カーヴェリ川長治の南インド映画日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 【Gautamiputra Satakarni】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2017/01/25 21:11   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

画像

 さぁ、カンナダ俳優、ラメーシュ・アラウィンド100本記念作品の次はテルグ・スター、バーラクリシュナの100本記念作品ですよ。
 バラクリが紀元2世紀のデカン地方で栄えた王朝の王シャータカルニを演じる甲冑物ということで、それだけでも痛いもの見たさの好奇心が刺激されるが、監督があのクリシュ(ラーダー・クリシュナ・ジャーガルラムーディ)。バラクリの割と軽っぽそうな脳ミソとクリシュ監督の重たそうな脳ミソのケミストリーやいかに?と、ほぼ予想不可能なところへ、あのお方、「短足、太っ鼻、ほうれい線イケメン」のシヴァラージクマールが特別出演するということだから、もう「あたしゃ知〜らない」のレベルになっていた。

【Gautamiputra Satakarni】 (2017 : Telugu)
脚本・監督 : Krish (Radha Krishna Jagarlamudi)
台詞 : Sai Madhav Burra
出演 : Nandamuri Balakrishna, Shriya Saran, Hema Malini, Kabir Bedi, Milind Gunaji, Tanikella Bharani, Subhalekha Sudhakar, Siva Krishna, Ravi Prakash, Farah Karimaee, Master Snehit Chowdary, Shivarajkumar(特別出演), 他
音楽 : Chirantan Bhatt
衣装 : Neeta Lulla
美術 : Bhupesh Bhupathi
アクション : Ram - Laxman
撮影 : Gnana Shekar V.S
編集 : Suraj Jagtap, Rama Krishna Arram
制作 : Y. Rajeev Reddy, Jagarlamudi Saibabu

題名の意味 : ガウタミの息子シャータカルニ王
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : 歴史ドラマ
公 開 日 : 1月12日(木)
上映時間 : 2時間15分

《 あらすじ 》
 紀元2世紀初頭、デカン地方を支配するサータヴァーハナ朝のシャータカルニ王(Balakrishna)は、幼少期より諸王国を統一して一大帝国を築き、平和な世を創出するという大志があった。そのために王は戦争に明け暮れる日々だった。王には妃のヴァシシュティ(Shriya Saran)と2人の息子がいた。また、母はガウタミ・バーラシュリー(Hema Malini)だった。
 ある夜、王と妃はカーラハスティーシュワラ(Shivarajkumar)の語る王自身の物語を聴く。だが、それは不吉な内容だったため、妃のヴァシシュティは戦争に長男のプルマーウィ(Master Snehit Chowdary)を同行させることを拒む。
 シャータカルニ王は強力なクシャハラータ朝と戦争を行うことになる。クシャハラータ朝の王ナハパーナ(Kabir Bedi)は、もしサータヴァーハナ朝が敗れたなら、シャータカルニ王の長男プルマーウィを人質に出すよう要求していた。戦争は激しさを極めたが、シャータカルニ王の超人的な働きでサータヴァーハナ朝が勝利し、ナハパーナ王は斬首、プルマーウィに危害が及ぶことはなかった。
 その後、シャータカルニ王はプージャーを行い、母にこの上ない敬意を捧げる。
 その頃、西方よりディミトリウス率いるギリシア勢力がデカンの地を窺っており、シャータカルニ王の命を脅かしていた。やがてその衝突は全面戦争へと発展する。だが、戦闘前夜にシャータカルニ王は罠にはめられ、毒を盛られて病に伏す。しかしサータヴァーハナ朝の士気は衰えず、ギリシア軍と勇猛に戦う。ここに病より回復したシャータカルニ王も加わり、王の神懸かりな働きにより、ディミトリウスとギリシア軍を打ち倒す。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★☆☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・字幕なしで観たので、細部がよく分からない。王朝名とか人名とか、ウィキペディア等を参照にしてあらすじを書いたが、映画本編では上のように言っていなかったようにも聞こえた。

・私はいわゆる甲冑物、歴史物の映画を苦手としていることは何度か書いてきたが、本作は不思議とあくびをすることもなく、重々しさを感じることもなく観ることができた。理由はよく分からないが、要はラニングタイムが短かったのがよかったのかもしれない。

・そのとおり、本作は一見歴史大作のように見えて、実は小作である。偉大な王の半生をその時代背景と共に大河ドラマ的に描くというより、むしろ平和とか家族愛とかが主題の作品だったように見えた。

・主人公の「ガウタミープトラ・シャータカルニ王」についてはこの映画を通して初めて知った。デカン地方を初めて統一したアーンドラの王という事績を見る限り、めちゃめちゃ偉大で有名な王様のように思えるが、どうやら現地人にもそれほどよく知られていない人物らしい。だが、先日の【Vangaveeti】鑑賞記でも似たことを書いたが、そういう人物の話を比較的リアルに見せてくれただけでも、クリシュ監督に感謝したい。

・ただ、時代考証とかに関しては鵜呑みにできない部分も多いだろう。なにせ2千年近く前の時代の話だし、史料もほとんど残っていないということだから、傍証と想像力に頼る部分がほとんどだろう。しかし、その割にはよくできているようで、本作を観たS・S・ラージャマウリがクリシュ監督に最大限の賛辞を送っている(こちら参照)。

