カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Kalyana Vaibhogame】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2016/03/31 21:23   >>

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 ナンディニ・レッディ監督の【Alaa.. Modalaindi】(11)は、テルグのロマンス映画に新風を吹き込んだ秀作として知られているが、それ以上に重要な点は、ニティヤ・メーナンを人気女優に押し上げたことだろう。どちらかと言えばマイナーな存在で、本人からして本気で女優を続けるかどうかさえ怪しかったニティヤの才能を見抜き、ヒロイン女優としてブレイクさせたのがナンディニ・レッディだ。つまり、同監督と同作品がなければ、マニ・ラトナム監督の【O Kadhal Kanmani】(15)もなかったわけで、そう考えると、ナンディニ監督のインド映画に対する貢献度は高い。

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 さて、そのナンディニ監督の新作がこの【Kalyana Vaibhogame】。【Alaa.. Modalaindi】を見ても分かるとおり、ナンディニ監督は女優の魅力の引き出し方が実に上手い。本作のヒロインはマーラヴィカ・ナーイルだが、この可愛らしい新進女優がナンディニ・マジックによってどこまで輝けるか、注目したい。

【Kalyana Vaibhogame】 (2016 : Telugu)
物語・脚本・監督 : B.V. Nandini Reddy
出演 : Naga Shourya, Malavika Nair, Raj Madiraju, Aishwarya, Anand, Raasi, Pragathi, Pearle Maaney, (以下、カメオ出演)Dhanraj, Thagubothu Ramesh, Ashish Vidyarthi, 他
音楽 : Kalyan Koduri
撮影 : G.V.S Raju
編集 : Junaid Siddiqui
制作 : K.L. Damodar Prasad

題名の意味 : 結婚は祝祭
映倫認証 : U
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ロマンス/コメディー
公 開 日 : 3月4日(金)
上映時間 : 2時間38分

《 あらすじ 》
 シャウリヤ(Naga Shourya)はハイダラーバード在住のゲームデザイナー。彼の夢はアメリカに渡ってビジネスで成功することで、結婚のことなど今はまだ眼中になかった。しかし、祖母が病に倒れたのを受け、母(Aishwarya)がシャウリヤに結婚を急がせようとする。
 医科大を卒業したばかりのディヴィヤ(Malavika Nair)は、さらに博士課程で勉強するつもりでいた。また、若いころの夢を諦め、主婦をしている母(Raasi)のようにはなりたくないと思い、結婚のことは眼中になかった。しかし、政治家の父(Anand)は早く娘を結婚させたいと考えていた。
 それぞれの親に押され、シャウリヤとディヴィヤは見合いをすることになる。しかし、二人ははっきりと自分の意思を伝え、この縁談はお流れとなる。
 ところが、それぞれの親はそれぞれの息子、娘に矢継ぎ早に別の見合い話を持って来る。うんざりしたシャウリヤとディヴィヤは、一計を案じ、とりあえず親を納得させるために結婚し、すぐに離婚して、それぞれの道を歩もう、ということにする。
 二人は結婚式を挙げ、同じアパートで暮らすことになる。当然、法律事務所へ行って、離婚の申請もする。
 そんなふうに始まった二人の表向き結婚生活だが、ディヴィヤが次第にシャウリヤに惹かれるようになる。だがシャウリヤはアメリカから来たヴァイデーヒ(Pearle Maaney)という女性と親しくし始めたため、ディヴィヤは嫉妬モードに入る。
 そうこうしているうちに、シャウリヤのアメリカ行きの話が決まる。だが、彼が喜ぶのも束の間、好きだった祖母が他界してしまう。葬式のために親類が集まった際に、あろうことか、シャウリヤとディヴィヤが離婚申請していたことがディヴィヤの家族にバレてしまう。憤ったディヴィヤの父は娘を実家に戻し、本当に離婚させようとする。シャウリヤは今さら自分がディヴィヤを愛していることに気付くが、何もできない。彼はアメリカへ向けて出発しようとするのであるが、、。

・その他の登場人物 : シャウリヤの父(Raj Madiraju),ガウタム(Thagubothu Ramesh)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・ナンディニ・レッディ監督の第2作【Jabardasth】(13)は観ていないので何とも言えないが、ナンディニ・マジックといえば、【Alaa.. Modalaindi】に匹敵するぐらいのマジックはあった。

・なにせ、ストーリーらしいストーリーはなく、シャウリヤ(Naga Shourya)とディヴィヤ(Malavika Nair)の人物と背景をセットしたら、あとはプレクライマックスまで特に出来事らしい出来事もなく、1時間以上も話が淡々と進むだけ。この辺は言葉が分からないと困るはずだが、しかし作品全体のユーモア、爽やかさ、繊細さのおかげで、特に苦痛は感じなかった。

