カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Chakravyuha】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2016/05/11 21:10   >>

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 日本ではファンの皆さまがスーリヤ主演のタミル映画【24】で盛り上がっているときに、私はとりあえずそれは次週以降に回すことにし、プニート主演のカンナダ映画【Chakravyuha】を片付けることにした。
 本作の話題は、タミル映画界から【Engaeyum Eppothum】(11)でお馴染みのM・サラヴァナンを監督として迎えていることで、音楽監督もS・S・タマンが就いている。つまり、非カンナダ系のスタッフによるものだが、何てことはない、本作はサラヴァナン監督自身の【Ivan Veramathiri】(13)の翻案ということだった。
 他の話題としては、NTRジュニアとカージャル・アガルワールがプレイバック・シンガーとして参加していることだが、これが凄いことなのかどうかは、私にはよく分からない。

【Chakravyuha】 (2016 : Kannada)
物語・脚本・監督 : M. Saravanan
出演 : Puneeth Rajkumar, Rachita Ram, Arun Vijay, Abhimanyu Singh, Rangayana Raghu, Sadhu Kokila, Bhavya, Sithara, 他
音楽 : S.S. Thaman
撮影 : Shanmuga Sundaram
編集 : M. Subarak
制作 : N.K. Lohith

題名の意味 : チャクラヴューハ(戦闘の陣形の一つ)
映倫認証 : U/A
タ イ プ : リメイク
ジャンル : アクション
公 開 日 : 4月29日(金)
上映時間 : 2時間4分

《 あらすじ 》
 カルナータカ州政府の法務大臣サダーシヴァイヤ(Abhimanyu Singh)が名門の法律大学を訪れ、学生の大臣推薦枠を10名から20名に増やせと要求する。だが学長は大臣の企みを見抜いていたため、大臣推薦で入学した学生の質の悪さを理由にその要求を拒否する。憤った大臣は法律大学の権威を失墜させ、市民の信頼を失わせるために、学内で暴動を起こさせる。これは大臣の弟オームカール(Arun Vijay)が扇動していた。土木技師のローヒト(Puneeth)はたまたまこの暴動を目撃し、けがをした学生の一人を病院に運び込む。この学生は輸血が必要だったが、血液型がOネガティブと珍しいものだったため、ローヒトはなんとかその血液型の人を見つけ出し、輸血してもらう。それはアンジャリ(Rachita Ram)という若い女性だった。(その後、二人は恋仲となる。)
 ローヒトの救出も空しく、その学生は死亡してしまう。だが、学生は息を引き取る前に、ローヒトに大学暴動の首謀者は法務大臣サダーシヴァイヤとその弟オームカールであることを告げる。ローヒトは嘆き悲しむ学生の母(Sithara)を見、義憤に駆られ、一個人としてサダーシヴァイヤとオームカールを罰する行動を開始する。
 まずローヒトはオームカールを誘拐し、建設中のビルの一室に監禁する。そして各テレビ局に法律大学の暴動は法務大臣とその弟が惹き起こしたものだと垂れ込む。大挙して押しかけるマスコミに対し、サダーシヴァイヤ大臣はこれは弟オームカールの仕業だと答え、彼が明日までに自首しなければ自分は大臣職を辞任すると約束する。しかしオームカールの所在はつかめない。サダーシヴァイヤに対する野党側の非難が強まり、結局彼は辞任を余儀なくされる。しかし世論はサダーシヴァイヤの逮捕に向けて高まり出す。そして、定年を間近に控えた警官のラグ(Rangayana Raghu)がサダーシヴァイヤを逮捕する。
 これを受けて、ローヒトはオームカールを解放する。だが、復讐に燃えるオームカールは、いくつかの手掛かりから、次第に自分を誘拐監禁した人物を特定し始める。彼はアンジャリがローヒトと恋仲なのを知り、彼女を誘拐し、ローヒトをおびき出そうとする、、。

・その他の登場人物 : ローヒトの母(Bhavya),サードゥ(Sadhu Kokila)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・私的には面白いと思ったし、批評家の評価も概ね高いようだが、どうもカンナダの一般鑑賞者の受けはいまいちなようで、口コミではあまり芳しい声を聞かない。わざわざ単館の劇場で観たのに、客の入りもガラガラで、それほど盛り上がらなかった。