・私的には、登場人物の衣装類、建築物の様式、戦闘の様式などの正確さについては問うつもりはないが、唯一ツッコミを入れたいのは、あのシャータカルニ王の「内股叩き」。ありゃ、あの時代にはやらなかっただろう(いや、やったかも)。

【Kanche】(15)に続いて歴史ドラマを発表することとなったクリシュ監督だが、今回は古代アーンドラの英雄をテーマにしたということで、クリシュ監督の意図が気にかかる。単純には、「アーンドラとは? テルグ人とは?」という民族的な問いかけが想像されるが、映画本編を見る限り、そうしたローカルな民族意識は二の次のように見えた。もちろん、テルグ人を称揚する部分も多少はあったが、そもそも【Gamyam】(08)にしても【Vedam】(10)にしても【Kanche】にしても、コミュニティーを超えた汎人間的な世界観を描いてきたクリシュ監督のこと、「アーンドラ」というよりはむしろ「インドは1つ」ということが描きたかったように見える。

・実在した生身の人間とはいえ、半ば神話の登場人物みたいなシャータカルニ王を描くにあたって、バーラクリシュナの体現するヒロイズムというのがキーになると思っていた。そうした目でバラクリのパフォーマンスを見ていると、とてもじゃないが満足できるものじゃなかった。ただ、インターバル直前とクライマックスのパフォーマンスはさすがと言えるカッコよさで、いたく満足した。それは何かと言うと、結局は上で言及した「内股叩き」になるのだが(特にクライマックスのほうでは「両内股叩き」という技を披露していた!)。ひと言で言うと、お金をかけて精巧に作られた迫力ある戦闘シーンも、あの「パーン!」一発にはかなわなかった。

◎ 配 役 : ★★★★☆
◎ 演 技
・ナンダムーリ・バーラクリシュナ(シャータカルニ王役) ★★★★☆
 偉そうに言いながら、私がこれまでバラクリの映画を映画館で観たのは【Simha】(10)と【Sri Rama Rajyam】(11)だけだった。もちろんDVDを含めると多少は観ているが、いつも思うのはバーラクリシュナの硬さというか、不器用さ。本作も、戦闘シーンでの剣の振り方などはアヌシュカ・シェッティのほうがカッコいいぐらいだった。しかしこのお方は、上の「パーン!」のように、当たればデカいホームランを打つし、下のような古典的な姿ではきっちり決まる。

画像

・シュリヤー・サラン(ヴァシシュティ・デーヴィ役) ★★★☆☆
 久し振りに見たが、威厳ある可愛らしさといった感じで、良かった。まだまだ行けますね、このお方は。もっとダンスを見せてほしかった気もするが。

画像

・ヘーマー・マーリニー(ガウタミ・バーラシュリー役) ★★★☆☆
 意外なお方のカメオだったが、効いていたと言える。

画像

・シヴァラージクマール(カーラハスティーシュワラ役) ★★★☆☆
 ブッラ・カタの語り手という設定だった。音楽シーン1つ(音楽シーンというのは不正確かもしれない)だけの出演だったが、ストーリー的には重要な場面で、カメオとしては効果的な使われ方だった。ただ、やっぱり私の感性では、このお方をカッコいいというふうには思えないのだが。

画像

・脇役陣では、外敵の王たちがなかなかなツラ構えで良かったが、誰がどれか正確に把握していないので、コメントは控える。

・ファラー・カマリニーという人がエロいギリシア女の役をやっていた。音楽シーン1つだけのアイテム出演だと思っていたら、終盤で意外に重要な役回りとなり、女剣士姿が凛々しかったが、情けない死に方だった。
 (写真下: 本作のスチルではありません。)

画像

◎ 音 楽 : ★★★★☆
◎ BGM : ★★★★☆
◎ ダンス : ★★★☆☆
・チランタン・バットという馴染みのない人が担当しているからか、私の耳には新鮮に聴こえた。専門的なことは分からないが、古典音楽や民族音楽の要素を積極的に使い、エキゾチックだった。

◎ アクション : ★★★★☆
◎ 美 術 : ★★★★☆
◎ 衣 装 : ★★★★☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 特殊効果 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★★☆
・戦闘シーンはいろいろ工夫されていて面白かったが、結局はバーラクリシュナの甲冑も脱いでレスリング状態になった場面が一番力強かった。

◎ その他(覚書)
・どうもこの映画のクレジットは「△△の息子(または娘)〇〇」というスタイルになっていたようだ。

◆ 完成度 : ★★★★☆
◆ 満足度 : ★★★☆☆
◆ 必見度 : ★★★☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 1月21日(土),公開第2週目
・映画館 : Cinepolis (ETA Mall),10:00のショー
・満席率 : 1割
・場内沸き度 : ★☆☆☆☆

 

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ブーラ・カータが紀元前2世紀からあったとは知りませんでしたw
メタ坊
2017/01/29 23:30
私も大いに疑問に思うところですが、どこかのレビューに書いてあったのを鵜呑みにして書きました。今のブッラ・カタに相当する語り物、という意味なんだと思います。
カーヴェリ
2017/01/30 21:12

コメントする help

ニックネーム
本 文
【Gautamiputra Satakarni】 (Telugu) カーヴェリ川長治の南インド映画日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる