カーヴェリ川長治の南インド映画日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 【Abhinetri】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2016/10/13 19:41   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 1 / コメント 2

画像

 【Idolle Ramayana】の次は【Dana Kayonu】と、プリヤちゃん2連発と行きたかったが、客席の埋まり具合から判断して、どうもテルグ映画【Abhinetri】がフロップに終わりそうな気配だったので、まずこちらを優先した。
 出演がプラブデーヴァー、タマンナー、ソーヌー・スードと面白い並びだったし、どうやらホラー映画っぽかったが、A・L・ヴィジャイ監督なら一味違ったものを見せてくれるだろうという期待もあった。
 周知のとおり、本作はタミル語、テルグ語、ヒンディー語のトリリンガル作品。本当のことを言うとタミル語版の【Devi(L)】を観たかったが、目下「カーヴェーリ川問題」でカルナータカ州でタミル映画が上映自粛となっているので、やむを得ずテルグ語版にした。

【Abhinetri】 (2016 : Telugu)
脚本・監督 : A.L. Vijay
台詞 : Kona Venkat, Sathya
出演 : Prabhu Deva, Tamannaah, Sonu Sood, Murali Sharma, Saptagiri, Joy Mathew, Hema, Prudhviraj, Sathish, Farah Khan(特別出演), Amy Jackson(特別出演), 他
音楽 : Sajid-Wajid, Vishal Mishra, Gopi Sundar (BGM)
撮影 : Manush Nandan
編集 : Anthony
制作 : M.V.V. Sathyanarayana

題名の意味 : 女優
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ファンタジー
公 開 日 : 10月7日(金)
上映時間 : 2時間7分

《 あらすじ 》
 クリシュナ(Prabhu Deva)はムンバイの広告会社に勤めるエリート社員だが、34歳になってもまだ結婚できないでいた。それもそのはず、彼はド田舎出身というコンプレックスからか、英語が話せる超モダンな女しかターゲットとしていなかったからで、すでに32回振られていた。しかし、彼の野望は思わぬ形で潰えてしまう。田舎の祖母が危篤状態となり、そのたっての希望により、クリシュナは同じ村の田舎娘デーヴィ(Tamannaah)と結婚させられてしまったのである。
 クリシュナはムンバイにデーヴィを連れて帰るが、この結婚が知られるのを恐れ、安アパートに引っ越す。そして友人(Saptagiri)と一緒にデーヴィに意地悪をし、彼女を田舎へ帰らせようとする。
 しかし、このデーヴィを巡って思わぬ展開となる。テルグ映画祭の授賞式がムンバイで行われることになり、クリシュナも招待される。これにはなぜかデーヴィも出席したがったため、二人で参加する。ところが、パーティーの場で、野暮ったいはずのデーヴィがまるでトップ女優のような姿でダンスを披露したのである。
 このデーヴィの姿は人気スターのラージ・カラン(Sonu Sood)の目に留まる。翌朝、早速ラージ・カランのマネージャー(Murali Sharma)がクリシュナの部屋にやって来、デーヴィをラージ・カランの映画に出演させるよう依頼する。クリシュナは断るが、なぜかデーヴィは関心を示す。
 この出来事の前後から、クリシュナはデーヴィに異変が起きているのに気付く。時折、全く別人のように振る舞うため、始めは躁うつ病を疑うが、調べるうちに、以前このアパートに住んでいたルビーという若い女がこの部屋で自殺していたことが分かる。クリシュナはルビーの霊がデーヴィに憑依しているのかとも推測するが、果たしてその通りだった。ある夜、クリシュナはデーヴィの口を通してルビーの霊と話す。それによると、ルビーは女優志望だったが、夢破れて自殺をしたものの、執心が残り、デーヴィの体を借りてヒロインとして映画に出演しようと企んだのであった。クリシュナは映画撮影が終わったならデーヴィの体から去るようにとルビーに約束させ、1回だけ映画出演を認める。
 クリシュナはマネージャーとなり、デーヴィがラージ・カランの映画に出演する契約を結ぶ。しかし、デーヴィにぞっこん惚れてしまったラージ・カランは、デーヴィと映画共演者以上の関係になろうと求める、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★☆☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・面白い映画だったが、わくわくしたのは後半の始めのほうまでで、かなり尻すぼみ感のある作品だった。残念作。

・ホラー映画として見ると(結果的にホラー映画の範疇に入らない作品だということが分かったが)、南インド映画のトレンドのホラー・コメディーとはずいぶん違っていて、ユニーク。なにせ幽霊(ルビー)が一度も姿を現さない。おかげで、漆喰にヒビが入ったようなお化け顔を見ることも、「ギャー!」なサウンドを聞くこともなく済んだ。

・プラブデーヴァーがコミカルな(しかもカッコいい)役回りで良かったし、田舎娘と女優の間を面白いようにシフトするタマンナーも素晴らしかったし、お化け屋敷と化したアパートの部屋の見せ方も楽しかった。このノリでクライマックスにひと山作ってくれていたら、傑作になったと思うのだが。

