カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Chowka】 (Kannada)

<<   作成日時 : 2017/03/09 20:51   >>

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 1ヶ月前に公開されたのに、観たいような観たくないような気持ちが相半ばして、ほったらかしになっていた作品。
 観たいというは、私が応援している女優が4人(プリヤーマニ、バーヴァナ、アインドリタ・レー、ディーパ・サンニディ)出ていることと、カンナダ映画界の重鎮、ドゥワーラキーシュの制作50本目記念作品だということ。ドゥワーラキーシュについては、特に肩入れしているわけではないが、ラージクマールの時代から俳優として、プロデューサーとして、監督として、面白いカンナダ映画を送り出し続けてきた人物として、一応敬意を表している。
 観たくないというのは、ラニングタイムが長いし、面倒くさそうなストーリー展開が予想されたから。
 監督はタルン・キショール・スディールという人で、デビューとなる。しかしこの人も業界の二世で、父は有名な悪役俳優だったスディール、兄弟が【Victory】(13)や【Ranna】(15)でお馴染みの映画監督のナンダ・キショール。

【Chowka】 (2017 : Kannada)
物語・脚本・監督 : Tharun Kishore Sudhir
出演 : Prem Kumar, Diganth, Vijay Raghavendra, Prajwal Devaraj, Aindrita Ray, Priyamani, Bhavana Menon, Deepa Sannidhi, Chikkanna, Kashinath, Sharath Lohitashwa, Avinash, Abhirami, Tabla Naani, Giri Dwarakish, Ravi Chetan, Prabhakar, Manvitha Harish(特別出演), Darshan(特別出演), 他
音楽 : Gurukiran, Arjun Janya, V. Harikrishna, Anoop Seelin, Sridhar V. Sambhram
撮影 : Satya Hegde, S. Krishna, Santhosh Rai Pathaje, Shekar Chandru, Sudhakar Raj
編集 : K.M. Prakash
制作 : Dwarakish, Yogish Dwarakish Bungale

題名の意味 : 四方形
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : ドラマ
公 開 日 : 2月3日(金)
上映時間 : 2時間43分

《 あらすじ 》
 1986年、バンガロール。ゴーパーラ(Prem Kumar)は有能な鳩使いだったため、ハッキ(鳥)・ゴーパーラと呼ばれていた。彼にはプシュパ(Aindrita Ray)という恋人がいた。当時のバンガロールはマフィアのドン、ジャヤラージ(Sharath Lohitashwa)が仕切っていた。ある日、ジャヤラージが殺人事件を犯した際に、目撃していたゴーパーラはジャヤラージに有利な証言をしたため、ジャヤラージは彼を気に入り、自分の組に入れる。しかし、鳩レースで負けたのを機にジャヤラージはゴーパーラを疎んじ、警官殺しの罪を被せて、牢獄送りにする。
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 1995年、マイソール。大学を出たものの、無為に過ごすクリシュナ(Diganth)は、ある雨の日、マリア・デスーザ(Priyamani)という女性と知り合う。マリアの夫はドバイに出稼ぎに行っていた。クリシュナとマリアは意気投合するが、もちろん友達以上の間柄ではなかった。しかしある日、マリアが死体で発見される。それは近所に住む頭のおかしな男の仕業だったが、マリアから預かっていた宝飾品がクリシュナの部屋から発見されたため、彼に嫌疑がかかり、牢獄送りとなる。
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 2000年、マンガロール。実業家のスーリヤ(Vijay Raghavendra)にはブーミカ(Bhavana)という女子大生の恋人がいた。この街にはごろつきとも言えるヒンドゥー至上主義者がおり、スーリヤとブーミカに対して嫌がらせをしていた。そんなある夜、スーリヤとブーミカがクラブに行った際に、ヒンドゥー至上主義者たちが乱暴を働く。その時のいざこざで死者が出るが、それはスーリヤの仕業とされ、牢獄送りとなる。
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 2007年、ビジャープル。アンワル(Prajwal Devaraj)は当地の観光名所ゴールグンバズのガイドをしていた。アンワルはイスラーム教徒だが、彼にはヒンドゥー教徒の恋人ガウリ(Deepa Sannidhi)がいた。アンワル自身は正義漢だが、彼の姉の婚約者が実はテロリストだった。その男が爆弾事件を起こすが、それはアンワルのせいにされ、牢獄送りとなる。
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 2017年、ゴーパーラ、クリシュナ、スーリヤ、アンワルの四人はバッラーリの刑務所へと移送され、同房となる。この房には元教師のヴィシュワナート(Kashinath)という男もおり、何度か脱獄を試みては失敗していた。ヴィシュワナートにはラミャ(Manvitha Harish)という娘がいたが、代議士クリシュナムールティ(Avinash)の息子と結婚を誓い合っていたため、クリシュナムールティの手の者に殺される。しかもその罪はヴィシュワナートに被せられ、牢獄送りとなっていた。ヴィシュワナートはその無念を晴らすために脱獄を試みていたわけであった。その話を聞いたゴーパーラ四人は、正義と真実を訴えるために、ヴィシュワナートと共に脱走を実行する。だが、ゴーパーラら四人は成功するが、ヴィシュワナートは看守に捕まってしまう。
 ゴーパーラら四人は、共通の友人であるマンジュナート(Chikkanna)の協力を得て、隠れ処に潜む。マンジュナートはスリランカへの脱出を勧めるが、四人は聞き入れず、州議会の予算会議が開かれていたベラガーウィの議事堂へ向かうことにする。そこには今や州財務大臣となっていたクリシュナムールティがいるからである、、。