・それはなぜか?を解明するのは難しいが、印象としては、これはやっぱりタミル映画で、カンナダ人のテイストには合っていないような気がした。タミル映画といっても、最近の新傾向のタミル映画のことで、つまり、大スター本位の大衆牽引型の映画ではなく、スターより脚本が主役、メッセージ色が強いが、それでいて娯楽映画のフォーマットは踏んでいるという映画のことで、サラヴァナン監督自身がそういう作品の作り手だと言える。で、それ自体に問題はないが、それをプニート・ラージクマールに当てはめようとすると、上手く行かないのかなと。プニートのイメージからすると、【Rana Vikrama】(15)のような、大味ではあるが、ブルドーザーのように悪を排除していく作品のほうが似合っている(ファンが期待する)のかなと。

・とにかく、映画全体としては面白くとも、プニートのスター・パワーが活用されていないのは事実だ。プニート演じるローヒトは、あくまでも地に足着いた「コモンマン」だったが、プニートならもう少し等身大を越えるヒーロー像のほうがいい。やっぱり、主役より悪役のアルン・ヴィジャイのほうがカッコよく見えてしまったというのは、どうも、、。

・ランタイムを見ても、元ネタの【Ivan Veramathiri】が2時間28分なのに対し、本作は2時間4分しかない。しかし、両作を見比べても、本作が特にシーンを減らして簡略化した感じでもない。つまり、サラヴァナン監督はカンナダ版をかなりスピーディーな作品に仕上げたわけだが、もっちゃりした映画を好むカンナダ人がこのスピード感に乗れるとは思えない。

・製作チームは、本作が【Ivan Veramathiri】のリメイクであることを否定している。確かに変更点が多く、コピー映画ではないが、テーマやストーリーの全体的な枠組み、重要なアイデアはオリジナルを踏襲しているので、やはりリメイクと言うべきだろう。しかし、変更されている部分は面白く、リメイクとしては改良だと言える。

・内容的には、社会悪に対して「コモンマン」は口を閉ざしたままでいるべきではない、というもので、分かりやすくて良い。ただ、テーマとなった法律大学の暴力事件というのは、実際にタミル・ナードゥ州(チェンナイやコインバトール等)では頻発している出来事だが、カルナータカ州ではその問題はほとんどない。なので、カンナダ人がこれをどれだけ切実な問題と受け止められるかは疑問だ。

・題名の「Chakravyuha」というのは、『マハーバーラタ』のクルクシェートラの戦いで用いられた陣形のことだが、迷路という意味にもなるらしい。しかし、それと本作の内容がどう関係しているかは分からない。ちなみに、カンナダ映画にはアンバリーシュ主演の【Chakravyuha】(83)もあるが、そこでは「チャクラヴューハ」は「賄賂」という意味で使われている。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・プニート・ラージクマール(ローヒト役) ★★★☆☆
 ドラマ、アクション、ダンスのすべてに申し分ない働きではあったが、フォワードの選手をミッドフィールダーで使ったようなもの。インパクトでは悪役のアルン・ヴィジャイのほうが上だった。
 (写真下: ヒロインのラチター・ラームと。)

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・アルン・ヴィジャイ(オームカール役) ★★★★☆
 目立っていた。オリジナルではヴァムシ・クリシュナがやっていた役だが、アルンのほうが上。【Yennai Arindhaal...】(15)で見たときはそれほど凄いとは思えなかったが、悪役として腕を上げたようだ。

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・ラチター・ラーム(アンジャリ役) ★★★☆☆
 意外に良かった。

・気の毒だったのは、法務大臣役のアビマンニュ・シン。アクションも何もない静的な悪役だったので、この男を起用したのはミスキャストだろう。

・シターラとバヴィヤの両オバサマは堅実な芝居で良かった。

・意表だったのは、警官ラグ役のランガーヤナ・ラグ。コメディアンの彼をシリアスな役で使っている(オリジナルではガネーシュ・ウェンカトラーマンが演じていた役)。この辺の変更が上手かった。

◎ 音 楽 : ★★★★☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★★☆☆
・冷静に聴けば、"Geleya Geleya"以外は大した曲でもないのだが、いつものハリクリシュナの楽曲ではないので、新鮮に聴こえた。

・その"Geleya Geleya"でNTRジュニアが歌っている。"Yenaithu"ではプニートとカージャル・アガルワールが歌っていたらしいが、全く気付かなかった。
 (写真下: こういう並びは今後もあるか?)

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◎ アクション : ★★★★☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 編 集 : ★★★★☆
・アクションは全般的に鋭くて良かったが、クライマックスの建設現場でのものが面白かった。

◎ その他(覚書)
・末筆ながら、エンディングの締めのナレーションはキッチャ・スディープだった。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★★★☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 5月7日(土),公開第2週目
・映画館 : Kamakya,11:15のショー
・満席率 : 2割
・場内沸き度 : ★★☆☆☆

 

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