カーヴェリ川長治の南インド映画日記

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zoom RSS 【Mister】 (Telugu)

<<   作成日時 : 2017/04/18 20:45   >>

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 テルグのシュリーヌ・ヴァイトラ監督は、本ブログでも何度か紹介したし、日本でも【Baadshah】(13)が公開されたりして、少しは知られていると思う。私も【Dubai Seenu】(07)で初めて観て以来、好きな監督に挙げていたが、どうも最近は不振らしく、【Aagadu】(14)、【Bruce Lee】(15)と、連続フロップを叩いている。私の感触でも、作品を追うごとに完成度、面白さが落ちているようで、前作の【Bruce Lee】はついに無視した。
 しかし今回は、ヒロインがラーワンニャ・トリーパティとヒーバー・パテールという、私好みの取り合わせであること、それに主演がちょっと注目したいワルン・テージということで、観ることにした。

【Mister】 (2017 : Telugu)
物語 : Gopimohan, Sreedhar Seepana
脚本・監督 : Srinu Vaitla
出演 : Varun Tej, Lavanya Tripathi, Hebah Patel, Nikitin Dheer, Murali Sharma, Harish Uthaman, Nasser, Prince, Prudhviraj, Tanikella Bharani, Nagineedu, Chandra Mohan, Anand, Eeswari Rao, Satyam Rajesh, Shakalaka Shankar, Raghu Babu, Tejaswi Madivada, Shaking Seshu, Satya Krishnan, Surekhavani, Srinivasa Reddy, Shravan, Brahmaji, Bharath Reddy, Shafi, Priyadarshi, Vidyullekha Raman, Ravi Prakash, Fish Venkat, 他
音楽 : Mickey J. Mayer
撮影 : K.V. Guhan
編集 : M.R. Varma
制作 : Nallamalupu Bujji, Tagore Madhu

題名の意味 : 旦那様
映倫認証 : U/A
タ イ プ : オリジナル
ジャンル : アクション/ロマンス
公 開 日 : 4月14日(金)
上映時間 : 2時間41分

《 あらすじ 》
 チャイ(Varun Tej)は父や叔母たちとスペインで暮らす青年。ある日、ゲストの若い女性を迎えに空港へ行くが、勘違いで別の女性を家に連れて帰ってしまう。それはミーラー(Hebah Patel)という女性で、5日間だけスペインに滞在する予定だった。チャイの家族はせっかくだからと、ミーラーを家に滞在させる。この間にチャイはミーラーに惚れてしまう。だが、ミーラーはチャイに、インドに婚約者のシッダールト(Prince)がいると告げ、そのまま帰国する。
 しかし数日後、チャイはミーラーから電話を受け、シッダールトに婚約を破棄され、死にたいと告げられる。チャイはミーラーの問題を片付けるために、インドへと飛ぶ。
 チャイはまずシッダールトに会い、事情を聞く。実はシッダールトは今もミーラーとの結婚を望んでいるが、凶暴な彼女の兄(Harish Uthaman)に脅され、結婚を諦めたというわけであった。チャイはシッダールトに必ずミーラーと会わせると約束する。
 チャイは次にミーラーが滞在している田舎へと向かう。だがその途上で車が故障してしまい、変な映画監督(Prudhviraj)らと共にバスで移動することになる。そのバスにチャンドラムキ(Lavanya Tripathi)という田舎娘が乗って来る。チャンドラムキは何かの事情で悪漢に追われているようだった。
 チャイたちは何とかミーラーを兄の手から引き離し、プリンスに会わせようと逃走する。その過程で一同はカルナータカ州の村に迷い込む。そこは中世のヴィジャヤナガラ朝の末裔が暮らす村だった。実はチャンドラムキはその当主(Murali Sharma)の娘で、ラーフル(Nikitin Dheer)という男との結婚が決まっていたが、しかしラーフルはとんでもない悪漢だったため、逃げ出していたというわけだった。チャイはこの当主から不可解な理由で斬首刑にされそうになる。しかしチャイの体にあった痣が吉兆で、逆にチャイとチャンドラムキの婚約がまとまる。
 ミーラーもこの当主の館に滞在していたが、あっさりと兄の部下に拉致されてしまう。チャイはミーラーからメッセージを受け取り、彼女を救うためにベンガルールの彼女の実家へと向かう。これにはチャンドラムキも同行していたが、実は密かに当主に恨みを抱く家臣(Nagineedu)が、チャンドラムキを暗殺するための刺客を放つ。
 チャイはミーラーを連れ出し、チャンドラムキと共に逃げる。一同はミーラーの兄の部下、家臣の放った刺客の双方から追われることになるが、何とか逃げ込んだ先はチャイの祖父ピッチャイヤ・ナーイドゥ(Nasser)の屋敷だった。
 チャイは誤解から祖父とは疎遠な間柄だった。しかし、ここでその誤解も解ける。チャンドラムキは祖父に自分とチャイが婚約していることを告げる。これを聞いたミーラーはショックを受ける。実はミーラーもこの時までにチャイを愛するようになっていたからである、、。

   *    *    *    *

◎ テーマ : ★★☆☆☆
◎ 物 語 : ★★☆☆☆
◎ 脚 本 : ★★☆☆☆
・とにかく、観る前からさっさと「失敗作」の声が聞こえていたので、代わりにダヌシュが初監督したタミル映画【Pa. Paandi】を観ようかと思ったほどだが、まぁ、ヒロイン目当てで踏みとどまった。感想は「シュリーヌ・ヴァイトラ、ついにご乱心か?」と。あれだけヒット作を連発していた同監督が「ハットトリック・フロップ監督」になってしまうとは。

