カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Shivalinga】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2016/03/03 22:17   >>

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 今世紀に入って「死んだ」と言われていたカンナダ映画を復活させた作品として、【Jogi】(05)と【Mungaru Male】(06)の名前はよく挙げられるが、もう一つ、当然【Apthamitra】(04)を加えてもいい。周知のとおり、P・ヴァース監督の手になるブロックバスター作品だが、同監督は非カンナディガながら昔からカンナダ映画とは相性が良いようで、最近も【Drishya】(14)を大ヒットさせている。

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 そのP・ヴァース監督が、最近「ぬぬぬ」と言いたくなるぐらい不気味にヒット率を上げてきたシヴァラージクマールと組んだのがこの【Shivalinga】。「なぜ?」と聞かれると困るが、観ないと罰が当たるような気がしたので、観て来た。

【Shivalinga】 (2016 : Kannada)
物語・脚本・監督 : P. Vasu
出演 : Shivarajkumar, Vedhika, Shakthi Vasudevan, Vaishali Deepak, Urvashi, Sadhu Kokila, Vinaya Prasad, Avinash, K.S. Sridhar, Ashok, Malavika Avinash, Pradeep Rawat, 他
音楽 : V. Harikrishna
撮影 : P.K.H. Das
編集 : Suresh Urs
制作 : K.A. Suresh

題名の意味 : シヴァリンガ
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ホラー・サスペンス
公 開 日 : 2月12日(金)
上映時間 : 2時間31分

《 あらすじ 》
 ラヒーム(Shakthi Vasudevan)というイスラーム教徒の若者が夜行列車から飛び降り、死亡する。警察はこれを自殺と片付けるが、ラヒームの婚約者のサンギータ(Vaishali Deepak)は彼に自殺の動機が全く見当たらないとし、捜査局(CID)に再捜査を依頼する。再捜査には捜査官のシヴァ(Shivarajkumar)が当たることになる。
 ところで、シヴァはサティヤ(Vedhika)という女性と見合いをし、結婚したばかりだった。シヴァはマイスールに新居を購入する。実はこの家屋は墓地に隣接しており、シヴァは乗り気ではなかったが、ホラー映画が大好きなサティヤの希望で、引っ越しすることにする。
 ところが、新居での生活が始まるや、サティヤに異変が生じる。彼女はイスラーム教徒の少年の幻影に怯え、そうかと思うと、使用人に行き先も告げずに外出するようになったり、家のカーテンをすべて緑色にしたり、作ったこともないビリヤーニを作るようになったりする。そうこうするうちに、とうとうサティヤにラヒームの霊が取り憑いたようになり、シヴァは驚愕する。
 その一方で、シヴァはラヒーム事件の捜査を進めていた。関係者からの聞き取りにより、イスラーム教徒のラヒームとヒンドゥー教徒のサンギータが婚約するに至った経緯や、ラヒームが鳩レースに凝っており、サラという優秀な白鳩を飼育していたことなどを知る。また、事件当日の駅の防犯カメラ映像から、デーヴィッドという怪しい人物を特定し、ラヒームの死は自殺ではなく、殺害だと推理する。ところが、そのデーヴィッドを追い詰めたものの、そこへラヒームの霊に取り憑かれたサティヤが現れ、デーヴィッドを死に追いやってしまう。
 これで一件落着と思いきや、ラヒームの霊はまだサティヤから去る気配がなかった。シヴァはこの事件にはまだ裏があると推理し、さらに捜査を進める、、。

・その他の登場人物 : シヴァの母アナスーヤ(Urvashi),サティヤの母(Vinaya Prasad),サティヤの父(Ashok),ラヒームの父(K.S. Sridhar),サンギータの父(Avinash),イスラーム教の祈祷師(Pradeep Rawat)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・最近、カンナダ映画界でも世代交代が起ころうとしているようで、毎週金曜日には知らない監督、知らない俳優のナニコレ・ダレコレ作品がコンスタントに公開され、私も分からなくなっている。それはそれで良いことだと思うし、彼らをサポートしたい気もあるが、そんな状況で「P・ヴァ―ス監督、シヴァラージクマール主演!」なんて新作が登場したら、旧世代インド映画ファンの私としては、ホッとするものを感じる。本作はまさにホッとできる、安定の保守中道、マサラ娯楽仕様映画だった。インドの庶民には間違いなくウケるが、新感覚映画を観たい日本人ファンにはキツいかも。