・その他の登場人物 : 刑務所所長(Abhirami),囚人シーナ(Giri Dwarakish)

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★★★☆
◎ 物 語 : ★★★☆☆
◎ 脚 本 : ★★★☆☆
・実は本作はすでにヒット宣言が出されており、レビューも巷の評価も高いのであるが、私は懐疑的。というか、苦手な映画だ。ただ、インド人(カンナダ人)には面白いと思われる要素がいくつもあるのは認める。

・まず、ラニングタイムが長いのがネックだった。もちろん長くても、長さを感じさせない面白さがあればいいのだが、本作の場合、要らない部分が多すぎるように見えた。

・またストーリーが盛りすぎ。ゴーパーラ、クリシュナ、スーリヤ、アンワルの別時代の物語が並行して進み、後半で一つになるという展開だが、これにヴィシュワナートの回想シーンも絡み、物語が都合5つになる。これは詰めすぎだろう。ヴィシュワナートの回想は省略できないが、ゴーパーラら四人のうち、面白みのなかったスーリヤのエピソードはなくてもよかったと思う。いや、あれはヒンドゥー至上主義者への当てこすりとして必要と言うなら、マイソールのクリシュナのエピソードがカットできたかもしれない。

・ただし、前半の4つの別の時代、別の土地の物語の並行的な描き方は、面白く、混乱することなく脚本化されていたと思う。

・最大の困った点は、物語が終盤へ行くにしたがって、ナショナリズム礼賛色がどんどん強くなったことだ。ヒンディー映画【Rang De Basanti】(06)のカンナダ映画版、と言えば本作のイメージがつかめると思う。私は【Rang De Basanti】も好きじゃないが、あれはまだ多少の説得力があった。しかし本作の場合、脱獄のシーン辺りからどんどん荒唐無稽になり、クライマックスでは「まずこんな台詞ありき」みたいな感じで四人がカッコいいことを叫び始めたので、ずいぶん白けた。外国人鑑賞者にはきつい。しかも、エンドロールでは国歌(メロディーだけ)が流れ、観客一同、起立。

・ちなみに、四人が叫んでいたのは、まず政治家クリシュナムールティに過去の罪(ヴィシュワナートの娘殺し)を認めさせ、それから政治家の腐敗がインドの発展を阻害している、農民の自殺の問題がなくならない、国軍兵士にはなぜか政治家の子供はいない、といったことだった。