・おそらくシュリーヌ・ヴァイトラ監督の最駄作だろう。アイデアは幼稚、ストーリーはハチャメチャ、登場人物はムダに多い上に、ラニングタイムが長すぎる。さすがのテルグ人も、ヴィジャヤナガラ王朝の末裔が出てきたところで、頭痛がしたに違いない。シュリーヌ・ヴァイトラが悪いのか、ストーリー担当のゴーピ・モーハンが悪いのか。

・シュリーヌ・ヴァイトラ監督は公開前の記者会見で、本作では語り口を変えたと言ったらしいのだが、特にそうは見えなかった。例の、主人公たちが大掛かりなドラマを打って敵役を追い込めるというプロットこそなかったが、基本的にはシュリーヌ監督らしい作品だった。

・本作の場合、趣味の悪いややこしいストーリーはさて置き、ヒーロー持ち上げ映画にしたいのか、三角関係のロマンス映画にしたいのか、どちらとも言えないのが苦しい。個人的には、ワルン・テージに三角関係のラブコメをさせたらよかったと思うのだが。

・シュリーヌ監督が近ごろ苦しんでいる理由としては、優秀なコメディアンの不在というのもあるだろう。ヒット街道を歩んでいた頃は、ブラフマーナンダム、MSナーラーヤナ、スニール等々、コメディアンが競うように登場したものだ。本作もコメディアンの数こそ揃っているが、ラグ・バーブ以外は雑魚で、あまり笑いが取れない。だからいちいちが要らないシーンになってしまう。

・ただ、そうは言っても、ここまでアホくさいと、観ていてくらくらっと目まいがし、それが麻薬効果みたいになり、けっこう面白かったぞ(例えば、ガーンディー主義者の村のシーンとか、病院での妊婦出産のシーンとか)。これを狙ってやったとしたら、シュリーヌ・ヴァイトラ監督はすごい。

・もう一つ、個人的に興味深かったのは、本作ではなぜかカンナダとのリンクが多かったことだ。物語の何割かはカルナータカ州が舞台で、カンナダ語を話す人物も登場し、ヴィジャヤナガラ朝のクリシュナデーワラーヤ王に関連付けられていたり、ラージクマールの【Kasthuri Nivasa】(71/14)の白ハトも出てきたりした。

・シュリーヌ・ヴァイトラ監督作品は映画のパロディーを入れることでも有名だが、本作ではラグ・バーブ、シュリーニワーサ・レッディ、テージャスウィ・マディワーダのコメディー・トラックが【Oopiri】(16)のパロディーだったらしい(【Oopiri】は観ていないので分からなかった)。

◎ 配 役 : ★★★☆☆
◎ 演 技
・ワルン・テージ(チャイ役) ★★★☆☆
 【Kanche】(15)では好印象を受けたが、本作ではまずまずといったパフォーマンス。ただ、台詞回しは思ったより上手いようだ。【Kanche】鑑賞記で書いたとおり、チランジーヴィの野性味という点ではラーム・チャランよりこの人のほうがよく受け継いでいると思われるだけに、もっとダンスとアクションができたらなぁ。アッル・アルジュンと足して2で割るってことはできないかね。

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・ラーワンニャ(チャンドラムキ役) ★★★☆☆
 前半終了間際からの登場で、セカンド・ヒロインかとも思ったが、形式上はヒロインだった。隔絶した環境で育てられ、携帯電話も女優サマンタも知らないという、天然ボケ系の田舎娘(実はロイヤルファミリーの娘)を活き活きと演じていた。

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・ヒーバー・パテール(ミーラー役) ★★☆☆☆
 セカンド・ヒロインということになるが、重要な役回り。ただ、残念ながらヒーバーの持つ不思議な魅力が活かされていたとは言えない。

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・悪役はぞろぞろといたが、いずれも面白みのない描かれ方。悪役ではないが、王室の末裔を演じたムラリ・シャルマは気色が悪くて良かった。

・コメディアンもぞろぞろいたが、中に元子役コメディアンのバーラト・レッディがいた。久々に見たが、やはりこいつとにらめっこしても絶対に勝てないと思った。

◎ 音 楽 : ★★★☆☆
◎ BGM : ★★★☆☆
◎ ダンス : ★★☆☆☆
・シュリーヌ・ヴァイトラ作品の音楽といえば、だいたいDSPかタマンが担当しているが、今回は珍しくミッキー・J・マイヤーの担当。器用にDSPみたいな曲を揃えていたが、良かったという印象はない。

◎ アクション : ★★★☆☆
◎ 衣 装 : ★★★☆☆
◎ 撮 影 : ★★★☆☆
◎ 編 集 : ★★☆☆☆
・例によって場所がどこか分からないバーチャル空間映画だった。カルナータカ州の村だと設定されていた場面はどうもチクマガルールで撮影されたらしい。

◆ 完成度 : ★★☆☆☆
◆ 満足度 : ★★☆☆☆
◆ 必見度 : ★☆☆☆☆

◆ 鑑賞データ
・鑑賞日 : 4月15日(土),公開第1週目
・映画館 : PVR (Forum, Koramangala),10:05のショー
・満席率 : 1割
・場内沸き度 : ★★☆☆☆ (客の入りの割には賑やかだった。)

 

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コメント(2件)

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やっぱあきまへんでしたか。ラーワンニャに村娘やらせると知った時点でそれは比婆ちゃんの役やろうとガックリきたのですが、そこらへんはクリアされてたようで、僅かな救いです。
メタ坊
2017/04/21 14:28
ヘンテコな映画でした。
ラーワンニャは実は貴族の娘という、面白い役柄でした。
逆に比婆ちゃんのほうが何がどうと言うことのない役柄で、もったいないと思いました。
カーヴェリ
2017/04/23 10:00

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