・巷の評判はかなり良いが、しかし、私的には物足りなかった。良いところと悪いところのギャップが大きい。盛り込まれた娯楽ガジェットを検証すると、ストーリーと脚本はまずまず。アクション・シーンも面白いアイデアがあった。しかし、音楽シーンがかなりまずく、最初の1曲を除いて、出来も悪いし、挿入タイミングも悪い。「インド映画は突然歌って踊り出す」と嫌がられるタイプの見本のようだった。

・それでも私がほっこりとした気分になり、P・ヴァ―ス監督はさすがだなぁ、と思わせてくれた点は、脇役の使い方が上手いということだ。大衆的マサラ映画の成功の一つの鍵は「オバサマの使い方にあり」と私は信じているが、本作のウールワシさんとヴィナヤ・プラサードさんはよく効いていた。また、「コメディアンの使い方」も重要になってくるが、本作のサードゥ・コーキラはうまく使われていた。

・「ストーリーと脚本はまずまず」と書いたが、あくまでも「守旧型マサラ娯楽映画」、「P・ヴァ―ス監督作品」というスケールでの評価で、難しいことを言い出すと(難しいことを言う必要もないが)、かなり厳しい。とにかく、本作はホラーなのか、サスペンスなのか、ファンタジーなのか分からないようなごっちゃな作りで、それが魅力でもあるのだが、一つ一つが大味で、ユルい。この種のホラー・スリラーは南インドでも真っ盛りになった感があるが、結局似たようなアイデア、表現スタイルになってしまうので、早くも飽きてしまった。

・その1つの例が、なぜかこの種のホラー系作品は、物語が終わって一件落着と思ったら、土壇場で「幽霊の怨念はまだ鎮まらない!」みたいな、さも続編があるかのような閉め方をするものが多いのだが、本作もそうで、「またか」と思いながら映画館を出た。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・シヴァラージクマール(シヴァ役) ★★★☆☆
 勤勉なCIDオフィサーをかなり渋く演じており、好印象。しかし、やっぱり音楽シーンのこういう並びは今も体が受け付けないわ、アタシ。

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・ヴェーディカー(サティヤ役) ★★★☆☆
 昔は特に好きでもなかったのに、いつの間にか私のお気に入り女優になっていたヴェーディーカーさんだが、ついに来ました、幽霊憑依絶叫美女の役が。ま、タミルじゃ、ナヤンターラーもトリシャーもホラー映画に出る時代ですからね。

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・シャクティ・ヴァースデーヴァン(ラヒーム役) ★★★☆☆
 愛嬌のあるお兄さんで、誰だろうと思っていたら、P・ヴァース監督の息子だった。1本に繋がった眉をぴくぴくと上下に動かす表情が良かった。

・上で書いたとおり、ウールワシさんが人気テレビ司会者役で存在感を見せていた(しかし、なぜかテレビ出演しているシーンは全くなかった)。

・プラディープ・ラーワトがイスラーム教の祈祷師役でカメオ的な出演をしていたが、効いていた。

◎ 音 楽 : ★★☆☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★☆☆☆☆
・ハリクリシュナの音楽は悪くはなかったが、新鮮味はない。

・それより、ダンスの振り付けがつまらなく、せっかく踊れるシヴァンナとヴェーディカーを殺していた。

・例によって、音楽シーンの1つにP・ヴァ―ス監督が登場。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 美 術 : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 特殊効果 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・通りすがりの女性が金のネックレスをひったくられ、それをシヴァが取り戻すというアクション・シーンは面白かった。

◎ その他(覚書)
・1曲目の音楽シーンの撮影に使われた寺院はコーラール県にある「Kotilingeshwara」。ただし、シヴァリンガ(本作の題名でもある)と本作の内容は特に関係がないようだった。

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◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 2月28日(日),公開第3週目
・映画館 : INOX (JP Nagar),12:25のショー
・満席率 : 6割
・場内沸き度 : ★★★☆☆

 

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