・よくやる手だが、それぞれの時代を特徴づけるために、その時代のヒット映画が引用されていた。覚えているのは、1986年(バンガロール編)では【Nee Bareda Kadambari】(85)と【Anand】(86)。(【Nee Bareda Kadambari】はドゥワーラキーシュの初監督作品。)1995年(マイソール編)では【DDLJ】(95)と【Rangeela】(95)。2000年(マンガロール編)は【Upendra】(99)。2007年(ビジャープル編)も何かあったかもしれないが、覚えていない。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・プレーム・クマール(ハッキ・ゴーパール役)★★★☆☆
・アインドリタ・レー(プシュパ役) ★★☆☆☆
 バンガロール編のお二方。ヒーロー四人のうち、結局このプレームが一番カッコよかった。アインドリタは不発。

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・ディガント(クリシュナ役) ★★★☆☆
・プリヤーマニ(マリア・デスーザ役) ★★☆☆☆
 マイソール編のお二方。ディガントは後半が良かった。プリヤーマニはオバサンくさかった。

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・ヴィジャヤ・ラーガヴェンドラ(スーリヤ役) ★★☆☆☆
・バーヴァナ(ブーミカ役) ★★☆☆☆
 マンガロール編のお二方。ヴィジャヤ・ラーガヴェンドラに全く冴えなし。この間謎の誘拐事件で話題になったバーヴァナも疲れたような感じだった。

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・プラジワル・デーヴァラージ(アンワル役) ★★★☆☆
・ディーパ・サンニディ(ガウリ役) ★★★☆☆
 ビジャープル編のお二方。プレームの次に健闘していたのはこのプラジワルだろう。他の3人のヒロインが不発な中、ディーパ・サンニディだけは多少光って見えた。

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・カーシーナート(ヴィシュワナート役) ★★★★☆
 このオジサンが出てくるとは思わなかった。登場時に大きな歓声があった。ふた昔前に人気のあった俳優/監督で、監督作品としては私はDVDで【Anubhava】(84)と【Ajagajantara】(91)しか観ていないが、風刺の効いた面白い映画だった。このお方はクンダープラ出身で、同郷の後輩ウペンドラを育てた人としても有名。

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・チッカンナ(マンジュナート役) ★★★☆☆
 ヒーロー四人の共通の友人という、かなり無理のある設定だった。彼の友人が四人とも牢獄送りになるとは、なんと疫病神な奴なんだ。

・ダルシャンがロバートという名で怪力の囚人として出ていた。このダルシャンと「キリキリ語の王様」とが格闘するシーンがあり、それは見ものだったが、何のために入れたシーンか分からなかった。
 (写真下: どちらも本作のスチルではありません。)

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◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★☆☆☆
・音楽監督はグルキラン、アルジュン・ジャニヤ、ハリクリシュナ、アヌープ・シーリン、シュリーダル・V・サンブラム(V・シュリーダル)の5人が担当するという趣向だった。

・1曲でプニート・ラージクマールが歌っていたらしいが、気付かなかった。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★★☆
◎ 特殊効果 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★★☆☆
・撮影は良かった、これもサティヤ・ヘグデ、S・クリシュナ、サントーシュ・ラーイ・パータージェー、シェーカル・チャンドル、スダーカル・ラージの5人が担当するというものだった。

◎ その他(覚書)
・バンガロール編に出てきたドンは「ジャヤラージ」という名前だったが、これはまさに実在したドンのジャヤラージのことだった。【Aa Dinagalu】(07)参照。

・クライマックスで主人公四人が立て籠もる建物はベラガーウィにある「Suvarna Vidhana Soudha」。

◆ 完成度 : ★★★☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★★☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 3月4日(土),公開第5週目
・映画館 : Cinepolis (ETA Mall),15:20のショー
・満席率 : 9割
・場内沸き度 : ★★☆☆☆

 

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【Shuddhi】 (Kannada)
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