【Mugamoodi】(12)だけだった。どうも巡り合わせが悪いようで、この新作【Pisaasu】も私の一時帰国中に公開され、鑑賞が危ぶまれたが、何とかバンガロールで持ちこたえてくれた。観逃したら観逃したで、DVDで鑑賞すればいいようなものだが、緻密な... ...続きを見る
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