・女性監督らしい作品、と言うのは安易だが、やっぱりテルグの男性監督にはこれは作れない。シャウリヤとディヴィヤの物語だが、心情の描写が繊細に、本当らしく描かれているのはディヴィヤのほうで、そういった意味でディヴィヤ中心の物語だと言える。このディヴィヤの役と演じたマーラヴィカ・ナーイルがうまく溶け合っていて、実に良い。これがナンディニ・マジック。

・逆に、シャウリヤのほうはステレオタイプなテルグ・ラブコメ・ヒーローのイメージ内に留まっていて、あまり面白みがない。ナーガ・シャウリヤが演じなければならないという必然性もなさそうで、ナーニがやっても、ラームがやっても、特に違いはなさそうだ。

・ストーリー的には面白みがないのに、それで2時間38分のランタイムはダラダラしすぎ。はっきりとマイナスポイント。

・テーマ的には、親と子の二世代の結婚観のギャップを通して、今一度結婚について考えようというもので、それは面白い(ありきたりとも言えるが)。しかし、いくら現代っ子といっても、親の目を撹乱するために「結婚即離婚」なんてことを実行できるインド人がいるのかなぁ、と考えると、やっぱりリアリティーを欠く。

・このように、それほどよくできた脚本とも思えないのだが、それでも本作を評価したいのは、愛している、という感覚が繊細に描かれているからだ。特に体と体が触れ合ったときに感じる感覚、例えば、自分の手や頭の上に手を置かれたときとか、抱擁されたときとか、体が触れ合った瞬間に、「この人が好きなのかも」と気付く感覚がうまく映像化されている。こういう南インド映画も実は珍しい。

・最後に、本作が(【Alaa.. Modalaindi】と同様に)ユニークなのは、ラブストーリーといっても、ありきたりなセンチメンタル、ロマンチック、ドラマチックな結末を狙わず、どひゃ〜という展開になっていることだ。このクライマックスは賛否両論あると思うが、ナンディニ監督のセンスがよく表れている部分だと思う。

◎ 配 役 : ★★★★☆
◎ 演 技
・ナーガ・シャウリヤ(シャウリヤ役) ★★★☆☆
 本作を観る前は「ナーガ・シャウリヤって、誰?」という感じで、初めて見る人だと思っていたが、鑑賞後にうちへ帰って調べてみたら、な、な、なんと、【Oohalu Gusagusalade】(14)で見ているのだった! これはビックリ。同作品の鑑賞記の中でも「印象に残りにくい」とか「コンパクト・ハンサム」とかボロクソに書いているが、よっぽどインパクトがなかったのだろう。本作でもその印象は変わっていない。
 (写真下: たぶん音楽CD発表セレモニーのスチルだと思う。これを見る限り、それなりに濃ゆいのだが。ヒロインのマーラヴィカと。)

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・マーラヴィカ・ナーイル(ディヴィヤ役) ★★★★☆
 最近の私の課題は「私好みの美女を探せ」なのだが、とにかくタマンナー、ニティヤに続く逸材が出てくれない(ナスナスは引退状態だし)。これだと、何のためにインド映画を観ているのか分からない。そんな旱魃期に、このマーラヴィカの出現は大きいなぁ。実はそれほど美女ということでもないのだが、私好みの可愛らしさではある。女優知能指数も高そうで、これは期待だぞ。ナンディニ・レッディ、万歳! なお、テルグ語が母語ではないはずだが、セルフダビングしている。

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・マラヤーラム映画【Neelakasham Pachakadal Chuvanna Bhoomi】(13)でアフロヘアの女ライダーをやっていたパール・マーネーさん(カタカナ表記は当てずっぽう)がセカンド・ヒロインで出ていた。

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・ナンディニ監督はオバサマ女優の活かし方も上手いのだが、本作でもディヴィヤの母親役のラーシさんが良かった(写真下)。プラガティさんも、通常の母親役とは全く違ったイメージで、コミカルな役回りを担っていた。

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◎ 音 楽 : ★★★★☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★☆☆☆
・音楽シーンに関しては、出来にバラツキがあったが、結婚式のシーンはすごくきれいに撮られているし、その他に弾けるような爽やかな曲もあり、良かったと言える。

◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★☆☆☆

◎ その他(覚書)
・結婚式のシーンで、式場の控室でオバサマたちが胡坐をかいてカードゲームをやっている場面がやたら生々しくて、笑ってしまった。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 3月26日(土),公開第4週目
・映画館 : PVR (Forum, Koramangala),10:00のショー
・満席率 : 5割
・場内沸き度 : ★★☆☆☆

 

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