・類作があるというのもマイナス点かな。女優と幽霊ということなら、ヒンディー映画【Om Shanti Om】(07)とどうしても比べてしまうし、テルグ映画ならつい最近【Nayaki】(16)が公開されたばかりだ。(ま、【Nayaki】よりよくできていると思うが。)

・しかし、本作にあまり満足できなかった理由は、どうも私が筋書きを読み違えていたからだったように思う。南インドのホラー映画というとつい「復讐物」だと思い込んでしまい、しかもキャストを見るとソーヌー・スードがいるもんだから、てっきりルビーの霊が自分を手籠めにしたラージ・カランに復讐する話だと読んでしまい、さてどんな殺し方かなと楽しみにしていたら、拍子抜けな終わり方だった。いや、先入見というのはいつも気を付けなければならない。

・この映画は、ルビーの復讐譚とかいうのじゃなく、クリシュナがルピー及びラージ・カランからデーヴィを取り戻すのがストーリーの進路だった。そのルビーとラージ・カランの間で、あたふたと動き回るプラブ・デーヴァー(クリシュナ)が面白いのだった。

・さらに言うと、たぶん本作のテーマは、夫婦愛を確かめるというソフトなものだったと思う。何らかの理由で望まぬ結婚を強要され、ためにその配偶者がちっとも好きになれず、辛くあたるけれど、いろいろな出来事を経て、実はこの配偶者を愛していたんだと気付く、そんな物語もインド映画では定番だ。本作はホラー映画の体裁を取っているが、内容的にはタミル映画の【Mouna Ragam】(86)とかヒンディー映画の【Hum Dil De Chuke Sanam】(99)に近い。最終的には英語のできる超モダン女じゃなく、牛の乳搾りをしていた田舎娘を取るなんて、超素晴らしいじゃないか!

◎ 配 役 : ★★★★☆
◎ 演 技
・プラブデーヴァー(クリシュナ役) ★★★☆☆
 プラブデーヴァーのパフォーマンスの評価はどうでもいい。久々にこのお方のダンスと笑顔が見られただけでうれしかった。
 (写真下: スチルを見る限り変てこだが、この音楽シーンはカッコよかった。)

画像

・タマンナー(デーヴィ/ルビー役) ★★★★☆
 素晴らしかった。イケイケ女優のほうは普通だったが、田舎娘のほうに見るべきものあり(やっぱり白すぎるのが気にかかったが)。

画像

・ソーヌー・スード(ラージ・カラン役) ★★★☆☆
 どう見ても地方映画界のスター、テキトーに安もんくささが出ているところが良かった。

画像

◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★★★☆
・音楽はサージド-ワージドとヴィシャール・ミシュラーの担当(ヴィシャール・ミシュラーについては知らない)。割と良かったかな。BGMはなぜかゴーピ・スンダルがやっていたらしい。

・1曲目の音楽シーンだったと思うが、数台のロイヤルエンフィールドを馬に見立てて、馬車(そこにプラブデーヴァーが乗っている)を牽くのが面白かった。

◎ 美 術 : ★★★★☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 特殊効果 : ★★★★☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・視覚系はかなり良かった。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 10月10(月),公開第1週目
・映画館 : Gopalan Cinemas (Bannerghatta Rd),13:15のショー
・満席率 : 3割
・場内沸き度 : ★★★☆☆

 

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
【Vanamagan】 (Tamil)
 タミルのA・L・ヴィジャイ監督は割と常識的なヒューマンドラマの作り手だと思い込んでいたら、前作の【Devi(L)】(16)はホラーコメディーだったので、驚かされた(さすがに含蓄のあるホラーコメディーだったが)。ところが、今度はさらに異色っぽいターザン映画のようなものを撮ったらしく、これは観ずばなるまいと思った。 ...続きを見る
カーヴェリ川長治の南インド映画日記
2017/06/29 20:40

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。ご紹介ありがとうございました。
この映画はタマンナさんのFacebookでも(Devi-(L)と言うタミル語のタイトルで)盛んに写真とか動画とかを出していて、その中でもタマンナさんの“Kokka Makka Kokka”のダンスシーンがキレッキレだったので、是非見てみたいと思っています。
上のポスター画像はいかにもインド風というか、若干、荒木飛呂彦のスタンド攻撃風ですね(笑)。もう一つのポスターではタマンナさんがインドの国旗を彷彿とさせる色のサリーを着こなしていて、こっちの図柄のほうも好きです。絵になる女優さんだわ〜素晴らしい〜。
よっぴい
2016/10/14 22:52
このポスターですか。
https://www.facebook.com/Tamannaah/posts/1007974979322740:0
なるほど、インド国旗というのは気が付きませんでした。

ダンスのリハーサル風景の動画も可愛いですね。
 
カーヴェリ
2016/10/15 09:33

コメントする help

ニックネーム
本 文
【Abhinetri】 (Telugu) カーヴェリ川長治の南インド映画日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる